マタギキ volume 05 前澤 友作氏(10/12)
9. 前澤氏が考える社会のあり方とは
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資本主義とは、資本家の要望のために会社の利益をあげて、配当という形で分配する事です。結局、最初の資本に対してそれ以上の利益を上げて増やさなくてはならないのです。けれど、世界で発行されているお金の量には最大数があります。増やそうと思ったら、誰かから奪うか、誰かに勝った結果として増やしていかなければ成り立たないシステムです。だから企業が多くの利益を上げるために、「実力主義」「競争主義」という名の下にしのぎを削って行く訳です。「誰の売上が一番」だとか「今期の成績は誰がトップ」だとか同じ組織内でもよく話題に上ると思うのですが、そんな風に争うことで資本家は喜ぶんです。何故なら争う事で僕らが「がんばり」、結果、企業の業績が上がるからです。
でも、これを違った視点で見ると、こんなに馬鹿げたことはないなと僕は思います。みんな世の中のためにと思ってがんばっているのに、何故、そういう人同士が「争ってしのぎを削る必要があるのか」を、誰も考えようとしないこと自体が良くない。僕自身は「実力主義」や「競争主義」が嫌いです。例えば、スタートトゥデイの社員の基本給は全員一律です。もちろんボーナスも全員一律。社内で競争を見たくないんです。人々は、「競争」ではなく「共存」できる教養や道徳観といった力を充分に持っていますから。
よく「競争しないと怠けてしまう」と言いますが、僕は違うと思います。何故なら、現に僕は誰かに勝とうと思って今のポジションまで来たわけではありません。「世の中に良いサービスを、お客様、社員に笑顔を」という思いでここまで来ています。誰かに勝とうと思った結果ではないことは間違いないです。