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第4回 博多芸能のルーツ(2/2)

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帰国後、新劇の普及に邁進し、大阪に初の舞台照明を取り入れた帝國座を開設する。まだまだこれからという矢先に病に倒れ、最後は本人の希望通り、帝國座の舞台上で48歳の若さで亡くなった。そして遺言に従い博多の承天寺に遺骨は埋葬された。ダイジェストで音二郎の人生を振り返ったが、日本の近代芸能のルーツ的存在であることは間違いない。しかも今みたいに情報も含め、まだ世界が近い時代ではなかった頃に、留学とかではなくプロとして世界へ躍り出たという、そのスケール感には本当に驚かされる。今から100年以上も前に、福岡で生まれた芸能資質が世界へ羽ばたいたのである。

おそらく博多っ子達は、そんな音二郎を誇りに思ったはずである。そしてあの“対馬小路の音二郎さん”に憧れてその遺伝子は受け継がれていく。福岡人は「のぼせもん」が多いと言われる。山笠にのぼせ、どんたくで騒ぐ。自分は何でも出来る!と勘違いし易い。しかしその力が何かを生み出す原動力となる。おそらくこれが次々と芸能資質を持った人材を生み出す根底にあるのではないだろうか。

11月11日は川上音二郎の命日である。今年も承天寺で法要が行われた。それに先立ち、今年はその承天寺で川上音二郎の人生を辿る芝居が開催された。秋晴れの清々しい日に、本堂の枯山水を借景に劇団「博多よかたい」メンバーによって音二郎が現代に見事に蘇った。

終演後、音二郎さんの墓前に、微力ながら福岡の芸能を受け継ぐ一人として、ミュージクマンスの報告やこれからまた新たに音楽都市・福岡の発展を見守って下さいとお願いしてきた。あれ?音二郎さんは演劇人じゃないか、とツッコミが入りそうだが、オッペケペーで社会風刺をビートに乗せて口上した音二郎こそ、元祖ラッパーなのである。また音二郎の肉声こそ残っていないが、川上一座によるオッペケペーは日本人初のレコーディングを行ったアーティストとして記録に残っている。


今日も空から「何ばしようとや!もっと博多ば面白くせなつまらんめーもん!オッペケペー!オッペケペー!オッペケペッポ、ペッポッポー!」と言われている気がしてならない。げな。

PROFILE

深町健二郎プロフィール深町健二郎 (ふかまちけんじろう)
音楽プロデューサー

1961年福岡市生まれ。9歳より音楽に目覚め、大学時代は、福岡出身の陣内孝則氏が在籍したロッカーズ解散後に、同ギタリストの谷信雄氏と共に「ネルソープ」を結成。その後、福岡の旅行会社に就職し、コンサートツアーや音楽イベントの企画・主催を行い、ソラリアプラザ開業準備段階からイベントプロデューサーとして参画。福岡のアーティスト・ミュージシャン・ダンサーによるコラボレーションイベントプロデュースを手掛け、1998年からは糸島市で開催されるSunSet Liveの共同プロデュース・MCを担当。執筆活動やTV番組などにも多数出演し、現在は音楽プロデューサーとして、地元福岡で活躍中。

■深町健二郎 facebook: facebook.com/kenjiro.fukamachi
■深町健二郎 twitter: twitter.com/kenjirokenjiro

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