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園子温監督最新作『希望の国』10.20公開-世界で評価を受ける表現者-

現実にあったことを作品としてどう表現するのか?園子温監督の想いとは?
園子温監督の最新作『希望の国』が10月20日(土)に公開されます。昨年公開の『ヒミズ』がベネチア国際映画祭で絶賛され、主演の二人が新人賞を受賞するなど各所で話題の監督。アジアンビートでもインタビュー記事を掲載していますので、そちらもチェックしてみてください。
・[愛魂 vol.43] 園 子温 ~独特の世界観で人々を魅了する映画界の鬼才~
さて、『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』『恋の罪』など彼の作品の中には、現実の事件を題材とし、“性”や“暴力”といったタブーに挑戦したものが多数ありますが、今作もその一つ。テーマは、現在日本で最大のタブーとされる“原発”。芸術分野ではまだ誰も取り扱えていない原発をテーマにフィクションとして表現した今作には、監督自身が実際の取材によって見聞きした事実が織り込まれています。そのためか、今作を観てみると、フィクションではあるけれども、東日本大震災直後のあの感じがリアルに蘇ってくるような感覚がありました。東日本大震災を作品にする過程で、震災後の風景や人々の情感を忠実に表現し、観る人に伝えたいという監督自身の想いが反映されているからなのでしょう。監督のそのような姿勢は、観る人に表現者としての誠実さを感じさせます。震災直後、報道やドキュメンタリーなどで伝えられたもの以上に、あの日から被災地で起こった出来事を忠実に、そして的確に再現している。そんな今作を通して、表現するという行為が生む可能性に触れてみてはいかがでしょうか。
今作はカナダ・トロントで開催された第37回トロント国際映画祭でNETPACアジア最優秀映画賞を受賞しています。また、イギリス、台湾の制作会社から出資を得て3か国・地域の共同制作作品であることもあり、今後ますます国内外で注目されるはずです。震災後、日本の映像作品の、これからの展開に期待。(編集部 シミズ)
突然おとずれた不安、痛み、苦しみ、別れ・・・ただ愛するものを守りたい

■ストーリー
舞台は東日本大震災から数年後の 20XX 年、長島県。酪農を営む小野泰彦(夏八木勲)は妻・智恵子(大谷直子)と息子・洋一(村上純)、その妻・いずみ(神楽坂恵)と満ち足りた日々を送っていた。あの日が来るまでは。長島県東方沖を襲った大地震と、それに続く原発事故は人々の生活をたちまち一変させてしまう。そんな中、妊娠が分かったいずみは、子を守りたい一心から、放射能への恐怖を募らせていく━。やがて、原発は制御不能に陥り、最悪の事態を招いてしまう。終わりなき絶望と不安の先に、果たして希望の未来はあるのだろうか?
■キャスト:夏八木勲、大谷直子、村上純、神楽坂恵ほか
■監督: 園子温
■『希望の国』公式ページ:http://www.kibounokuni.jp/
■公開日:10月20日(土)
■劇場:KBCシネマ
■配給:ビターズ・エンド
(c)The Land of Hope Film Partners