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[アジアンビートオリジナル ポップカルチャーコラム vol.5] 

ハイポップカルチャー、ハイパフォーマンス。


映画「ATOM」   ©2009 Imagi Crystal Limited / Original Manga ©Tezuka Productions Co., Ltd.
手塚治虫生誕80周年となる記念すべき年。

『鉄腕アトム』ハリウッド版『ATOM』となってリメイクされた。
その公開を記念して、鉄腕アトムが、なぜこれほどまでにハイパフォーマンスなのかを考えてみた。

21世紀に間にあいました。

これは、ガソリンエンジンと電気モーターを併用した世界初の量産ハイブリッド車・トヨタ「プリウス」が発売された時のキャッチコピー。

1997年12月のこと。
約12年前、環境意識は高まりつつあるものの、まだまだ、消費の実態は、重厚長大を追いかけていた時代である。

そんな時代に、小型車枠のボディに先進技術を詰め込んだエコ・カー「プリウス」の広告に起用されたイメージキャラクターは、日本のマンガの源流と言われている手塚治虫の「鉄腕アトムとお茶の水博士」

ラララ科学の子らが、とうとう、やって来た

プリウスとアトム、、、そのコラボレーションは、ハイポップカルチャーでハイパフォーマンスであった。

座敷童子(ざしきわらし)と鉄腕アトムの共通点。

座敷童子とは、座敷または蔵に住む精霊。
見た者には幸運が訪れる、家に富をもたらすなどの伝承があり、岩手県や青森など、主に東北地方で古くから伝えられている。

その起源について、民俗学者・佐々木喜善は、圧殺されて家の中に埋葬された子供の霊ではないかと述べている。
東北地方では間引きを「臼殺(うすごろ)」といって、口減らしのために間引く子を石臼の下敷きにして殺し、墓ではなく土間や台所などに埋める風習があったという。家の繁栄のために犠牲=人身御供(ひとみごくう)にした赤ちゃんへの後ろめたさを払拭するために創造された物語が「座敷童子」なのである。

家の継承の為に人柱となった「永遠なる子供」を、永遠なる家の繁栄のシンボルとしたのだ。

その座敷童子の物語に「鉄腕アトム」を当てはめてみよう・・・。
ロボットであるが故に、永遠なる子供の身体を持つアトムは、人間のエゴや矛盾と闘い続ける。

そして、最終回では、地球のために、真っ赤に燃える太陽へと、その身を投じていく。
地球繁栄のための人身御供が「鉄腕アトム」である。

鉄腕アトムは、エゴの塊である私たち人間の「人柱」となる物語であったのだ。

後ろめたい「個」を乗り越える力を宿すポップカルチャー。

人間は「個」に向かうとロクでもない動物になる。
怠けることをいっぱい考える。自分だけ得することだけに執着する。
後ろめたい自分を、誰でもいっぱい抱えていることがわかる。

しかし、その後ろめたい自分に代わって「鉄腕アトム」を始めとするアニメのキャラクター達は、自分自身や社会の矛盾に挑み、そして成長してくれる

ダメダメだと無意識に自覚をしている「個」を乗り越える力が、素敵なアニメやポップカルチャーには宿っているのだ

ニッポンのハイポップカルチャーがハイパフォーマンスである理由は、ここにある


プリウスとアトムのコラボレーションが、ハイパフォーマンスとなりうる根本的理由は・・・私たち人間が、地球に対して後ろめたいと感じているからである

21世紀を無事に迎えるための「人柱=プリウスとアトム」を見つけることができたからである。


「鉄腕アトム」は、その後のニッポンのアニメ界に多大な影響を及ぼした。
それは、技術的なことだけではなく・・アニメが「個」を乗り越える力を持つという実証をしたことが大きい。

鉄腕アトムガンダムエヴァンゲリヲンが、若者達の代わりに「人柱」となってくれているおかげで、この日本に、正義の物語の均衡が保たれているというのは言い過ぎだろうか。

「MOTTAINAI」発のハイポップカルチャー。

鉄腕アトムは、戦闘で壊れる度に、お茶の水博士に「お直し」された。
子供ごころに、アトムをもっと大きなロボットにしたらいいのにと思っていた。

そうすれば、もっと簡単に事件は解決できたろうに。
しかし、いま思うと・・・小さな身体で、大きな問題を解決するところに主題があることに気づく。鉄腕アトムが、ウルトラマンみたい大きかったら、、、それは、ハイパフォーマンスとは言い難い

手塚治虫は、戦後の矮小でちっぽけな日本人が、世界を創造し、語り尽くすことの面白さを後世の多くの漫画家へ遺した。

日本は、欧米のように一神教ではない。八百万(やおよろず)の神がいる社会である。
散る桜の花びらや、その吐息の一つ一つにまで命が宿り、神がいると感じる。

矮小でちっぽけな我々人間が、森羅万象に対して慈しみや感謝の念をもって生きてこそのジャパンカルチャー

科学の子であり、神の子でもある「鉄腕アトム」は、まさしく日本の「もったいない」発のハイポップカルチャーである

日本のハイポップカルチャーは、コストスパフォーマンスも高いと言われるのは、そういう心根のお陰である。





©手塚プロダクション

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※記載の記事・画像などの無断転載・転用を禁止します。

中村修治(へそ社長)
有限会社ペーパーカンパニー、株式会社キナックスホールディングスの代表取締役。
資本主義の手先である広告代理店のブレーンとして暗躍する一方、多くの企業の事業立ち上げにも参画する滋賀県出身の戦略プランナーであり、コンセプターである。

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