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コミックふるさと、地方マンガに秘められた視線の向こうを解く。(1/2)
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アジアンビート編集部が気になったニュースをピックアップしてお届けする「デイリートピックス」。毎週土曜日は、「デイリートピックス週末版」として、現場でたたかうアジアンビートだから語れる『アジアの若者文化』の真の姿を、気になる話題と絡めて取り上げていきます。今回は、アンソロジーコミックに描かれた“視線の向こう”から、地方マンガの印象的なシーンに秘められたとある姿をトピックスとしてお送りします。
福岡&北海道 計24名の漫画家によるアンソロジーコミック

ちなみに、「コミックふるさと福岡」のように、主に短編、読みきりの異なるマンガを一つのテーマに沿って集めたマンガ本を出版界では“アンソロジーコミック”と呼び、日本では、“アンソロジーコミック”が大きな分野にもなっているとのことである。
ところで、先般、「コミックふるさと福岡」と同時発売されたもうひとつのアンソロジーコミック「コミックふるさと北海道」を入手して読んでみた。これがお互いの地域を読み解く上で、じつに面白い。もちろん、「コミックふるさと北海道」の描き手も北海道ゆかりの漫画家12名である。

巻頭を飾った安彦良和氏のマンガは、馬橇(ばそり)。そこには福岡のマンガではよほどのことがないかぎり小道具に描かれることのないであろう、期待を裏切らない防寒具の数々も。
つづいて、唐沢なをき氏、荒川弘氏、布浦翼氏、青空大地氏のマンガには、アザラシ、トド、クリオネ、ヒグマ、エゾシカ、エゾリス、ナキウサギ、鮭、そしてキタキツネと・・・北海道に生息する動物の数々が自由なタッチで描かれている。しかも描くだけではない、完全に動物たちが擬人化され、作中での動物たちは主役級の扱いなのである。極めつけは、これぞマンガだからこそ表現できる面白き世界、動物たちには何と“セリフ”がついていて、意思を持って喋る動物たちとして描かれているのである。面白すぎる。単純に言ってしまえば動物マンガなのだが、そこは北海道をテーマにした“アンソロジーコミック”、マンガの中で喋る動物たちの言葉がどことなく北海道の人たちの生の言葉であるかのように、重なって伝わってきたことだけは付け加えておきたい。
モンキー・パンチ氏は“北海道!!だから創作できた「ルパン三世」”としてエピソードを寄せている。ちょうど今月号の雑誌Penの特集を読んでいただけに興味深いものだった。
大和和紀氏、前川たけし氏、恵三朗氏、いくえみ綾氏、篠有紀子氏、香山梨緒氏のマンガからは、四季折々、北海道での生活の様子がよく見えてくる。寒いけれども、それを楽しむかのごとく暮らす北海道民の姿が、マンガゆえに余計に明るく表現されているようでならない。
大和和紀氏、前川たけし氏、恵三朗氏、いくえみ綾氏、篠有紀子氏、香山梨緒氏のマンガからは、四季折々、北海道での生活の様子がよく見えてくる。寒いけれども、それを楽しむかのごとく暮らす北海道民の姿が、マンガゆえに余計に明るく表現されているようでならない。
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