マタギキ volume 07 松嶋 啓介氏(8/13)
7.オーナーシェフとして

常に悩んでいます。一種のクリエイターですから、目の前の問題を解決するために悩む事が仕事です。自分が一つ決めた事を守り続けることはやらないタイプですから、常に時代の変化を見ながら次の一手を考えています。今日もフランスと東京のお店は任せきりで、営業しています。心配はしますが、信用できるスタッフがいる幸せがあります。
単なるシェフではなくオーナーシェフですから、一緒に成長できるお店造りを心掛けています。僕の場合はゼロからお店を立ち上げて学んだ事がとても多くありました。シェフになった時の評価の嬉しさはその立場の人間にしか分かりません。それを人に分かってもらうためには自分が上の立場になって、ポストを捨てるしかありません。信用できる人間にポストを譲り、自分が感じた事や学んだ事など一緒に成長して行けば、彼自身もさらに楽しみながら成長することができると考えています。そういった、共に分かち合えるという部分ではスタッフに恵まれています。また、信頼はすぐには出来ませんから、少しずつ築き上げるために道筋を作ってあげることも大事ですね。
悩んでいるからといって口を閉ざして考え込むということは殆どしません。苦しいとき、嬉しい時口に出して言うように心掛けています。そうやって喜怒哀楽を表に出す事ができるから、料理でもお皿の中での表現力が上がると思います。表現力の豊かさは料理の世界では出てきますので、感情は出した方が良いと思います。感情を出す場所や間など出し方にもよりますけどね(笑)。