「鼓動」2010年8月15日
禁断の木の実

『旧約聖書』によれば、神はアダムとイブを作り、エデンの園に住まわせた。
楽園の中央には命の木と善悪を知る木が生えていて、二人は「食べてはならぬ」という神の言いつけを守らず、知恵の実を食べる。
さて、この禁断の木の実が具体的には何をさすのかが問題だ。
この木の実に関して多くの人のイメージはリンゴとイチジクに収斂する。
はたしてリンゴなのかそれともイチジクなのか。聖書は知恵の実がリンゴともイチジクとも書いていない。
ミケランジェロが描いたシスティーナ礼拝堂の天井画には、イチジクの木から実をもぐ二人の姿が見えるという。(細密画像で見ると確かにその葉の形状は、イチジクに他ならない。)
イチジクの葉で身を隠したという聖書の記述もある。
さらにイチジクの原産地は中東であり、メソポタミアでは6000年以上も前から栽培され、人類最古の栽培植物とさえ言われる。こう考えると、イチジク説の方が有力のようだ。
8月中旬になると、店頭にイチジクが並び始める。
福岡で生まれた新品種で、2006年に品種登録された「とよみつひめ」も、8月の中旬頃から市場に出回るようだ。
糖度が高く、その甘さに人気が集まっているという。
ちなみに、イチジクは「無花果」と書くが、壺状の果実のように膨らんだ内側に小花が密生している。イチジクのツブツブ感はその小さな花によるものだ。(HR)