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Interview Now ~香月 浩一(Kohichi Katsuki)~(2/3)

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発想のきっかけとなったのは北野武監督“座頭市”のワンシーン

Q.(asianbeat)平成26年度(第18回)文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門新人賞の受賞おめでとうございます。今のお気持ちをお聞かせください。

香月浩一氏(以下「香月(浩)」):ありがとうございます。みんなの力で取れたと思っているので、素直にうれしいです!
文化庁メディア文化祭は、学生の時からよく知っていた国際コンペティションでしたが、テレビ番組を制作する自分たちとは縁遠い賞だと思っていました。今回いいところまで行けばいいなとは思っていたんですが、「文化庁メディア芸術祭賞(文部科学大臣賞)」という賞をいただくことができて、とてもうれしいです。受賞を知った日はご飯がのどを通らなかったくらいうれしかったですね。

Q.周りの方々の反応はいかがでしたか。

香月(浩)スタッフのみんなもとても喜んでくれています。今回、僕一人の名前がバンっと出てしまっているのが、若干申し訳ないなと思ってます。当然、僕一人の力でできたものではなく、これを作るまでにはいろんな方々に助けてもらったので。まずは、その方たちに「ありがとう」と言いたいですね。

Q.伝統文化の音に注目して、若者のダンスパフォーマンスとコラボさせるというプロモーション手法はとても斬新だなと思いますが、どんなきっかけでこの手法が生まれたんでしょうか?

香月(浩)もともとは、“LinQ”というアイドルに出演してもらって番組をやろうというのがスタートでした。でも、ご当地アイドルを起用した番組はとても多く、既にいろいろなことを試しているんです。その中で、KBCコンテンツ事業部の人たちとブレストをし、どんなコンテンツをつくるべきなんだろうと考えたときに、北野武監督の映画“座頭市”を思い出したんですよ。農作業する農夫の方たちが、畑をザクザク耕すシーンがあって、それでリズムを奏でているシーンが思い浮かんだんです。それを福岡の伝統工芸の音を使って、その音に合わせて踊るのがアイドルとか若い人達だったら面白いんじゃないかと思って。でもそれだけでは、まだ何か足りない!と思って次に出てきたアイデアが、“ミッションを課せられた女の子のキャラクター”なんです。その女の子がミッションをこなすうちにどんどん映像が出来ていく、という入れ子構造の作りにしたら、広がり方も面白いんじゃないかっていって始まったのがそもそもの発想ですね。ただ、この着想を形にするために、3DCGを制作してくれたハッピープロジェクトの田上喬さん、作曲家のSHiNTAさん、作詞家のももちひろこさん、振付けのSO先生と、多くの人に助けてもらいました。
今回の撮影がLinQの楽曲「GARNET」のMVも兼ねていたので、事務所の方、レコード会社の方と何度も打ち合わせを重ねていいものを目指しました。メンバーと打ち合わせをするために訪れたら、既に振付が完璧になされていて。LinQのメンバーのスキルと一生懸命さにびっくりしました。

香月和宏氏(以下「香月(和)」):浩一君から「5DAD」のアイデアを聞いたときに、僕がプロデューサーとして受け取ったのは「踊ってみた」というWEB文化だったんです。若い人たちはダンスとか踊って表現して、YouTubeとかニコニコ動画とかに上げることが大好きですよね。「踊ってみた」で、単に踊りを披露するだけでなく、その背景に自分達が大切にして残したいものとか文化を重ね合わせるともっと意味が出て、若い人がそれを表現してくれたら広がるのではないかという考えがあって、それで浩一君の話を受け取った時にこれは面白い企画になるんじゃないかなって思いましたね。

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▲八女の和紙とブレイカー

これまでにない新しい取り組みが故の苦労とは・・

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▲香月 浩一氏(「5DAD」監督)
Q.制作にあたり大変だったことはありますか?

香月(浩)人間が何かしら作り出す上で、音は必ず発生するんですけど、今回はその音がリズムを刻みだして曲になっていくという前提があったので、どういう音が映像表現の中ではまるのか、その音を探すのが一番大変でした。
これまでは、周りの音を気にするなんてことはあんまりなかったんですけど、この企画をやるとなった時から、どんな音がいいかなと常に探している感じですね。すごく胃が痛かった時もあります。「作れるだろうか」って。自分で企画しておきながら、いざ作るとなるとそこが難しいなって思いましたね。
また、いいなと思うものがあって取材をお願いしようとしても、作りたい映像の説明をして先方に理解してもらうのが大変だったということもあります。なにぶんこれまで他にない映像なので、説明が難しくて!
香月(和)まったく新しい映像・音なので説明しようがないんですよね。なので、僕にとっては、まず浩一君が考えていることを、僕自身が正確に受け取るという作業が大変でした。打ち合わせの中でも、「自分はこんな風に受け取ったよ」という言い方のやり取りをしてましたね。
その時、浩一君には、「人からアドバイスを受けたとしても自分の意見を通せ」と、とにかくずっと言ってました。わりと若輩なので諸先輩方からアドバイスを受けたりすると聞かないといけない立場になると思うんですけど、そうすると軸がぶれていったりするじゃないですか。プロデューサーとして作品の軸がぶれるなんてことをさせてはいけない。とにかく僕と僕の上司で「お前のやりたいことを信じるからとにかくやれ!」「自分をとおせ!」「最後まで貫きとおせ!」という話をしたのを覚えています。

Q.今までにない新しいものを他の方に説明するって、大変なことなんですね。説明や考えを受け取る側の香月(和)さんも大変だったとのことでしたが、それでも「お前のやりたいことを信じるからとにかくやれ!」と言わせる、信じさせる何かが香月(浩)さんにはあったということですね。

香月(和)浩一君自身がすごく素直で感性がいいなっていうのは認めていて、僕の上司もそんな感性に賭けようっていつも言ってましたからね。なんだかわからないけどとにかく信じる!(笑)最初はほんとにわからなかったですからね。・・・でも、番組制作にあたって上部(KBC)に説明するのはほんとに大変でした。ほんとに!会社への説明用に浩一君たちがパイロットVTR(以下「PV」)を作ってくれたんです。実際に撮影する前になんですけど。でも、このPVが色々役立つPVになったんだよね。
香月(浩)そうなんですよ。本番前、説明用にパイロット版を撮ったんです。撮影した博多織の工房は本番と同じなんですけど、踊りもまだ固まってなく、専門学校の学生さんにアドリブで踊ってもらったりして。この時にはまだわからないことが多かったですね、画面の色とかリズムとか。
なかなか、機織り機の音でリズムを感じさせることが難しくて。3分という動画の枠の中で、“パフォーマーが出てきます”“音に気付きます”“音がリズムを刻んできて踊りだします”っていうをスムーズに見せるためにはどうすればいいかなっていうのを試行錯誤をしました。
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▲博多織と少女(LinQ)
香月(和)ほんとにこのPVは、他の人への説明にも役立った、本番に向けていろいろな気づきも与えてくれたVTRになりましたね。撮影をした博多織の工房さんにも何度も行って撮影させていただいて、たくさん協力してくれましたね。


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