[愛魂 vol.34] 行定 勲 ~釜山に行くと元気になる、そんな実体験を撮りたかった~(2/2)
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闇に一筋の光を灯すことの重要さを知ったときから映画に人生を捧げた。

ab:監督が描く女性はいつも独特の雰囲気がありますが、今回のヒロイン吉高さんと初めての撮影ですか?
行定:吉高由里子さんとは初めてですね。興味のある若手の女優の一人だったので、(見る人が)変な固定概念を持つ前に出会えてよかったです。とてもタイトなスケジュールでの撮影だったのですが、吉高さんの「人間性」にはなかり救われました。撮影は5日間ぐらいだったんですが、彼女にとっては初めての韓国、日本語の通じない俳優やスタッフ、寒い中薄着でしかも裸足で演じなきゃならないわけです。僕はあえて特別扱いもしませんでした。しかし、彼女はスタッフや俳優たちの心をあっという間に掴んでしまった。凍える彼女を韓国の女性スタッフたちは抱きしめて暖めてくれている。短い時間に絆を深め、最後のカットが終わるとスタッフは別れを惜しんで号泣していました。それが彼女の魅力なんだと思います。「人間性」は映像に映し出されるんですよ。それだけはいくら演出家が指導しても描けませんからね。それとソル・ギョングが彼女を支えてくれたことも大きい。ワザと韓国語のスラングを教えたりして(笑)。そんなやり取りが微笑ましく演出にも反映されました。
ab:映画の中でソル・ギョング演じる主役が「映画人にとって闇こそが自由だ」という台詞がありますが、これは監督の言葉なのでしょうか?
行定:これはまさしく僕自身ですね。この台詞だけでなく、ソル・ギョング演じる主役の感情やつぶやきは、常々僕が(映画を作る時に)葛藤していることなんです。映画のワンシーンにもありますが、ちょっとしたミスディレクションがあってもテクノロジーが発達した今、すぐCGで消せばいいと合理的に考えてしまう。現実としてCGでの修正はいくらでもできるんですが、映画は「人」を撮っているんです。「人」を撮っているということは、その場の空気も含めてフィルムに収めているんです。僕は映画で、演じる人間の衝動や感情を撮ろうとしているのです。今は絵コンテ通りのグラフィカルな作品が評価されることも多い。ただ、僕はそうじゃない。この映画の主役同様、暗闇に一筋の灯りを入れることの大切さを常に感じています。一筋の光に希望を感じたり、美しさを見出したり、そこに何かが見えるんですよ。それが映画の一歩目なんです。それが知ったときに、僕は一生映画に関わっていこうと思いました。ソル・ギョング演じる主役も同様です。例え彼がカメラマンをクビになっても、映画を人生から除くことはできないでしょうね。
『カメリア』の参加はその集大成とも、第一歩ともいえる新しい挑戦です。

ab:このウェブサイトを見ているアジアの若者にメッセージをお願いします。
行定:僕はこの十年、アジアの映画人になることを目標にしてきました。この映画『カメリア』の参加はその集大成ともいえ、第一歩ともいえる新しい挑戦です。是非、アジアの多彩な才能の国境を越えた融合を映画館で確かめて下さい。
(取材日:2011.8.5)
行定:僕はこの十年、アジアの映画人になることを目標にしてきました。この映画『カメリア』の参加はその集大成ともいえ、第一歩ともいえる新しい挑戦です。是非、アジアの多彩な才能の国境を越えた融合を映画館で確かめて下さい。
(取材日:2011.8.5)
[INFO]
[PROFILE]
行定 勲 / 映画監督
■略歴
1968年熊本県生まれ。TVドラマの助監督を経た後、映画の助監督として林海象、天願大介、山本政志などインディーズ系の作品に積極的に参加。『Love Letter』『スワロウテイル』『四月物語』等、岩井俊二監督作品に数多く助監督として携わる。海外の監督では、ニューヨークインディーズの旗手、ハル・ハートリー監督作品にも参加。映画『OPEN HOUSE』で初監督するも公開は諸般の事情で延期。(のちに劇場公開される。)その後、CF、テレビドラマ等、活躍を続ける。劇場公開デビューを果たした『ひまわり』(00)は、第5回釜山国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞。以降『閉じる日』(00)、『贅沢な骨』(01)を監督。『GO』(01)では、日本アカデミー賞最優秀監督賞をはじめ2001年の各映画賞を総なめにした。さらに、TVドラマでは、WOWOWで放送された篠田節子原作「カノン」(02)を皮切りに、永瀬正敏主演「私立探偵 濱マイク ~第4話‘サクラサクヒ’」(02/NTV)、三上博史主演「タスクフォース」(02/TBS)、CMでは、浜崎あゆみ‘ミスタードーナツ’‘Tu-Ka’、木村拓哉‘キリン・スーパーFire’など多数。2002年は『ロックンロールミシン』、『Jam Films』の中の1作品『Justice』の公開でも注目を集め、今日の映画界を代表する若手監督として各方面から注目を集めている。2006年4月からは、生まれ故郷のFM局(エフエム熊本)で月1回の生放送ラジオ番組「月刊行定勲」をスタートさせた。海外の国際映画祭への参加も多く、2010年のベルリン国際映画祭では、監督作「パレード」が国際批評家連盟賞を受賞している。
行定 勲 / 映画監督
■略歴
1968年熊本県生まれ。TVドラマの助監督を経た後、映画の助監督として林海象、天願大介、山本政志などインディーズ系の作品に積極的に参加。『Love Letter』『スワロウテイル』『四月物語』等、岩井俊二監督作品に数多く助監督として携わる。海外の監督では、ニューヨークインディーズの旗手、ハル・ハートリー監督作品にも参加。映画『OPEN HOUSE』で初監督するも公開は諸般の事情で延期。(のちに劇場公開される。)その後、CF、テレビドラマ等、活躍を続ける。劇場公開デビューを果たした『ひまわり』(00)は、第5回釜山国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞。以降『閉じる日』(00)、『贅沢な骨』(01)を監督。『GO』(01)では、日本アカデミー賞最優秀監督賞をはじめ2001年の各映画賞を総なめにした。さらに、TVドラマでは、WOWOWで放送された篠田節子原作「カノン」(02)を皮切りに、永瀬正敏主演「私立探偵 濱マイク ~第4話‘サクラサクヒ’」(02/NTV)、三上博史主演「タスクフォース」(02/TBS)、CMでは、浜崎あゆみ‘ミスタードーナツ’‘Tu-Ka’、木村拓哉‘キリン・スーパーFire’など多数。2002年は『ロックンロールミシン』、『Jam Films』の中の1作品『Justice』の公開でも注目を集め、今日の映画界を代表する若手監督として各方面から注目を集めている。2006年4月からは、生まれ故郷のFM局(エフエム熊本)で月1回の生放送ラジオ番組「月刊行定勲」をスタートさせた。海外の国際映画祭への参加も多く、2010年のベルリン国際映画祭では、監督作「パレード」が国際批評家連盟賞を受賞している。
映画『カメリア』


『カメリア』-アジアの才能が生んだ、時にあらがう三つの記憶の物語-
いつの世も、人が待ち望むものは人々の変わらぬ愛――。映画『カメリア』は、時空を超えて愛を求めた男たちの切ない愛の物語。素性を知りながら愛する人を待ち続けたスパイ、淋しげな見知らぬ少女にほのかな恋心を抱くカメラマン、引き裂かれた愛を取り戻そうとする青年。過去、現在、未来と時を隔てた三者三様の愛が釜山を舞台に錯綜する。
【IRON PUSSY アイアン・プッシー】(タイ)
・監督:ウィシット・サーナティアン「怪盗ブラックタイガー」
・出演:ミシェル・シャオワナサイ「The Adventure Of Iron Pussy」/キム・ミンジュン「チェオクの剣」「チング ~愛と友情の絆~」
【Kamome カモメ】(日本)
・監督:行定 勲「GO」「今度は愛妻家」
・出演:ソル・ギョング「オアシス」「シルミド」/吉高由里子「GANTZ」「婚前特急」
【LOVE FOR SALE ラブ・フォー・セール】(韓国)
・監督:チャン・ジュナン「地球を守れ」
・出演:カン・ドンウォン「オオカミの誘惑」「義兄弟」/ソン・ヘギョ「秋の童話」「オールイン」
■上映劇場
【福岡】10月22日(土)より T・ジョイ博多
【熊本】11月中・下旬より Denkikan
【宮崎】12月中・下旬より 宮崎キネマ館
■Web Site
オフィシャルホームページ http://www.camellia-movie.net
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