[ ICON vol.51 ] ☆Taku Takahashi ~日本を世界へと導くアジテーター~(3/3)
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アジアが一つになった後、欧米諸国と本当に勝負できるんだと思っています。

●フジロックフェスティバルのオールナイトフジでのプレイの様子(2011年)
――風営法などの取締によって日本のクラブカルチャーの在り方は変化していると思いますが、これについて何か考えることは?
☆Taku:日本の文化、観光産業、経済の循環。色々な部分に悪影響を与えてる法律だと思います。なぜ、今の時代に踊ってお酒を売るスペースにこの法律が適用されなければならないのか意味が分りません。そもそも大の大人が深夜0時以降に踊ってはいけないなんてナンセンスです。ただ、法律を変えるのはとても難しい。残念ながらヨーロッパのように日本でセカンド・サマー・オブ・ラブ(※1)は起こらないと思います。なので、色々な視点から攻めていかないと状況は変わっていかないと思います。署名などの地道な活動、そしてロビイスト活動など(これは日本人がもっとも苦手にしている部分だと思うのですが)。
――アーティスト活動や、DJ活動、block.fmプロデュースなど多岐に渡る活動の中で、タクさんが手掛ける全てのクリエイティブでご自身が伝えたいことやモットーを教えて下さい。
☆Taku:曲によってメッセージが変わってくるんですが、僕のDJでは楽しさを伝えていきたいと思っています。僕の場合、ハウス、ダブステップ、ドラムンベース、ムーンバートン、ヒップホップなど色々なジャンルが好きなので、出来る限り自分が好きなもの全てを皆さんに届けたいと思っています。あと、世界のDJたちは昔よりさらにエンターテインメントを追求していると思います。パフォーマンスをしたり映像のインスタレーションを使ったり様々な方法がありますが、僕のギグもエンターテインニングになるよう心がけています。
――いま注目しているモノ・コトは?
☆Taku:やはりアジアですね。今後アジアでのDJやm-floとしての活動が活発になれば良いなと思っていますし、もちろんアジアに限らず、色々な所へ行きたいなとも思っています。
――座右の銘は?
☆Taku:ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん。
――当ウェブサイトでは、日本のポップカルチャー(アニメ、マンガ、音楽、ファッションなど)を扱っているのですが、今タクさんが興味があることは?
☆Taku:韓国ポップスですね。彼らのポップスはとてもクラブの音に近い。日本もこうなるようにm-floで頑張っています。あと、最近アニメやゲームとの関わりが増えてきています。いつかは自分でアニメが作れたらなと真剣に思っています。
――今後の展開・展望を教えて下さい。
☆Taku:自分自身がもっとアジアで自分のやってることを知ってもらえるよう努力していきたいと思います。日本を良くするにも結局、個々がレベルアップしないと始まらないと思うので。そして先ほども言いましたが、アジアがもっと繋がってエンターテインメントビジネスを大きくする。そしてアジアが一つになった後、欧米諸国と本当に勝負できるんだと思っています。
――このウェブサイトを見ているアジアの若者にメッセージを。
☆Taku:このインタビューを最後まで読んでくれてありがとうございます。block.fmは日本だけではなく、アジア、そしてヨーロッパのトップDJたちが参加してくれています。是非チェックして下さい。あと、m-floも復活したので是非チェックして下さい。ありがとう。
(取材日:2012.7.16)
【注釈】
※1980年代後半にイギリスで起きたダンス・ミュージックのムーブメント。その名称は60年代後半のヒッピー・ムーブメント「サマー・オブ・ラブ」に由来している(その再来という意味で「セカンド」と呼ばれた)。
※1980年代後半にイギリスで起きたダンス・ミュージックのムーブメント。その名称は60年代後半のヒッピー・ムーブメント「サマー・オブ・ラブ」に由来している(その再来という意味で「セカンド」と呼ばれた)。
[INFO]

DJ / プロデューサー
DJ、プロデューサー。1998年にVERBALとm-floを結成。数々のヒットチューンを武器に日本の音楽シーンにインパクトを与える。ソロとしてもCalvin Harris、The Ting Tings、Lady Sovereign、Crystal Kay、加藤ミリヤ、MINMIなどなど数多くの国内外アーティストのプロデュースやRemixも積極的に行っている。最近ではイギリスのBBC Radio1をはじめ、ヨーロッパのラジオやダンスフロアでもプレイされる機会が急増。2009年には日本の才能を世界に広めるため、自身のレーベル“TCY Recordings”を発足。また、アニメ「Panty&Stocking with Garterbelt」に音楽プロデューサーとして参加し、サウンドトラックも監修するなど、音楽に関わる様々なシーンで活躍している。近年の積極的なDJ活動でクラブシーンでも絶大なる支持を集めTOP DJの仲間入りを果たし、「Incoming... TAKU Remix」が、世界最大のダンスミュージック配信サイト“beatpotrt”で、2010年のD&Bチャートにて年間1位を獲得!また同曲で、過去受賞者にはアンダーワールドやファットボーイ・スリム、ジャスティス等、今や誰もが知っているスーパースター達が名を連ねる『beatport MUSIC AWARDS 2011 TOP TRACKS』を獲得し、日本人として初めての快挙を成し遂げるなど、名実ともに世界に通用する事を証明してみせた。ソロアーティストとしても、MIX CD「AFTER 5 VOL.1」を“THE SUITBOYS”名義の第一弾として発表。2011年11月にダンスミュージック専門のインターネットラジオ局「block.fm」を本格的に立ち上げ、最先端の音楽情報やトップアーティストのDJ MIXなどを発信。国内はもとより海外でも話題になるなど、日本のみならずグローバルに活動の場を広げ、その内容は多岐に渡る。
2012年、m-floとしては、約5年ぶりにオリジナルアルバム「SQUARE ONE」を発表し、その健在ぶりを強烈にアピールし、さらに個人としてLOUDのDJ人気投票“DJ50/50”の国内の部第1位に選出されるなど、DJとしても益々進化している。
■Web Site
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THE SUITBOYS http://www.suitboys.com
myspace http://www.myspace.com/takutakahashi
http://www.tcyrec.com/
http://www.myspace.com/tcyrec
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