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9.29映画『アシュラ』公開-『TIGER & BUNNY』のさとうけいいち監督の放つメッセージ-

眼を背けてしまうほどの映像。それを通して、さとうけいいち監督の伝えたいこととは?
この秋は注目の映画作品が続々登場しています。そのなかでも今回は、アジアンビートが特集でお届けしている『劇場版 TIGER & BUNNY-The Beginning-』で知られる、さとうけいいち監督に注目したいと思います。実はさとう監督、劇場版の『TIGER & BUNNY』公開の翌週、9月29日公開の『アシュラ』でも監督も務めているということ、皆さんご存じですか?『TIGER & BUNNY』といえば、テレビアニメ史をはじめ各方面で記録を塗り替えるべく躍進中の大人気アニメ作品。ワイルドタイガーこと鏑木・T・虎徹が大都市シュテルンビルトの平和を守るヒーローとして、バディのバーナビー・ブルックスJr.(通称バニー)をはじめとするヒーローたちと共に戦うという物語。最盛期を過ぎたベテランヒーロー虎徹の活躍に手に汗握りながら、熱狂したり、勇気をもらったりした人も多いはず。
一方『アシュラ』はというと、舞台は15世紀中頃、飢饉や戦で食糧のない時代。生きるために人をも殺して食う主人公アシュラが絶望の中で自分の運命を見出すという物語。この作品は元々1970年にジョージ秋山原作の漫画として世に出るも発禁処分となり賛否両論を巻き起こし、映像化不可能といわれ続けた作品。最初にこの作品を知った時には『TIGER & BUNNY』とのギャップを感じて、どんな作品なのか、予想もつかない感じでした。そしてやはり、実際に観てみて戸惑いました。過激な殺戮シーンや残酷なシチュエーション。思わず眼を背けてしまいたくなる場面の連続で、観ていて辛くなるほどでした。それでも観るのを中断しなければ、最後にこの作品全体を貫くテーマが見えてきます。
一見本作品と『TIGER & BUNNY』との共通点を見出すのは困難なように思われます。しかし不器用でもうまくやれなくても、抗えない運命を受け入れていく主人公の様子を描いているという点では一貫しています。そこに、さとうけいいち監督が作品に込めた思いを読み解く鍵があるのではないでしょうか。
さて、本作品、映像のほうももちろん凄いですが、声優陣も野沢雅子や林原めぐみなどの人気声優に加え、名優・北大路欣也も出演するなど、豪華俳優陣が勢揃い。『TIGER & BUNNY』の虎徹役の平田広明も登場しますよ。この機会に、さとうけいいち監督が手掛ける二作品を観比べてみるのもいいかもしれません。あなたにも監督が放つメッセージが届くはず。(編集部 シミズ)

■ストーリー
15世紀中期、相次ぐ洪水、旱魃、飢饉で荒野と化した京都、それに追い打ちをかけるように始まった日本史上最大の内戦・応仁の乱。戦で食糧のない時代に産み落とされたアシュラはケダモノとしてサバイバルを続ける。そんななか、アシュラは一人の少女・若狭の優しさと法師の教えに出会い、次第に人間性を備えていく。言葉を覚え、笑い、喜ぶ日々。しかしそれは苦しみと悲しみの始まりでもあった。天災と貧困はより深刻化し、人間性を失っていく人々。ついには若狭さえも…。果たしてアシュラの運命は?
■キャスト
(声の出演)
野沢雅子、北大路欣也、林原めぐみ、平田広明ほか
■スタッフ
監督: さとうけいいち、原作: ジョージ秋山、脚本: 高橋郁子
■映画『アシュラ』公式ページ
http://asura-movie.com/
(C) ジョージ秋山 / アシュラ製作委員会