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まんがイベント「韓国まんが文化と交流」 ~「宮」(らぶきょん)のパク・ソヒ先生来福!開催レポート!!~ (4/8)

第2部パク・ソヒ先生トークショー

(S)
ありがとうございました。さて、よく、日本でパク・ソヒ先生を紹介するときに、必ず、デビュー作、「霊魂の結婚式」と出ますが、あれってどういうお話なのだろうなあとすごく気になっているのですが、どんなお話なのか、デビュー作について、お話いただけますか?

(P)
まず、この作品なのですが、1999年に韓国に「ナイン」という少女まんがの雑誌があったのですけど、そこの公募で応募した作品です。その背景というのは、 日本の植民地時代に、満州から少女が朝鮮にやってくるのですけど、その満州からやって来た少女が朝鮮で中華料理店をやっている、そして、朝鮮の少女がい て、満州から来た中国の少女に第三者的な視点を持たせた作品です。この中国の少女が、朝鮮の少女と親しくなって、この朝鮮の少女は、年老いた没落貴族の後 妻に入って、もしかしたら愛情かもしれないのですけど、心を奪われてしまいます。後妻として入った朝鮮の少女なのですけど、じつは、好きな人がいて、それ は自分の夫ではなく、夫の弟を愛してしまうのですね。その報われない愛情を第三者の目から見ながら、さきほど言いましたように、この少女にとても憧れてい るのですね。その愛情と憧れが交差する切ないラブストーリーのお話です。夫の弟は独立運動をしていました。満州から来た少女は、さきほど申し上げたように 朝鮮から来た少女にとても憧れを抱いていて、二人の関係に嫉妬しているのですね。中国の少女は彼が死んだと嘘をついたりして、やがて朝鮮の少女も彼も二人 とも、中国の少女を残して死んでしまう。そして、報われない愛情ですけど、朝鮮の少女が彼と報いを遂げたいと言っていたので、自分の嫉妬を我慢して、中国 の少女は二人の結婚式をあげます。これは、本当の結婚式ではなくて、霊魂だけの結婚式、死後の結婚式というか、そういう結婚式をあげてあげます。それで、 憧れとか、嫉妬とか、切ない感情を持ちながら、霊魂の結婚式をあげたので、このタイトルとなります。

(S)
デビュー作とし ては、非常に暗いというか、恋がかなわず、二人とも死んでしまって、その死んでしまった二人の魂を嫉妬していた女の子が、せめて、幸せにと言って、死後の 世界で二人が結ばれるように、ということです。そのときの読者はどうでしたか?デビュー作のエピソードとかありましたら、お願いします。

(P)
デビュー作品なんですけど、私の最初の作品なので、とても反応が気になりました。
雑 誌の載った際に、読んだ読者がどんな反応をするのかとおもって、雑誌の掲示板にどういう書き込みがあるのか見に行ったら、ただ一つ書き込みがあったのです けど、その一つの書き込みが、「なにこれ、ホラー!?」と書いてあって、それを見て本当にショックで、バスに乗って、家に帰りながら、バスの窓に「なにこ れ、ホラー!?」というのが浮かんで、トラウマになるぐらい、ショックでした。

(S)
せつないラブストーリーだったのに、オカルトものとか言われると、霊魂の結婚式と出るので、オカルトかなとおもわれるのでしょうが、これからは切ないラブストーリーということで、よろしくおねがいします。ほかに、その頃のエピソードや想いではありますか?

(P)
デビュー作を書いている当時、大学を卒業して間もない頃で、いろいろなアルバイトをしながら、1年間まるまる準備をしましたというわけではないのですけれ ど、自分の時間を費やしながら書いた作品なので、とても、期待していたのですね。公募に応募するために、電話を出版社にかけました。そのとき、私は電話を 持っていなかったので、公衆電話にかけていきながら、電話をかけました。担当者に電話をかけて、「公募はいつまでですよね」と言ったら、「締め切りは過ぎ ていて、もう受付は終了しました」と言われて、本当に自分の心と時間を費やして描いたものだったので、どうしようかと、あきらめた状態で、作品も自分のか たづいた部屋に置いて、どうしよう、あきらめようとおもっていました。ほとんどあきらめた状態で駄目だろうとおもいながらも、スーパーとか寄るときに、公 衆電話が見えて、だめだろうとおもいながらも、もう一回、担当者に電話をしました。「過ぎたから、駄目ですよね」といったところ、「いいよ」といわれたの で、すぐに原稿を送りました。もし、そのときに、ふとおもって、電話をかけなかったら、私は漫画家になっただろうか、その後、この「らぶきょん」というま んがを描いただろうか、もし、そのときが無かったら、こういう風に福岡に来ていなかったのではないだろうかとおもいます。

(S)
電話一つで、私たちも人生、全然違ってましたよね。こんなことにはなってなかった私たち。(笑)「らぶきょん」を6年間も続けてきた力って何でしょう?多 分、締め切り地獄、2週間に1回ずつ雑誌が出ていて、1回24ページずつですよね、1ヶ月では50ページほどを6年間というと、ものすごくハードなお仕事 なのですけど、どうやって、続けてこれたのでしょうか?

(P)
じつは、一番の原動力は何かと言いますと、私にまんがを描か せるために、ずっと小言を言いながら、緊張させている編集者たちだとおもいます。私は、とても怠け者でして、もう一回人生を送れるならば、怠け者ではなく て、何かをせかせかと出来る人になりたいとおもっています。でも、こんな私でも、一つ持っている、それは、責任感が私にはあるとおもいます。まんがを描い ているときは、常に楽しいとかいうことではなくて、もちろん難しいときもあるし、出来ないとおもうときもあるし、苦しいときもありますけど、一人でも、わ たしのまんがを面白いと待ってくださる読者がいるのなら、私はそれを無にできないから、そういった責任感を持っています。何か一つ一つ、終わらせて、締め 切りを終わらせたときの楽しさや、また、誰かが待ってくれているという心、そういった小さいものの一つ一つが私の原動力、何か大きな使命感があるというわ けではないのですが、こういった小さなものが私の原動力ではないかとおもいます。

(S)
「らぶきょん」でチェギョンが、ドラマでもですが、テディベアがよく出てきますよね。キャラクターというか、パク・ソヒ先生がお好きなキャラクターはどんなものがありますか?

(P)みなさん、ご存知でしょうか。「青首大根」という日本のキャラクターがあります。大根のキャラクターなのですけど、目が細くて、何を考えているのかなあとい う煩悩を忘れた顔をしているので、とても好きで、このキャラクターのフィギュアとか、集めています。筆を持っている「青首大根」のフィギュアがあるので、 苦しいというときには、その「青首大根」のフィギュアを見ながら、力を得ています。

(S)
「らぶきょん」の影には、「青首大根」がいたのですね。意外にも日本のキャラクターがお好きだったのですね。ほかにも何かありますか?

(P)
ちょっ と前のことなのですけど、韓国で「猟奇うさぎ」というキャラクターがありました。キャラクターでもあるのですが、インターネットのフラッシュのような動画 アニメで出てくるものなので、小さい物語がついているものだったので、名前と同じように、猟奇的でちょっとおもしろい動画を見ながら、このキャラクターも とても好きだなあと、おもっていました。

(S)
私もそれ好きです。日本にもちょっと上陸したことがあるのですけど、「マ シュマロ」といううさぎです。顔はとっても可愛いうさぎなのですけど、性格は鬼畜というやつで、でも、顔を見ていると癒し系です。さっきの「青首大根」、 「こげぱん」が好きだというお話も聞いたことがあります。ちょっと力が抜けたキャラクターが好きなのですね。日本のまんがもお読みになりますか?

(P)
私 の好みというのは、少し偏っていまして、ホラーとか恐怖ものが好きだったりします。その中でも伊藤潤二さんがとても好きで、伊藤潤二さんのコレクションは 全て、買い集めています。今でも、1年に1回は、全部読み返していて、内容についての夢を見たり、とてもすごいまんがだとおもいます。あと、ジャンプで連 載をしていましたうすたきょうすけさんの「すごいよ!!マサルさん」とか、ギャグまんがなんですけど、本当にすごく非凡な演出をしたり、考えられないギャ グを創作しているので、とても印象に残っています。あと少女まんがの中では、魚喃キリコ(なななんきりこ)さんの「ストロベリーショートケーキ」などの作 品、小野塚カホリさんも好きです。

(S)
たくさん読んでらっしゃるのですね。もっとおうかがいしたいのですが、そろそろ時間になってきましたので、福岡にいらっしゃって、福岡の印象とかありませんか?

(P)
何ヶ 月か前にプライベートで福岡に来ていました。そのときは事前の調査とか何も無しに来ていたので、梅雨時だったのか、三泊四日の間、ずっと雨なので、何も見 れないで帰ってしまいました。今回、あらためて来たら、空気はキレイだし、とても暖かいし、本当に良い所だとおもいました。そして、何よりも、私の本を 「らぶきょん」として翻訳してくださった佐島先生がいらっしゃるところなので、いったい、どういうどころに住んでらっしゃるのかなあと、ずっと疑問にお もっていたのですけど、実際来て見たら、私の作品を応援してくださっている方がこんなに直接集まってくれて、そういう方が住んでいらっしゃるところなの で、ぜったい、良いところに違いないとおもいます。ここに来るスグ前に、うどんを「大福うどん」というところでうどんを食べてきたのですけど、うどんの発 祥の地が福岡と聞いて、韓国でもいっぱいうどんを食べているのですけど、こらからうどんを食べるときは、福岡をおもいだします。

(S)
今日は、パク・ソヒ先生、どうもありがとうございました。

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