マタギキ volume 05 前澤 友作氏(12/12)
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11. ヂカギキタイム 参加者からの質問

Q:どんなものから刺激をうけますか?
A:最近はワインですね。職人の香りがしますから。ブルゴーニュという地方で作られているものにハマっています。一番有名なものは、DRCという会社が作ったロマネコンティもその地方です。そういうトップブランドから名も知れぬ畑で取れた葡萄を使った、音楽で言うところのインディーズレーベルの商品を冒険して飲んでみたり、いろいろ楽しめますね。職人的なものが好きですね。小学生の時は、朝から晩まで近くで家を作っている大工さんを観察していました。
Q:起業しようと思っている人にアドバイスを一言お願いします。
A:これを発信したいというような「強い闘志」が湧いてから起業した方が良いと思います。「とにかく社長になりたいんです」的な、目的よりも目標が先に来るとダメですね。順序は間違えて欲しくないですね。
Q:ZOZOTOWNのコンテンツを作って行く上で大事にしていることはありますか?
A:ZOZOTOWNは、そもそも商売をしたいとか、儲けたいという目的の事業ではなく、「好きな物に囲まれて生活したい」といった思いからスタートしました。コンテンツであるショップのセレクトについては、必ずうちのスタッフの中にそのショップの洋服が好きな子がいます。ですから、儲けるためのコンテンツ選びではないんです。売る方法も自分たちの好きな物を扱うので、人に任せずに自分たちで、デザインも流通もシステムも関わるほとんどを内製化しています。これは僕がミュージシャン時代に影響を受けた「DIY=DO IT YOURSELF」の精神の現れだと思います。
Q:アパレル業界で目標を達成したあとは、どんなことをするんですか?
A:今やりたいことは、農業、漁業、ペット産業に興味があります。売るというよりも業界構造に間違っていることが多いんです。農業や漁業は協同組合の利権に絡んだ非効率な流通形態に非常に疑問を感じます。ペット産業についてはブリーダーによる間違った需要予測の下に生まされたペット達が数多く殺処分されています。また、飼い主の審査ももっとすべきだと思います。ちゃんと審査してペットを買うシステムはヨーロッパでは当たり前。さっきも話したように、世の中で不条理に思うことが、僕のやりたいことの源泉になることが多いです。Eコマースをやりたいのでなくて、構造を改革したい手段がたまたまEコマースだっただけですね。
Q:アパレル業界での「アンチZOZOTOWNとの接し方」は?
基本的にアンチという考え方はないですね。例えばアンダーカバーさんは10年越しで口説きました。あまり緊張しないタイプですが、アンダーカバーの代表者のジョニオさんにお会いしたときは相当緊張しましたね(笑)。
今でも新しいブランドさんが参加してくれることはワクワクします。ここでは言えないのですが、これからも蒼々たるブランドさん達が参加してくれます。
事業への思いももちろんですが、ITへの参入を呼びかけるタイミングもあります。みなさんITは「手間がかかる」「スペシャリストの選任者を付ける必要がある」など面倒くさいイメージがありますので、そこを、「全然簡単ですよ」といった切り口で説得することが重要。気付きを提案していますね。
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