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特別インタビュー(5/5)
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テレビ版、劇場版の脚本を手がける西田征史氏に、『TIGER & BUNNY』に関わった経緯や作品を通して伝えたいことなどを訊いてみた。
虎徹があきらめないでやりつづけている。それを見た上で、明日から自分も頑張ってみようかなとちょっとでも思ってもらえたら。
asianbeat(以下、ab):アニメーション作品の脚本は初めてとのことですが、どのような経緯で本作に関わることになったのでしょうか?
西田征史氏(以下、西田):製作の方々が僕の作品を何本か観てくださって、「この作品の、この会話の感じをアニメにも持ってきてください」というオファーをいただき、参加させていただくことになりました。
ab:これまで、ドラマや舞台の脚本家として知られる西田さんですが、アニメーションの脚本をつくる上で新たに発見した点や苦労した点などあれば教えてください。
西田:基本的にはアニメであることを意識しないでくださいと言われていたので、いつもどおりというか、実写っぽく書いていました。強いて言うなら、画では伝わらないので、いつもドラマなどでは“…”と表現している台詞ナシの部分を、アニメーションでは言葉で表現したことですかね。特にアクションシーンの台詞なんかは、ドラマなどの場面よりも、台詞として表現することを意識して作ってみました。
ab:ドラマ、舞台とは違い、アニメーションだからこそ表現できるものとは何だと思いますか?
西田:アニメーションの良かった点は、予算の制約を受けないというところでしたね(笑)。ビルを爆破しようが、何をしようが、「それちょっと予算が…」ということはなかったです。そういう意味ではアニメーションは、すごく壮大に表現できるものなんだなと思いました。アニメーションは、描き込みの難しさがあると思います。今回の劇場版の遊園地のシーンは描き込みが多いので、テレビ版ではNGでした。しかし劇場版はじっくり時間かけて作ることができるので、やらせていただきました。例えば海を作中に登場させたい場合、実写であれば、普通に海を映せばいいところを、アニメーションでは一つ一つ波を作らないといけないということがあります。どこが大変でどこが難しいというところは一概に言えませんが、そういう点が実写とアニメーションで違うというのは面白かったです。
ab:自身の表現者としての経験が、脚本を作る上で、どのように活きていると思いますか?
西田:台詞を言う側の気持ちを体験しているので、“役者としては、本当はこう言うほうが良いんじゃないか”という感覚が分かっているというところでしょうか。文語と口語の違いっていうのはあると思うんですよね。文字として書いたときの言葉と、しゃべり言葉ってやっぱり違うので。それが台本によっては結構堅苦しい書き言葉になっていたりします。そういう意味では、割としゃべる分にナチュラルな言葉を台詞にする際選択できるっていうのは、俳優などの経験があったからっていう部分はあると思います。
ab:『TIGER & BUNNY』の脚本を手掛けるにあたって、最も大切にしたものは何ですか?
西田:テーマとかそういう部分で言うと、虎徹とバーナビーの距離感というのがあるかもしれないですけど、観ている人を誰も傷つけないということは常に大事にしていることかもしれませんね。例えば、敵キャラなどと同じ環境や境遇の人が作品を観た時に、自分を否定されているような気持ちになるっていうのはあって欲しくないなと思います。そういう目線は色々チェックしながら進めた部分ではありますね。
ab:『TIGER & BUNNY』を通して西田さんが表現したかった理念は、どういうものですか?
西田:あんまり言っちゃうのも恥ずかしいですけれども、強いて言うのなら“あきらめない心”ですね。能力者の減退っていうテーマは、これまでありそうでなかったような気がしていたので、何かの作品でやってみたいなと思っていた部分ではありました。それが『TIGER & BUNNY』には、はまりました。色んなものを織り交ぜたので、特にどれとは言いづらいのですが、最終的に伝えたかったのは、それまでずっとみてきた虎徹があきらめないでやりつづけること。それを見た上で自分が明日も頑張ってみようかなとちょっとでも思える。観る人にとって、少しでも明日を生きる活力になればと思って書いています。
ab:劇場版として表現する際に、最もこだわった点を教えてください。
西田:今回の劇場版は、キャラクターを掘り下げるチャンスと思って取り組みました。本来劇場版としてはカタルシスがあって大きいものを何か成し遂げないといけない部分があったのかもしれないですけど、それをやっちゃうとTVシリーズの3話につながらないということもあり、その点は悩みました。
ab:『TIGER & BUNNY』は今や海外でも大人気のアニメーションですが、その人気の秘密はどんな点でしょうか?
西田:これは本当にみなさんのおかげです。まずはスタッフの皆さんによるキャラクターの動きや街の造りもそうですし、キャストの皆さんの演技も素晴らしいです。そういう部分がそれぞれ相乗効果を生み、いいバランスで観てくれる人に伝わったのではないかと思います。
ab:『TIGER & BUNNY』を通じて、海外の人気を実感した経験などあれば教えてください。
西田:エグゼクティブプロデューサーの尾崎さんが海外に行ってきたっていう話を聞くときですかね(笑)。
ab:サイトを見ている読者の方に一言お願いします。
西田:いつも応援して下さってありがとうございます。まだ次回劇場版にも作品が続いていくので、熱意を冷まさないように応援し続けていただければと思います(笑)。もっと面白い仕掛けを用意いたしますので、ヒーローたちとお付き合いしていただけたら嬉しいです。
西田征史氏(以下、西田):製作の方々が僕の作品を何本か観てくださって、「この作品の、この会話の感じをアニメにも持ってきてください」というオファーをいただき、参加させていただくことになりました。
ab:これまで、ドラマや舞台の脚本家として知られる西田さんですが、アニメーションの脚本をつくる上で新たに発見した点や苦労した点などあれば教えてください。
西田:基本的にはアニメであることを意識しないでくださいと言われていたので、いつもどおりというか、実写っぽく書いていました。強いて言うなら、画では伝わらないので、いつもドラマなどでは“…”と表現している台詞ナシの部分を、アニメーションでは言葉で表現したことですかね。特にアクションシーンの台詞なんかは、ドラマなどの場面よりも、台詞として表現することを意識して作ってみました。
ab:ドラマ、舞台とは違い、アニメーションだからこそ表現できるものとは何だと思いますか?
西田:アニメーションの良かった点は、予算の制約を受けないというところでしたね(笑)。ビルを爆破しようが、何をしようが、「それちょっと予算が…」ということはなかったです。そういう意味ではアニメーションは、すごく壮大に表現できるものなんだなと思いました。アニメーションは、描き込みの難しさがあると思います。今回の劇場版の遊園地のシーンは描き込みが多いので、テレビ版ではNGでした。しかし劇場版はじっくり時間かけて作ることができるので、やらせていただきました。例えば海を作中に登場させたい場合、実写であれば、普通に海を映せばいいところを、アニメーションでは一つ一つ波を作らないといけないということがあります。どこが大変でどこが難しいというところは一概に言えませんが、そういう点が実写とアニメーションで違うというのは面白かったです。
ab:自身の表現者としての経験が、脚本を作る上で、どのように活きていると思いますか?
西田:台詞を言う側の気持ちを体験しているので、“役者としては、本当はこう言うほうが良いんじゃないか”という感覚が分かっているというところでしょうか。文語と口語の違いっていうのはあると思うんですよね。文字として書いたときの言葉と、しゃべり言葉ってやっぱり違うので。それが台本によっては結構堅苦しい書き言葉になっていたりします。そういう意味では、割としゃべる分にナチュラルな言葉を台詞にする際選択できるっていうのは、俳優などの経験があったからっていう部分はあると思います。
ab:『TIGER & BUNNY』の脚本を手掛けるにあたって、最も大切にしたものは何ですか?
西田:テーマとかそういう部分で言うと、虎徹とバーナビーの距離感というのがあるかもしれないですけど、観ている人を誰も傷つけないということは常に大事にしていることかもしれませんね。例えば、敵キャラなどと同じ環境や境遇の人が作品を観た時に、自分を否定されているような気持ちになるっていうのはあって欲しくないなと思います。そういう目線は色々チェックしながら進めた部分ではありますね。
ab:『TIGER & BUNNY』を通して西田さんが表現したかった理念は、どういうものですか?
西田:あんまり言っちゃうのも恥ずかしいですけれども、強いて言うのなら“あきらめない心”ですね。能力者の減退っていうテーマは、これまでありそうでなかったような気がしていたので、何かの作品でやってみたいなと思っていた部分ではありました。それが『TIGER & BUNNY』には、はまりました。色んなものを織り交ぜたので、特にどれとは言いづらいのですが、最終的に伝えたかったのは、それまでずっとみてきた虎徹があきらめないでやりつづけること。それを見た上で自分が明日も頑張ってみようかなとちょっとでも思える。観る人にとって、少しでも明日を生きる活力になればと思って書いています。
ab:劇場版として表現する際に、最もこだわった点を教えてください。
西田:今回の劇場版は、キャラクターを掘り下げるチャンスと思って取り組みました。本来劇場版としてはカタルシスがあって大きいものを何か成し遂げないといけない部分があったのかもしれないですけど、それをやっちゃうとTVシリーズの3話につながらないということもあり、その点は悩みました。
ab:『TIGER & BUNNY』は今や海外でも大人気のアニメーションですが、その人気の秘密はどんな点でしょうか?
西田:これは本当にみなさんのおかげです。まずはスタッフの皆さんによるキャラクターの動きや街の造りもそうですし、キャストの皆さんの演技も素晴らしいです。そういう部分がそれぞれ相乗効果を生み、いいバランスで観てくれる人に伝わったのではないかと思います。
ab:『TIGER & BUNNY』を通じて、海外の人気を実感した経験などあれば教えてください。
西田:エグゼクティブプロデューサーの尾崎さんが海外に行ってきたっていう話を聞くときですかね(笑)。
ab:サイトを見ている読者の方に一言お願いします。
西田:いつも応援して下さってありがとうございます。まだ次回劇場版にも作品が続いていくので、熱意を冷まさないように応援し続けていただければと思います(笑)。もっと面白い仕掛けを用意いたしますので、ヒーローたちとお付き合いしていただけたら嬉しいです。
脚本 西田征史氏 プロフィール
■西田征史
にしだまさふみ
脚本家・演出家。「ガチ☆ボーイ」(08)など多くの映画や、「怪物くん」(10)、「妖怪人間ベム」(11)など連続ドラマも多数。小説「小野寺の弟・小野寺の姉」も上梓している。「TIGER & BUNNY」は、初めて参加したアニメ作品であり、全話の脚本のみならずシリーズ構成も手がけている。 11月3日からNHK総合にて、オリジナルとなるドラマ『実験刑事トトリ』がスタートする。
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