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asianbeat 福岡県が運営する多言語WEBサイト

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祝7周年!9月30日はasianbeatの誕生日です。

dailytopics
2005年9月30日、若者文化情報を発信する多言語ウェブサイト「asianbeat」は誕生した。

それから、ちょうど7年。

まんが、アニメ、ファッション、ポップミュージック、映画、ドラマ、食文化などの若者文化情報を発信しつづけ、気がつけば7年間でトータル10万ページ以上もの情報を、私たちはアジアの若者に発信してきた。

最近は「asianbeat」のことを「知っています・よく見ています」と初対面の人からも言われることが増え、認知も随分とあがってきたなあと手応えを感じるようになってきた。

「asianbeat」構想は2003年4月、麻生渡前福岡県知事のマニフェストの一つとして事業化に向けて動き始めた。当時、日中韓の間には、教科書問題、歴史認識、靖国参拝、領土問題など何かあると不安定な関係が生まれやすい状況であったが、一方で、アジアの経済成長に裏打ちされた文化ビジネスも拡大を続け、韓国からは「冬のソナタ」に代表される韓流ブーム、中国からは「女子十二楽坊」による音楽ブーム、日本からも人気バンド「GLAY」が中国・北京でおこなったライブでは熱狂的なファンに迎えられるなど、国家間の不安定な状況とは裏腹に、若者文化は軽々と国境を越えていった。

ここ福岡は、数多くの有名人を輩出し、志ある若者を受け入れ育てる風土を持った地域である。人気アーティストのライブには韓国や台湾からも若者が押し寄せていた。そんな土地に住む私たちには、若者文化はこれからの国際交流の新たな柱となるという、少なからずとも実感があった。

しかし、すんなりと事業化が決まったわけではなかった。ポップミュージック、アニメ、まんが、ファッションなどの文化交流と言っても、自治体が取組んだ事例も無く、いまでこそ、ニュースや新聞、雑誌等で“コスプレ”、“かわいい”などが、世界の若者に影響を与え、多くの日本ファンを生みだす日本の誇るべき文化といった内容に触れる機会が増えたが、当時は新しいコンテンツビジネス、マルチメディアやITの振興、発展と捉える人も多く、若者文化交流という言葉に呼応し、振り向いてくれる人は本当に少なかった。

そのため、事業化に「待った!」がかかり、2004年度、私たちは「若者文化研究会」を立ち上げ議論をはじめることからスタートした。

研究会での熱心な議論は若者へのアプローチに、インターネットの普及による多言語情報発信とリアルな交流による連動を積極的に図って行くべしと結論づけ、2005年度、遂に事業化に踏み切ることとなった。(1)多言語ウェブサイトによる情報発信、(2)若手アーティストの海外派遣、(3)アジア若者文化大使による交流活動を主要任務として、全国初となる若者文化を切り口とした国際交流の最前線へと打って出たのである。

多言語による情報発信は、踏み出したばかりの私たちにとって、釣り糸のごとく、とてもとてもか細いものであったが、ひっぱってもちぎれることなく、そして長く、瞬く間に世界とつながっていった。さらには、のちにメジャーデビューを果たした手嶌葵さんのように、アーティストたちの若々しいエネルギーもアジアの若者の心へと響いていった。20代、30代中心のアジア各地で活躍する7名の若者文化大使の活動は経験不足をものともせず、若者文化交流の基礎路をひいてくれた。いまおもえば、アジアの活力とともに、すべては、若者の情熱が扉の向こうを切り拓き、アジアとの架け橋をつくっていったのだ。

そして、忘れもしない2007年12月28日午後、仕事納めのその日に、福岡県庁8Fにある会議室にasianbeat関係者が集められ、知事のリーダーシップのもと、“第二次asianbeat計画”とも言うべき、新たな戦略づくりへと着手したのである。その結果、それまでの積み重ねの上に、福岡とアジアの線を、福岡からアジアに広がる面へと発展させ、さらには福岡を本気で日本の若者文化情報交流拠点にしてやるぞと、大規模な拡大路線に挑戦することとなった。ウェブサイトは大幅リニューアルをおこない、主催イベントの開催や海外物販の開始、さらには海外メディアとの連携によるクロスメディア発信なども新たに始めた。若者文化による国際交流を活発にするため、私たちの仕掛けは日に日に大きくなっていった。未知の領域もどんどん増えていった。走っても走っても出口の見えない日々は続いた。正直、もうダメかなとおもうようなときもたくさんあった。それでも私たちは、土日も返上してアジアを飛び回り、格闘を続けた。精神的にも肉体的にも疲労はピークにあったとおもうが、意外にも、やめたり、投げ出したいとおもうようなことはなかった。

それは、なぜか。

前へ前へと歩みつづけ、辿ってきた道を振り返ったとき、そこには着実に協力してくれる若者とともに、若者文化交流の輪が二重にも三重にも広がっていた。自分たちがやってきたことへの成果であり、喜びであった。私たちにとっても次へ進むための大きな原動力が自然と生まれていたのだ。

今年名古屋で開催された世界コスプレサミットでの出来事。とある日本の若者に初対面のように名刺を差し出したら、「福岡に行ってますよ!」と。じつは昨年開催した「ASIA VOCALOID FESTA」に参加してくれていたのだ。そのことがきっかけで、香港や韓国の若者たちと知り合い、全員、名古屋での再会となった。交流の輪は時間とともに、より大きく広がっていた。そして、あとで聞かされて驚いたが、国境を越えお互いの家を寝泊りするほどの深いつきあいへと育っていた。

今年3月に開催された福岡アジアコレクション(FACo)の舞台裏では、asianbeatで招聘した中国、台湾、タイの若者が肩をならべて同じステージを楽しんでいた。そして、昨年、一昨年と参加してくれたタイや台湾の若者たちは、今年もfacebook上で、みんなを応援してくれた。さらには、タイ、台湾、中国でファッションショーをおこなうときには、喜んで参加してくれる。

コスドル選手権、アニソンアワードなど、福岡で開催したイベントに参加してくれた中国、タイ、台湾などの若者たちも、私たちが現地に交流イベントで出かけて行くと、いつもコスプレ姿で盛り上げてくれる。何かあると手弁当で駆けつけてくれる頼もしい若者たちだ。

タイで最初におこなったカワイイコンテスト参加者は、その後、ミスタイランドに選ばれ、交流の架け橋として5月のどんたくパレードに参加するため初めて福岡にやってきて、おもわぬ再会となったこともあった。そして、しっかりと、「asianbeat」のことは覚えていた。

輪は年輪と一緒で、日に日に成長している。

そして、何よりも、この7年で大きく変化したのは自分の周りの環境だ。先日はミーティングで半年間の振り返りをおこなった。スタッフも成長している。新企画を立ち上げた者、イベントでお世話をした若者が国境をまたいで活躍するようになったことを喜ぶ者、数値目標に向かってそれを達成した者、読者の厳しい意見に反省し改善をはかる者など。いま、asianbeatの福岡事務所には、日本人、台湾人、オーストラリア人、中国人、韓国人、タイ人が机をならべて、「asianbeat」というウェブサイトを運営するために、力をあわせて頑張っている。ハノイにはベトナム人スタッフもいる。そこには、国・地域なんてさらさら関係ない。ぶつかりあうことはあるが、それはみな「asianbeat」のためをおもって意見を言う。難しいことは何も無い。だって、何かを成し遂げようとするとき、価値観や感性を共有できるからこそ、人間なのだ。

まだまだ微力ではあるが、私たちには少なからずとも「世界の共感」を育んでいくという、自覚と責務がある。

今日、悲しいかな、島の領有権をめぐって、対立が深まるような行動が頻繁に発生している。あらためて、隣国・地域との関係はまだまだ未成熟で、良好な信頼関係というものは、1日で成らずと感じた。

7年間、じっくり時間をかけて積み重ねた結果、「asianbeat」は、少しは太い樹木に育ったとおもっている。

それでも、長い目でみれば、まだ、たったの“7年”である。

隣国や地域との交流はこの先も10年、20年とずっと続くのである。


2012年9月30日。

「asianbeat」は7回目の誕生日を迎える。


おめでとう、
きっと今日は大勢の人がお祝いしてくれることだろう。
忘れられないほど、これからの大きな励みとなるだろう。

進むべき道は険しくとも、前へ前へと進もう。

みんながエールを送っている。

若者文化に国境はない!


感謝を込めて。


(asianbeat次長 川越 信一郎)
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