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悲しい事件のその後、それでも生きてゆく

「それでも、生きてゆく」勇気を
年明けに東京滞在中の台湾人留学生が殺害されたという悲しい事件が報道された時、いったい誰がこんな残虐なことを!と憤りを感じました。事件はすぐに解決に辿り着きましたが、感情のもつれからの犯行、そして犯人逃亡、自殺という結末。残された遺族を思うと不憫でなりません。
この事件について台湾のテレビも新聞も大きく取り上げ報道しました。同じ台湾人留学生である犯人の父親に執拗に取材を行った現地のマスコミに対して、映画「悲情城市」などのヒット作を生み出した呉念真監督が自分自身のFacebookで次のようなコメントを綴っています。
「罪を犯したのは30才の大人であり、その父親ではない。
子どもを失って泣き崩れた父親に、何も聞かないでおこうってことはできないかな?
お願いだから、もし仕事のためにどうしても必要というなら、彼の後ろ姿の写真だけではダメなのか?
彼の知ってることは皆さんより少ないかも知れないが、知りたいという気持ちは皆さんよりはるかに強いと思う。
彼の痛みは、若い皆さんにはまだ分からないだろう。」
このコメントには7千もの応援メッセージが書き込まれ、10万回近くリツイートされ、18万5千人が「いいね」と賛同しています。
この事件について台湾のテレビも新聞も大きく取り上げ報道しました。同じ台湾人留学生である犯人の父親に執拗に取材を行った現地のマスコミに対して、映画「悲情城市」などのヒット作を生み出した呉念真監督が自分自身のFacebookで次のようなコメントを綴っています。
「罪を犯したのは30才の大人であり、その父親ではない。
子どもを失って泣き崩れた父親に、何も聞かないでおこうってことはできないかな?
お願いだから、もし仕事のためにどうしても必要というなら、彼の後ろ姿の写真だけではダメなのか?
彼の知ってることは皆さんより少ないかも知れないが、知りたいという気持ちは皆さんよりはるかに強いと思う。
彼の痛みは、若い皆さんにはまだ分からないだろう。」
このコメントには7千もの応援メッセージが書き込まれ、10万回近くリツイートされ、18万5千人が「いいね」と賛同しています。
ところで、このような事件を聞くと、昨年夏フジテレビの木曜ドラマ「それでも、生きてゆく」が思い出されます。昨年見たドラマの中ではこの「それでも、生きてゆく」が一番心に残ったものとなりました。殺人事件の被害者家族と加害者の家族のその後の生活・心理、お互いに関わっていく間に生じた心の変化などをきめ細かく描くもので、初回からその異様な雰囲気に引かれてそわそわしながら毎回息を止めて真剣に見ていました。被害者家族が「悲しみ」、加害者の家族が「罪悪感」など複雑な感情を背負っていて「それでも、生きてゆく」姿にいろいろ考えさせられました。人生に何が起こるのかは分からない、それでも生きてゆかねばなりません。被害者の家族はもちろん、加害者の家族も同じ状況に余儀なくさせられることに気付きました。

●瑛太さん、満島ひかり主演ドラマ「それでも、生きてゆく」
「それでも、生きて行く」に私が気づかされたように、呉念真監督の言葉に生きてゆくを勇気をもらった人はきっとたくさんいます。ドラマの主人公は悲劇を乗り越え、明日への希望を見い出そうとしていました。現実に生きている人間はそう簡単にはいかないと思いますが、この事件の関係者がいつか深い悲しみから立ち直れるように心からお祈りします。(編集部 シンギ)