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FUKUOKA CREATORS / vol.020 松山洋(3/4)
うちの会社じゃないと体験できないものを提供する。
●サイバーコネクトツーのオリジナルゲーム作品「.hack」シリーズ。動画は劇場用3Dアニメ「ドットハック セカイの向こうに」のDVD&Blu-ray発売PV。
――ターニングポイントとなった作品は何ですか?
松山:全ての作品がそうではあるんですけど、一つだけを選ぶとしたら「.hack//感染拡大 Vol.1~絶対包囲 Vol.4」シリーズですかね。サイバーコネクトツーとして最初の作品(その前は有限会社サイバーコネクトだった)であるということと、この作品があったからこそ「NARUTO-ナルト-」や「ジョジョの奇妙な冒険」のゲーム作品を作ることに繋がったと思っています。
――ターニングポイントの作品として挙がりました、「.hack」シリーズというオリジナルの作品でこだわっている点は?
松山:「.hack」シリーズという言い方をしていますが、2002年から展開しているロールプレイングゲームで、最終的には映画も作りました。この作品で表現したいものは、ファンタジーな物語の向こう側にある人間ドラマなんです。「.hack」シリーズは架空のオンラインゲーム“THE WORLD”の中で遊んでいる人が登場するゲームです。ゲームの中にはもちろんキャラクターがいるんですが、操作しているのはリアルな人なんです。目の前にいる王子様みたいなキャラクターが実は主婦かもしれないし、実はお爺さんかもしれない。ファンタジーの世界だとしても、遊んでいるのは生身の人間なんですよ。その向こう側にある人間ドラマが、実は「.hack」シリーズ作品の魅力なんですよ。でも、これってゲームだけに限ったことでもないんですよね。SNSだって、アカウント名は女性のような名前でも、実は男性が投稿しているかもしれないし、日本人のようなコメントを投稿していても、実はそうじゃないかもしれない。これは、インターネットが広まったことによるコミュニケーションで、リアルじゃ絶対にないことですからね。
――作品作りについて大切にしているものって何ですか?
松山:遊び心地や触り心地とかも大切なんですが、他のタイトルに似ていない、うちの会社じゃないと体験できないものを提供するということですね。
――サイバーコネクトツーでしか作れないものって具体的には?
松山:これしか作らないと決まっているものでもなくて、どこかに突出していて、選ばれる1本になっているかどうかが重要です。仮にスタッフがシューティングゲームを作りたいとか、格闘ゲームを作りたいって言ってきたときに、既に世の中にあるゲームとどこが違うのかっていうのを徹底的に掘り下げます。それがあるかどうか、これが会社としても勝算なんです。
→松山洋氏に訊く、福岡のメリットや今後の展望について。