そして、もうひとつ、たいへん興味深い話として、先日とある映画のプロデューサーとの会話の中でも、最近の若者がおこなう仕事のやり方で盛り上がった。デジタル社会に育った世代にとって、インターネットを駆使して仕事をおこなうことはあたり前、ネットは世界中、いつでもどこでも発信できる魔法のツールのようなものである。しかしある地点でおもうように成果が出ない落とし穴に気づく。ウェブサイトも翻訳さえすれば、技術的には言語の壁も越える。相手は何十億の世界、SNSも開設、準備は万端、ヒットすること間違いなしのはずなのだが、実際にはどれだけの手応えを感じとれるのか。経験した方にとっては耳の痛い、反省する節も多々あることとおもう。デジタルの世界は発展したが、結局は一つ一つ手応えが出てくるものであって、大きな網は存在しない。しかも、大事なところはアナログ（人の心）に呼びかけることを悟るのである。

じつは、アジアンビートでは、２００９年のタイ版S Cawaii！訪問を皮切りに、２０１０年には台湾版S Cawaii！、そして２０１１年には中国版S Cawaii！と、現地S Cawaii！を出版する編集者たちと心を通わす交流を深め、カワイイを通じて現地の読者を振り向かせる、福岡を愛してやまないファンたちを増やし続けている。