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講演ピックアップ!(3/3)
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【特別講演】「“エンタメ新次元”の先陣へ! 本音で語る「VR」コンテンツ最前線」
原田勝弘 (株式会社バンダイナムコエンターテインメント)
玉置 絢 (株式会社バンダイナムコエンターテインメント)
柳澤大輔 (面白法人カヤック)
【モデレーター】松山 洋 (株式会社サイバーコネクトツー)
玉置 絢 (株式会社バンダイナムコエンターテインメント)
柳澤大輔 (面白法人カヤック)
【モデレーター】松山 洋 (株式会社サイバーコネクトツー)
『VRに適したコンテンツジャンルは?』

「CEDEC+KYUSHU 2016」最後を飾ったのは、注目のVRにまつわるセッション。ラウンドテーブル形式で行われた本講演は、VRコンテンツ開発に携わるバンダイナムコエンターテインメント 『サマーレッスン:宮本ひかり セブンデイズルーム』 チーフプロデューサー 原田 勝弘氏と、同タイトルプロデューサー兼ゲームディレクターの玉置 絢氏、そして“面白い”を追求する、面白法人カヤック 代表取締役CEO柳澤 大輔氏を交え、福岡に本社を置き『NARUTO-ナルト- ナルティメット』シリーズなどを手掛けるサイバーコネクトツー 代表取締役 松山 洋氏の進行で開幕しました。


「VR元年」とも言われている今年は、新技術「VR」の話題で盛り上がりを見せるゲーム業界。1つ目の『VRに適したコンテンツジャンルは?』というテーマに、原田氏と玉置氏が「VRコンテンツの向き・不向き」について、PlayStation®VR専用ソフト『サマーレッスン』を題材に解説。
原田氏は、キャラクターを好きになってもらうための手段を模索していた中で、「本当に目の前にいる感じ」を体験できる『サマーレッスン』はVR向きだと語る。キャラクターが近い「実在感」というコンセプトを突き詰めて、『サマーレッスン』でしか味わえないVR体験をいち早くユーザーに提供すべく開発を進めた、という。
コンセプトに辿り着くまでの過程は従来のゲーム制作とは異なり、最初にハードウェアの特徴を掴み、その特徴を活かすために「ゲームで何ができるのか」を考えた。ここに至るまで万事順調ではなかったと原田氏。
原田氏は、キャラクターを好きになってもらうための手段を模索していた中で、「本当に目の前にいる感じ」を体験できる『サマーレッスン』はVR向きだと語る。キャラクターが近い「実在感」というコンセプトを突き詰めて、『サマーレッスン』でしか味わえないVR体験をいち早くユーザーに提供すべく開発を進めた、という。
コンセプトに辿り着くまでの過程は従来のゲーム制作とは異なり、最初にハードウェアの特徴を掴み、その特徴を活かすために「ゲームで何ができるのか」を考えた。ここに至るまで万事順調ではなかったと原田氏。
自社が手掛ける対戦格闘アクションゲーム『鉄拳』のキャラクターを好きになってもらおうと、同シリーズに登場する強面キャラ「ブライアン・フューリー」と“コーヒーを飲む”体験のデモ作りを1ヶ月かけて試みたが、実際にVRヘッドセットを装着して最初の15秒程で「これは、ないな。」と失敗に終わったことを明かした。ちょうどこの頃、女の子をテーマにしたゲーム制作の構想を練っていた玉置氏が加わり、『サマーレッスン』の開発がスタートしたという。

原田氏は、ハードの特徴を活かした例に、東京・お台場に期間限定オープンしていた実験施設「VR ZONE Project i Can」で提供されたVRコンテンツ『アーガイルシフト』を紹介。ロボットの操縦をしているような感覚を味わうことができるこのアトラクションでは、VR特有の“酔い”を抑えるために、映像と身体の動きが連動するよう“筐体ごと動かす”という考え方が取り入れられた、と語る。
続いて、玉置氏がVRに向いているジャンルの例に「ホラー」を挙げ、耳や目など五感のコントロールを奪われる「VRヘッドセットを装着すること」自体が怖いという不安感と、ホラーゲームの特性のひとつである予測不可能な点との親和性が高い、と分析。向いてないジャンルとしては、ヘッドセット装着時の汗や曇りが気になりがちだと「長時間遊ぶもの」や「酔いやすいもの」などが挙がった。

原田氏は、ハードの特徴を活かした例に、東京・お台場に期間限定オープンしていた実験施設「VR ZONE Project i Can」で提供されたVRコンテンツ『アーガイルシフト』を紹介。ロボットの操縦をしているような感覚を味わうことができるこのアトラクションでは、VR特有の“酔い”を抑えるために、映像と身体の動きが連動するよう“筐体ごと動かす”という考え方が取り入れられた、と語る。
続いて、玉置氏がVRに向いているジャンルの例に「ホラー」を挙げ、耳や目など五感のコントロールを奪われる「VRヘッドセットを装着すること」自体が怖いという不安感と、ホラーゲームの特性のひとつである予測不可能な点との親和性が高い、と分析。向いてないジャンルとしては、ヘッドセット装着時の汗や曇りが気になりがちだと「長時間遊ぶもの」や「酔いやすいもの」などが挙がった。

柳澤氏は、VRの特徴として「肉体ハックができる点」を挙げ、社内で頻繁に行っているというブレインストーミングから生まれたアイディアを紹介。VRを使って過酷なシチュエーションを作り出し、視覚的に負荷を与えた状況下で行う『バーチャル断崖絶壁トレーニング』や、手軽に海外留学体験ができる『VRホームステイ』、架空のペットを飼うことできる『VRペット』、経験したことのないような怖い体験ができる『VR罰ゲーム』など、すぐにでも体験してみたいユニークな発想が次々と紹介され会場は笑いに包まれた。
『VRコンテンツ制作のコツと課題』
玉置氏は、『サマーレッスン』の開発過程で、最初にぶつかった壁は「VRでは、カメラを全てプレイヤーに奪われている」ことだと話す。ユーザーの視点自体がカメラとなり制御できないので「絵ではなく、空間を作らなくてはいけない」必要性があった。故に、今までのゲーム開発における経験が活かせなかった、と原田氏も振り返る。空間作りを行う際、最も重要になってくるのは従来の絵コンテではなく「字コンテ」。舞台演劇やテーマカフェなどの空間演出の考え方に近いことを発見し、「リハーサル」も重要だとその模様はビデオコンテとして大量に記録され、後に様々な角度から見直すのだという。

続いては、ユーザーが画面を通じてゲーム (システム/ソフトウェア) と情報のやり取りをする仕組み、“UI (User Interface)”について玉置氏が解説。従来、「伝えたい情報量」と「ユーザビリティ (使いやすさ)」のバランスを考えながらゲーム制作を行っていたが、VRの場合その2つのポイントに加え、キャラクターの「実在感 (Sense of Presence)」を損なわないように設計することが必要になった、と語る。
(上の画像を例に) キャラクターの前方にパラメータやゲージなどの情報を配置して実験してみると、表示されている情報の後ろ側にいるキャラクターの人間味が損なわれ、「その人物がそこにいる」と感じられなくなったという。そこで『サマーレッスン』では、表示される情報 (UI) がキャラクターの前に出ないよう配慮されているという。また、プレイヤーにはあえて1択のシンプルなセリフを用意し、能動的に選んでもらうことで、自分が発言したセリフだと感じてもらい没入感が削がれないよう考慮されている。
それでも尚、UIが必要な場面では文字情報として表示するのではなく、かかってくる「電話を取る」動作をするとチュートリアルが始まるというような“体験”に置き換え、ゲームとの融合を図っていると続ける。このようなVRの特性でもあるゲームへの没入感を阻害しないUIデザインは、今後各社のアイディア勝負になってくるのでは、と語った。

VRの開発面においての具体例が挙げられてきたが、ここで柳澤氏は自社が携わったVRの制作実績を幾つか紹介。坂本龍馬が面接をしてくれる『VR面接』や、建機メーカーが制作した巨大ロボットの搭乗体験ができる『GUZZILLA VR』、実際にはアボカドを食べているのに、まるで高級寿司屋で大トロを食べているような疑似体験ができる『VR寿司』など、ゲーム以外にも幅広い分野におけるVRの可能性を感じる事例が紹介された。
『VRコンテンツのマネタイズの可能性』
続いてのテーマは、どのように収益を上げていくかという「VRコンテンツのマネタイズの可能性」について。原田氏は、社内でも体験は素晴らしいと評価されるものの制作費は出せない、と言われたことを挙げ、VRのマネタイズは「そもそも難しい」という。
そこで、「体験に価値を置く」という考え方にシフトし、1回の体験ごとに料金を支払うアーケード形式を提案。VRを体験するとその凄さを感じることができるが、体験させるまでに苦労した、と語った。玉置氏は『サマーレッスン』では、今後“体験”を配信していくと述べ、原田氏が4~5年前に真剣に考えていたが失敗に終わった『鉄拳』のブライアンと一緒に「食べる/食べさせる」を経験するシチュエーションが、『サマーレッスン』の主人公ひかりちゃんで実現し配信予定だと紹介。会場の笑いを誘った。
加えて、ユーザーの興味を惹くために新しい発想のプロモーションが必要だった、と原田氏。『サマーレッスン』開発中、社内で影響力のある人や社外のクリエイターにVRを体験させ、その感想を文字に起こしPRした結果、体験希望者が一気に増えた、と続ける。そのため『サマーレッスン』では様々な体験者の反応、すなわち第三者の反応がユーザーに響くだろうと考え、生放送を重要視。シェア機能をフルオープンにしたのも、その狙いがあってのこと。成功事例がなかった故に、製品版リリースまで多くの苦労があったのだという。

▲今後、『サマーレッスン』でどのような体験が配信されるのか楽しみ!
柳澤氏は、当面はVRそのものでマネタイズするというよりは、すでにある世界観を補強したり、総合的なビジネスとしての使われ方をするのには有効と考察。
最後に、モデレーターを務めた松山氏が「ゲーム業界の新たな可能性としてVRは面白いきっかけになっていくだろう。みんなで色々と知恵を絞って競争していきながら世の中を面白くしていければと思う」と今後の意気込みを語り、講演を結んだ。
そこで、「体験に価値を置く」という考え方にシフトし、1回の体験ごとに料金を支払うアーケード形式を提案。VRを体験するとその凄さを感じることができるが、体験させるまでに苦労した、と語った。玉置氏は『サマーレッスン』では、今後“体験”を配信していくと述べ、原田氏が4~5年前に真剣に考えていたが失敗に終わった『鉄拳』のブライアンと一緒に「食べる/食べさせる」を経験するシチュエーションが、『サマーレッスン』の主人公ひかりちゃんで実現し配信予定だと紹介。会場の笑いを誘った。
加えて、ユーザーの興味を惹くために新しい発想のプロモーションが必要だった、と原田氏。『サマーレッスン』開発中、社内で影響力のある人や社外のクリエイターにVRを体験させ、その感想を文字に起こしPRした結果、体験希望者が一気に増えた、と続ける。そのため『サマーレッスン』では様々な体験者の反応、すなわち第三者の反応がユーザーに響くだろうと考え、生放送を重要視。シェア機能をフルオープンにしたのも、その狙いがあってのこと。成功事例がなかった故に、製品版リリースまで多くの苦労があったのだという。

柳澤氏は、当面はVRそのものでマネタイズするというよりは、すでにある世界観を補強したり、総合的なビジネスとしての使われ方をするのには有効と考察。
最後に、モデレーターを務めた松山氏が「ゲーム業界の新たな可能性としてVRは面白いきっかけになっていくだろう。みんなで色々と知恵を絞って競争していきながら世の中を面白くしていければと思う」と今後の意気込みを語り、講演を結んだ。
「CEDEC+KYUSHU 2016」最後を飾った特別講演。想像を超える“リアルさ”が話題の『サマーレッスン』を通じて、開発サイドの試行錯誤の過程が沢山の事例とともに紹介され、今後市場規模の拡大が見込まれているVRコンテンツ開発に関わる幅広い知見を得ることができました。また、「VR寿司」や「VR面接」などのユニークな事例からは、ゲーム分野以外にもVRの可能性を探る様々な試みが実施されていることを知ることができ、近い将来私たちの生活にどのような変化をもたらすのか、VRの今後に期待が高まるセッションでした。
外部リンク
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