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FUKUOKA CREATORS / vol.018 浅倉健吾(2/4)
大切なのは、急激に変化していく時代にどれだけ対応できるかだと思う。

――ちょっと前に「モデルよりもショップ店員。」という画像がSNSで話題になっていたけど、昔はカリスマ店員がいて、モデルよりショップ店員が影響力を持っていた時代があったと思うけど、今って誰が影響力あるの?
浅倉:そうですね。昔は本当にショップ店員が影響力を持っていたし、皆がそれを目指してお店に行ったり、ショップ店員も自分磨きに力を入れてました。でも、今は違いますよね。あと、メディアに出て来てないようなSNS上のカリスマの子。お客さんとかにも誰が影響力あるのかとか結構聞くんですけど、全然知らない外国の女の子とかいますよ。Instagramのフォロワー数とかめっちゃ多くて。それこそ、僕も元々はギャルとかギャル男をターゲットにしていたんですけど、今はみんな平均化していてギャルとかいないですもんね。
――どうしてギャルはいなくなったんだと思う?
浅倉:町のコミュニティが無くなったことも要因の一つだと思います。さっきの話じゃないですけど、昔は例えば町単位、ジャンル単位、コミュニティ単位でどう目立つかを考えた結果、独自のカルチャーが生まれていたと思うんですよね。ショップ店員が力を持っていたのも、きっとそういうコミュニティがあったからだと思うんです。情報が散漫している分、全てにおいて平均化が進んでいるという点は否めないかと思います。最近、1500人規模のイベントをやってる大学生の子と話をしたんですけど、彼らは音楽とかもこだわりが無いんですよ。彼らが求めてるのは、楽しい現場をみんなで共有すること。それが大切なんですよ。僕らから見ると、個性が無いように見えちゃって、否定する人もいるのも確かです。でも、そう思っているのは僕らだけで、彼らからすると個性を出すのはきっとそこじゃないんですよね。実際、彼らと話すと頭も良いし、ちゃんと考えてます。やっぱり持っている情報量が僕らが若い時と違うから。コミュニケーションの取り方も、僕らとは手法が全然違うだけで、彼ら間ではしっかりコミュニケーションが取れていますもんね。LINEとかも僕らが知らない使い方して、どんどん新しい手法でコミュニケーションを図っていると思いますよ。
――今の若い世代はどこに価値観を持っているんだと思う?
浅倉:それは僕、感じていることがあるんです。例えばフェスに遊びに行ったとして、もちろん好きな曲やDJを楽しみにしている子もいるんですけど、自分がフェスに行っている写真をSNSにアップして、それにどれだけ反応があるかを楽しんでる人が圧倒的に多いと思うんですよ。自分の世界に入り込んで音楽を楽しむというより、皆で音楽を聞いて楽しい時間を共有することに意味があるんですよね。ただ、これもある程度飽和してきていて、これからは一歩入り込んで例えばinstagramやfacebookでもただ写真をアップするだけじゃなくて、どれだけクオリティの高い写真をアップするかという方向にシフトしていくと思いますよ。
――そう考えると、SNSの役割も変わってきているよね。単純にアップするだけじゃなくて、一つ掘り下げてクオリティを求める時代になったってことかな?
浅倉:そうですね。「いいね!」を獲得する手段が変わってきているというか、求められるものが変わってきている気はします。昔はインターネットじゃ洋服は売れないって言われていたけど、今じゃ売れるようになったし。でも、大切なのはこうやって急激に変化していく時代にどれだけ対応できるかだと思うんですよ。僕、これからはどんどん煩わしいことが淘汰されて、煩わしくない方に流れていくと思うんですよ。これまでは当たり前のように我慢していたことも無くなっていって。外にモノを買いに行くのが煩わしいからネットショップが普及して、今はその待ち時間でさえ煩わしくて、当日に届くようになっていったり。サービスはすでに究極まで行っていると思うんですけど、それでも当たり前だと思ってきたことがそうじゃなくなるのが時代なので。そういえば、ソフトバンクが脳波でリモコンが動かせるシステムを開発したみたいですよ(笑)。
→浅倉健吾氏に訊く、海外展開とベトナムについて。