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LADY GAGAの『Born This Way』に寄せて~“This Way(こういう運命)”を受け入れて生きていくということ~

ガガの『Born This Way』ってマドンナの『Express Yourself』なの!?
このほど、LADY GAGA(レディー・ガガ)が東日本大震災復興のため、「日本の為に祈りを」と日本語で書かれたティーカップをヤフーオークションに出品したことがワイドショー等で伝えられた。
レディー・ガガといえばその奇抜なファッション、パフォーマンスゆえに何かと話題の尽きない人物である。ファッションではMTV VMAのVideo of the Year受賞スピーチ時の“生肉ドレス”や、黒柳徹子の番組に出演した際の衣装が記憶に新しいという人も多いだろう。ミュージックビデオではアレキサンダー・マックイーンデザインの衣装がひと際目を引く『Bad Romance』や、刑務所の廊下でのダンスがマイケル・ジャクソンの『Bad』を思わせる『Telephone』と傑作ぞろい。その中で最も心に留まったのは、昨年発表された『Born This Way』だ。まずはこちらを見て頂きたい。
レディー・ガガといえばその奇抜なファッション、パフォーマンスゆえに何かと話題の尽きない人物である。ファッションではMTV VMAのVideo of the Year受賞スピーチ時の“生肉ドレス”や、黒柳徹子の番組に出演した際の衣装が記憶に新しいという人も多いだろう。ミュージックビデオではアレキサンダー・マックイーンデザインの衣装がひと際目を引く『Bad Romance』や、刑務所の廊下でのダンスがマイケル・ジャクソンの『Bad』を思わせる『Telephone』と傑作ぞろい。その中で最も心に留まったのは、昨年発表された『Born This Way』だ。まずはこちらを見て頂きたい。
●LADY GAGA 『Born This Way』
このビデオを初めて見た時、華奢ないでたちで“I Was Born This Way”と繰り返すガガの姿が目に焼きつくと同時に、この曲がマドンナの『Express Yourself』のカバー曲だと勘違いしてしまった。
●MADONNA 『Express Yourself』
ガガは、その音楽性やパフォーマンスからマドンナと比較される。ガガに先んじてポップの女王と呼ばれ不動の地位を得ているマドンナ。彼女に次ぐかたちで登場したガガにとって、ポップ界において決してナンバーワンにもオンリーワンにもなれないという運命は不幸なことだろうか。
ガガの『Born This Way』がこの問いに対し、最高の回答をくれる。『Born This Way』のストーリーは、幼い頃主人公がママから「私たちは生まれながらにスーパースターだから、自分の歩く道に自信を持って」と言われ、それを信念に生きていくというものだ。幼い時分に生まれながらのスーパースターと言われるためには、スーパースターという概念を誰か他の人が作り上げている状況がまずあって、そのイメージに沿う形で主人公が存在しなければならない。つまりここで言われているのは、主人公自身はスーパースターのパイオニアではないが、スーパースターのイメージにはぴったりくるということだ。このストーリーにガガ自身を照らし合わせてみよう。そうすると、曲中の“I Was Born This Way(私はこういう運命のもとに生まれてきた)”の“This Way(こういう運命)”は、“ポップス全盛時代を作り上げたマイケル・ジャクソンやマドンナの存在が自分(ガガ)に先んじる運命”という意味に思えてくる。しかも、マドンナの『Express Yourself』に酷似したメロディーに乗せて曲が展開されていく。これはもう、ガガ自身があえて自覚的にやっているとしか考えられない。ガガはこの曲を通してオリジナルではありえないという自身の状況の悲しさ虚しさを表現しているかというと、そうではない。この曲はそんな雰囲気を微塵も感じさせないパワフルさを持っている。悲観しているというよりもむしろ、マイケルやマドンナのような先達に対する敬愛の念を強く感じる。
マドンナは『Express Yourself』の曲中で“Express yourself(自分を表現して)”と連呼している。ガガはその呼びかけに対し、彼女なりの応答のかたちとして『Born This Way』を発表したのではないだろうか。そう考えると、ガガのこの曲はマドンナらに対し、「自分がいるのはあなた方がいるからだ。ありがとう」という気持ちに満たされているように思える。「私が行く道は自分自身が一から作り上げた道ではなく、先を行く人が作ってきた道だ。その意味で自分はオリジナルではありえない。だけれど、私はこの道でやっていくの。」と彼女は言っているようだ。等身大の彼女の、誠実でポジティヴな姿勢に気持ちが改まる。(編集部 シミズ)
ガガの『Born This Way』がこの問いに対し、最高の回答をくれる。『Born This Way』のストーリーは、幼い頃主人公がママから「私たちは生まれながらにスーパースターだから、自分の歩く道に自信を持って」と言われ、それを信念に生きていくというものだ。幼い時分に生まれながらのスーパースターと言われるためには、スーパースターという概念を誰か他の人が作り上げている状況がまずあって、そのイメージに沿う形で主人公が存在しなければならない。つまりここで言われているのは、主人公自身はスーパースターのパイオニアではないが、スーパースターのイメージにはぴったりくるということだ。このストーリーにガガ自身を照らし合わせてみよう。そうすると、曲中の“I Was Born This Way(私はこういう運命のもとに生まれてきた)”の“This Way(こういう運命)”は、“ポップス全盛時代を作り上げたマイケル・ジャクソンやマドンナの存在が自分(ガガ)に先んじる運命”という意味に思えてくる。しかも、マドンナの『Express Yourself』に酷似したメロディーに乗せて曲が展開されていく。これはもう、ガガ自身があえて自覚的にやっているとしか考えられない。ガガはこの曲を通してオリジナルではありえないという自身の状況の悲しさ虚しさを表現しているかというと、そうではない。この曲はそんな雰囲気を微塵も感じさせないパワフルさを持っている。悲観しているというよりもむしろ、マイケルやマドンナのような先達に対する敬愛の念を強く感じる。
マドンナは『Express Yourself』の曲中で“Express yourself(自分を表現して)”と連呼している。ガガはその呼びかけに対し、彼女なりの応答のかたちとして『Born This Way』を発表したのではないだろうか。そう考えると、ガガのこの曲はマドンナらに対し、「自分がいるのはあなた方がいるからだ。ありがとう」という気持ちに満たされているように思える。「私が行く道は自分自身が一から作り上げた道ではなく、先を行く人が作ってきた道だ。その意味で自分はオリジナルではありえない。だけれど、私はこの道でやっていくの。」と彼女は言っているようだ。等身大の彼女の、誠実でポジティヴな姿勢に気持ちが改まる。(編集部 シミズ)