[リュウジの北京レポート]　新鋭デザイナーたちが集結　CHIC－YOUNGBLOOD

2012.11.19

去年に続いて二回目となる「CHIC－YOUNGBLOOD」が10月26日～28日の期間で開催されました。
去年も北京レポートでYOUNGBLOODを紹介しましたが、二回目となる今回は北京で有名なアート地区798で開催。798は芸術家のアトリエ、国際的なギャラリーが集まる中国大陸有数の芸術区。この周辺には若手デザイナーのオフィスが多くあり、798のなかに若手デザイナーの新商品を販売しているショップもあり、新しい流行の発信地として開催地にうってつけのスポットです。
若手デザイナーのパワフルなエネルギーを感じられるイベントとあって、中国・海外のバイヤーから多くの若者、家族連れが訪れました。
会場の様子と目に留まったブランドを紹介します！

音楽とミックスしたストリートブランドが多数参加。ＮＹから招いたＤＪがプレイするサウンドに会場は真夜中のクラブかと見間違えるほどの盛り上がりでした。

広州の若手デザイナーが集まって2010年に設立したブランド「DEPOT3」。ヴィンテージ
を強く打ち出したスタイルは中国大陸では大変珍しく、注目を集めていました。日本のジュンヤ・ワタナベ、イギリスのOliver Spencerから影響を受けたとデザイナーのひとりがコメント。「デザインだけでなく、着たときにリラックスでき、長年愛用してもらえるよう、カッティングや生地の選択まで品質にこだわっている。今は広州、上海地域にのみショップがあるが、今後北京にも出店したい」と抱負を語ってくれました。

中央美術学院の大学4年生である王芸旋、铭璋、二人で立ち上げたブランド「Ｗ．Ｍ」。共に90年代生まれの彼らは、アートからアプローチしたスタイルを追求しています。ロンドン芸術大学セントマーチンズに留学する友人の協力を得てブランドを設立しました。

今回、学生デザイナーによるブランドが複数出品されていたのが新鮮でした。学生の段階からいち早くアピールできる舞台を与えるとともに、彼らが他の参加者との交流を通して創造の糧を得るチャンスを提供する主催者側の若手育成の思いが強く伝わってきます。

フランスを始め、ドイツ、韓国等海外から若手デザイナーたちも参加。展示品を前にデザイナー同士が語りあう風景が見られました。海外からの参加は中国の若手デザイナーに多くの刺激をもたらしてくれるでしょう。

台湾人デザイナーの「MURSTER」のブースには長い行列が。中国のＳＮＳ微博で人気のモデルYOYOとコラボしたサイン会は集まった女の子たちの熱気が満ちてました。当ブランドは中国の若者が利用するＳＮＳをプロモーションに積極的に活用しています。
YOYOのＳＮＳ微博からYoungbloodでのイベント告知をつぶやいてもらったところ予想外の大盛況！ブランド担当者は自信がみなぎった表情で来場者に対応していました。

中国の若手デザイナーの勢いを感じたとともに、海外デザイナー、バイヤーが多数参加していたことは中国アパレル市場へのグローバルな関心の高まりを実感します。中国の若者たちが自分たちの価値観、嗜好を反映した新しいブランドの登場を待ち望んでいるのは間違いありません。若手デザイナーが活躍する黎明期を目の当たりにしたといっても過言ではない、新たなファッションの躍動を感じるYOUNGBLOODでした。

■「YOUNGBLOOD」
http://www.chicyoungblood.com/

■「MURSTER」
http://www.murster.com

■「DEPOT3」
http://www.depot3.com.cn/Default.aspx