「鼓動」2010年10月18日
サフラン

アヤメ科クロッカス属の球根植物であるサフラン。赤い雌しべを乾燥させ、着色料や生薬として利用される。その価格は高価だ。ちなみに乾燥サフラン1gを採集するのに約1000本の雌しべが必要だと言われる。
サフランの最大の生産国はイランで、次いでスペイン、ギリシア、トルコなど地中海沿岸で栽培が盛んのようだ。日本では、大分県竹田市が、サフラン栽培の唯一の産地として知られ、国内生産量の8割を占めている。 竹田市のサフランの栽培方法は独自のもので、畑ではなく室内で花を咲かせるというものだ。降雨の多い日本の気候、さらには摘み取り作業のしやすさなど、サフラン栽培農家にとって、室内の方が管理しやすく、作業もはかどるようだ。花摘み作業を終えた後のサフランは、今度は水田に植えつけられ、春に掘りあげられるまで育てられる。
サフランの球根を2球、ぶらりと立ち寄ったナーセリーで買い求めた。水もやらずに、球根のままで放置しておけば、11月にはうす紫色の甘い香りの花が咲くという、店の方の説明だった。
サフランという言葉のやわらかな語感。その花の甘い香りの予感にも少々こころ動かされた。
せっかくだから鮮烈な赤い雌しべも摘み取ってみよう。たった2球の雌しべを集め乾燥させても、パエリア作りに足りないかもしれないのだが。(HR)