humming2010 特集記事~前篇(3/4)
作り手にも使う方にも時間の流れ方がちがう

イームズといえば、説明不要のアメリカのインダストリアル・デザイナー、建築家、映像作家だ。イームズという名前やデザインを目にしたことがない人でも、影響を受けたデザインはきっと目にしたことがあるはずだ。
イームズ邸には、世界各地の民芸品などが多数飾られていたという。モダンなイームズ邸の中で、浮き立つこともなくとけ込んでいた民芸品の中に、絣もあった。
「あのイームズが…」という驚き。
幸田さんがgiを立ち上げようと思った、大きなきっかけの一つだったことは間違いない。
イームズ邸訪問と同時期に、幸田さんはご結婚された。奥さまの実家は、久留米で久留米絣の製造販売を営んでいた。
福岡市出身の幸田さんのご実家は、幼少のころですら相当の年季が入った古い家だった。家の中には民俗資料ともいうべき「古くさい」品が、たくさんあった。
「絣の布地もたくさんありましたが、古くさいのがイヤでした」。
絣のことは、いったん忘れ去られた。
結婚を機に、再会した絣。以前とはまったく違うものに映った。
一本一本の糸を選ぶ。糸をくくって染める。糸でくくった部分は染まらないが、くくり方は、あらかじめ織柄に合わせるのだから、緻密な計算が必要だ。
天然の蓼藍による染めも、おそろしく手間がかかる。
緻密な計算でくくった糸で、柄がズレないよう丁寧に織り上げる。




熟練の技術者がどんなに丁寧に仕事をしても、多少のズレは出る。また自然な擦れによって、立体的な風合いもでる。
ズレや擦れは、どうしても避けられないが、それでも一つ一つの反物が「一点もの」ではなく、製品として成立している。
実際に触れてみて分かる良さ。使い込んでみて発見する良さ。
織るにも手間ひまがかかるが、使う楽しみも長く続く。
「絣の魅力は表現するのに難しいんですが、大切に織られているから、大切に使ってほしい。そうすれば、自然と感じるものだと思います」
長い間アパレル業界に携わり、めまぐるしいはやり廃りのファッション業界とは、明らかに違う時間が流れていた。
人の手でしか作られない絣。モダンな暮らしの中にも活きる絣。
最盛期にくらべると生産量はグッと減ったが、今も産業として残る久留米絣を保存するのでなく、暮らしの衣服や道具として発信できないだろうか?
10年ほど前に立て続けにあった出会いから、2006年にgiをオープンさせた。
ズレや擦れは、どうしても避けられないが、それでも一つ一つの反物が「一点もの」ではなく、製品として成立している。
実際に触れてみて分かる良さ。使い込んでみて発見する良さ。
織るにも手間ひまがかかるが、使う楽しみも長く続く。
「絣の魅力は表現するのに難しいんですが、大切に織られているから、大切に使ってほしい。そうすれば、自然と感じるものだと思います」
長い間アパレル業界に携わり、めまぐるしいはやり廃りのファッション業界とは、明らかに違う時間が流れていた。
人の手でしか作られない絣。モダンな暮らしの中にも活きる絣。
最盛期にくらべると生産量はグッと減ったが、今も産業として残る久留米絣を保存するのでなく、暮らしの衣服や道具として発信できないだろうか?
10年ほど前に立て続けにあった出会いから、2006年にgiをオープンさせた。