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櫻井孝昌(Takamasa Sakurai) のJAPAN! JAPAN! JAPAN!

【櫻井孝昌のJAPAN! JAPAN! JAPAN!】 第101回 ローマROMICS。「ヘタリア」も「進撃の巨人」も「銀魂」も。国境を超えて語るべきテーマはいくらでもある。

イタリアは、私の文化外交活動にとっても思い出深い土地である。というのも、2007年12月、外務省から依頼され、チェコのプラハ、イタリアのミラノ、ボローニャ、ローマと周った講演ツアーが、文化外交に私が情熱を傾けることになる大きなきっかけになったからだ。
ローマの学校でこんなことがあった。
「日本のアニメは好きですか?」
そう問いかける私に、前列の学生がこんなふうに返してきたのだ。
「先生、そんな質問はしないでかまいません。僕らはみな日本のアニメで育っているんですよ」
そんな社交辞令に時間を使わず、早く本題に入って、日本のアニメ業界の話を聞かせてくれ、ということだろう。
いかに日本のアニメが世界に根付いているか、世界の若者のアイデンティティ形成に影響を与えているか、このときにその断片を初めてリアルに感じることができたのだ。言ってみれば、私が海外を周るようになる背中を押す発言だったともいえるのだ。私の「アニメ文化外交」はこうして始まった。

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▲ROMICS会場風景
ローマで、イタリア最大の日本ポップカルチャー紹介イベントROMICSを、在ローマ日本大使館の外交官に紹介してもらったのもこのときだった。
いま当たり前のように周っている海外のアニメイベントへの第一歩が、このときにスタートしたと言ってもよい。ROMICSには2009年、2011年とゲスト参加した。2009年にはROMICSとは別に、ローマのティベリナ島で、大規模な日本イベントも一緒にやった。カワイイ大使の青木美沙子と木村優も一緒だった。
10万人を超える動員数をほこるROMICSは、現在は春と秋の年2回開催されている。今回2年半ぶりにゲスト出演するROMICSは、私にとっても初となる春の回への参加だった。海外のアニメイベントで、ミクやルフィーのコスプレイヤーを見ると、なぜかいつも「ああ帰ってきたなあ」と思う。なんだか故郷に帰省したような気分になるのだ。この気持ちは、海外のアニメイベントに何度か参加したことのあるみなさんなら理解してもらえる実感なのではないだろうか?
そこは日本ではない。でもまちがいなく日本そのものなのだ。ニッポン、NIPPONとカタカナかアルファベットで書いたほうがしっくりくる日本かもしれない。
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▲イタリア語版のマンガが多数販売されている
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▲フィギュアを見つめる背中も万国共通

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▲海外のアニメショップでマンガに次いで人気なのは、もしかしたら刀?
ドラゴンボールのコスプレイヤーは、背中に手書きで「亀」という字を一生懸命書いていた。「銀魂」の銀さんのコスプレイヤーが持っている木刀には「洞爺湖」の手書き文字が。その漢字を見ているだけで暖かい気持ちになるのは私だけだろうか。
興味深かったのは、「進撃の巨人」のコスプレイヤー。世界共通、いまいちばんコスプレの数がどこに行っても多いのは「進撃の巨人」。実際ROMICSにもたくさんコスプレイヤーがいたのだが、世界との大きな違い、みな必需品ともいえる“立体起動装置”を装着していないのだ。これでどうやって巨人と闘う!?
あまりにもみながつけていないので、一人のコスプレイヤーに聞いてみた。
「なんで立体起動装置を付けないの?」
「付けたいんですけど、作るのが難しいから」
照れくさそうに彼は答えてくれた。みな手作業がちょっと苦手なのかな?そんなやりとりもアニメイベントならでは。我々には国境も出会った回数も関係なく、語るべきテーマがあるのである。
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▲手書きの「亀」がカワイイ
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▲木刀に「洞爺湖」と手書きで。一生懸命書いたのだろう。
DSC03703.jpg▲立体起動装置はないけれど、「進撃の巨人」が大好きな気持ちはいっしょ
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▲私の講演でステージに上がってくれた「NARUTO」のチーム
「ヘタリア」のコスプレイヤーっているのかなあ?と思っていたら、会えた。バンコクでの「NARUTO」のチームコスプレの写真を私の講演で見せていたら、イタリアの「NARUTO」チームがステージに上がってきてくれた。
世界はあまりにも違う。でも、日本やアニメというキーワードだけで、こんなにも世界を近くに感じることがお互いできるのだ。
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