まんがイベント「韓国まんが文化と交流」 ~「宮」(らぶきょん)のパク・ソヒ先生来福!開催レポート!!~ (8/8)
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パク・ソヒ先生トークショー 後半

(S)
実際に描くところを見せていただきたいとおもうのですけれども、よろしいでしょうか。
(P)
では、主人公のチェギョンを描きます。まず、輪郭を描いて、髪の毛を描きます。・・・・緊張で手が震えています。(笑)普段はこんなに遅くないのですが。。。
服はチェギョンの象徴ともいえる、伝統と現代の衣装を描こうとおもいます。こういった蝶々型のものもあるんですけれど、昔はノリゲの中に、麝香の香りをしたものもありました。麝香の香りをつけて、男性を誘惑する役目も果たしていました。本当にシーンとなると緊張します(笑)

実際に描くところを見せていただきたいとおもうのですけれども、よろしいでしょうか。
(P)
では、主人公のチェギョンを描きます。まず、輪郭を描いて、髪の毛を描きます。・・・・緊張で手が震えています。(笑)普段はこんなに遅くないのですが。。。
服はチェギョンの象徴ともいえる、伝統と現代の衣装を描こうとおもいます。こういった蝶々型のものもあるんですけれど、昔はノリゲの中に、麝香の香りをしたものもありました。麝香の香りをつけて、男性を誘惑する役目も果たしていました。本当にシーンとなると緊張します(笑)

(S)
昨日の福岡でのパク・ソヒ先生のトークショーの中で、紹介のときに、デビュー作「霊魂の結婚式」と必ず出るのですけれど、どんなお話なのか伺いました。時代背景が日本の植民地時代、満州から、一人の少女がやってきます。中華料理屋さんの子なのですけれど、その少女が韓国の少女と親しくなります。韓国の少女が落ちぶれていくヤンバンの家のおじいさんと結婚させられてしまって、満州の少女は憧れ、愛情をいだいていて、姉妹のようなものだった。じつは、嫁いだ少女は夫の末の弟が好きだった。しかし、義理の弟にあたるし、恋は実らない。やがて、独立運動になり、義理の弟は死んでしまった。本当は死んでないのですけど、中国から来た少女が嫉妬してしまい、彼は死んだと嘘をついてしまう。嫁いだ少女は後を追って、自殺してしまう、ところが、彼は生きていた。彼女が死んでしまったことを聞いて、死んでしまう。取り残されたのが、中国から来た少女なのですけれど、私の言葉のせいで、二人が亡くなってしまった。嫁いだ少女から、私たちが死んだ後に一緒にさせてと頼まれ、中国の少女は、亡くなったあとに、二人の結婚式をしてあげる、それが霊魂結婚式です。日本にもそういう風俗ありますよね。すべてはあの世で幸せにと願った作品だったそうです。これが10年前のお話だったそうで、パク・ソヒ先生に昨日おうかがいしたら、えっと10年前なのにといいながら、お話してくれました。
だんだん、絵が完成してきました。
(P)
さきほど、絵をこういう順番で描きますといったのですが、緊張して、順番もなくなってしまっています(笑)。
(S)
線一つで雰囲気が、がらっと変わってきますね。
(P)
集中して、原稿に近づけて描くのですが、あとで、遠くから見ると比率があっていなくて、気にいらないこともあります。
昨日の福岡でのパク・ソヒ先生のトークショーの中で、紹介のときに、デビュー作「霊魂の結婚式」と必ず出るのですけれど、どんなお話なのか伺いました。時代背景が日本の植民地時代、満州から、一人の少女がやってきます。中華料理屋さんの子なのですけれど、その少女が韓国の少女と親しくなります。韓国の少女が落ちぶれていくヤンバンの家のおじいさんと結婚させられてしまって、満州の少女は憧れ、愛情をいだいていて、姉妹のようなものだった。じつは、嫁いだ少女は夫の末の弟が好きだった。しかし、義理の弟にあたるし、恋は実らない。やがて、独立運動になり、義理の弟は死んでしまった。本当は死んでないのですけど、中国から来た少女が嫉妬してしまい、彼は死んだと嘘をついてしまう。嫁いだ少女は後を追って、自殺してしまう、ところが、彼は生きていた。彼女が死んでしまったことを聞いて、死んでしまう。取り残されたのが、中国から来た少女なのですけれど、私の言葉のせいで、二人が亡くなってしまった。嫁いだ少女から、私たちが死んだ後に一緒にさせてと頼まれ、中国の少女は、亡くなったあとに、二人の結婚式をしてあげる、それが霊魂結婚式です。日本にもそういう風俗ありますよね。すべてはあの世で幸せにと願った作品だったそうです。これが10年前のお話だったそうで、パク・ソヒ先生に昨日おうかがいしたら、えっと10年前なのにといいながら、お話してくれました。
だんだん、絵が完成してきました。
(P)
さきほど、絵をこういう順番で描きますといったのですが、緊張して、順番もなくなってしまっています(笑)。
(S)
線一つで雰囲気が、がらっと変わってきますね。
(P)
集中して、原稿に近づけて描くのですが、あとで、遠くから見ると比率があっていなくて、気にいらないこともあります。
~完成~

(S)
パク・ソヒ先生、ありがとうございました。さっそく、これが北九州漫画ミュージアムの展示品となります(笑)。
まんが王国の日本、へたをすると、あまりにも作品の数が多すぎて、時が経つと忘れてしまうことがあります。日本のまんがは、世界に広がっていますが、逆に世界のまんがのことを日本では知っていなかったりします。まんが王国というには、世界のまんがのことを知ることも必要。そういう漫画ミュージアムがあったらいいなとおもいます。まんが文化により、日本人の生活感覚も見えてくるのではないかとおもいます。私たちのアイデンティティをまんがの中に見ることができるのかなとおもいます。先生もまんがを読むのがお好きだとおもうのですけど、好きな日本のまんが、何かありますか?
(P)
もしかすると好みが偏っているのかなあという気もするのですが、私、怖いもの、ホラーものが好きでして、伊藤潤二さんを尊敬して、好きです。コレクションを全て持っているので、その中で、「うずまき」とかも好きですし、映画も見ましたし、伊藤潤二さんの恐怖とか、恐怖の表現の方法とか、とても好きです。あと、日本の方も知ってらっしゃる方もいるとおもうのですけれども、うすた京介の「すごいよ!!マサルさん」というギャグの作品があるんですけど、そのギャグの描き方とかがとても好きなので、よく見ています。あと少女まんがの女性向けに魚喃キリコ(なななんきりこ)さんの「ストロベリーショートケーキ」や、小野塚カホリさんの作品も好きです。影響を受けたまんがについてなんですけど、私、大学時代のときは、コミックものの少女まんがを主に描いていたのですけれども、あるときに上條淳士の「SEX」というまんがを見ました。まんがというのはそれまで、ギャグ中心だったのですけれど、そのまんがを見たら、とても映画みたいな演出をしてあって、今まで書いたものと違う、まじめな感じの演出、印象深い演出があったので、自分の作品の中でも、そんな演出ができるのかなあとおもいました。
(S)
韓国のまんがで好きだったり、影響を受けたまんがはありますか?
(P)
自分の人生の中で衝撃を与え、印象深かったのは、カン・キョンオという韓国の少女漫画家です。「星の光の中へ」という作品があります。昔、学生のときに読んだのですけど、そのときももちろん読みましたし、今もずっと読み返してみるたびに、ショックを受けて影響を受けながら、好きな作家であります。
(S)
「星の光の中で」は韓国では大変、有名で、地球の女の子、SFなんですけど、ある星の王女さまだったということが分かり、そして、その星に戻って、自分の命をかけて、星を救うという自分の生まれ持った運命から、何をして生きるべきなのか、あるいは、私とは何者なのか、アイデンティティと社会のかかわり方というのを描いた、大変心理描写のうまい作家さんです。
韓国のまんがの話ですが、私も韓国のまんがを読み始めたのが、「東アジアMANGA原画展」という1996年に日本で、アジアのまんがの原画展がありました。いわき市で最初に実施したものが、福岡にも来まして、それを見に行ったのがきっかけでした。これで、韓国のまんがの原画を見て、どんな先生たちがいっらしゃるのだろう、その後、韓国に行って、その先生たちのリストを持って、その先生のまんがが欲しいと言って、今の、カン・キョンオ先生のまんがも買ったわけです。それから、韓国語はまだ読めなかったわけですけど、まんがを読むために韓国語を勉強し、辞書を引きながらまんがを読んでいますので、いちいち忘れてしまうものですから、とにかく、書き込まないとまずいとおもい、訳しながらはじめていったというのがきっかけでした。
それから、まんがを読み始めてから10年たったときに、本当にパク・ソヒ先生の「らぶきょん」を訳すことができまして、これって、今、18巻まで出ていますけど、これ次の号、19巻になるのを必死になって訳しているのですけど、もともとハングルで書いてあるセリフの上に、ポストイットでセリフをつけています。

パク・ソヒ先生、ありがとうございました。さっそく、これが北九州漫画ミュージアムの展示品となります(笑)。
まんが王国の日本、へたをすると、あまりにも作品の数が多すぎて、時が経つと忘れてしまうことがあります。日本のまんがは、世界に広がっていますが、逆に世界のまんがのことを日本では知っていなかったりします。まんが王国というには、世界のまんがのことを知ることも必要。そういう漫画ミュージアムがあったらいいなとおもいます。まんが文化により、日本人の生活感覚も見えてくるのではないかとおもいます。私たちのアイデンティティをまんがの中に見ることができるのかなとおもいます。先生もまんがを読むのがお好きだとおもうのですけど、好きな日本のまんが、何かありますか?
(P)
もしかすると好みが偏っているのかなあという気もするのですが、私、怖いもの、ホラーものが好きでして、伊藤潤二さんを尊敬して、好きです。コレクションを全て持っているので、その中で、「うずまき」とかも好きですし、映画も見ましたし、伊藤潤二さんの恐怖とか、恐怖の表現の方法とか、とても好きです。あと、日本の方も知ってらっしゃる方もいるとおもうのですけれども、うすた京介の「すごいよ!!マサルさん」というギャグの作品があるんですけど、そのギャグの描き方とかがとても好きなので、よく見ています。あと少女まんがの女性向けに魚喃キリコ(なななんきりこ)さんの「ストロベリーショートケーキ」や、小野塚カホリさんの作品も好きです。影響を受けたまんがについてなんですけど、私、大学時代のときは、コミックものの少女まんがを主に描いていたのですけれども、あるときに上條淳士の「SEX」というまんがを見ました。まんがというのはそれまで、ギャグ中心だったのですけれど、そのまんがを見たら、とても映画みたいな演出をしてあって、今まで書いたものと違う、まじめな感じの演出、印象深い演出があったので、自分の作品の中でも、そんな演出ができるのかなあとおもいました。
(S)
韓国のまんがで好きだったり、影響を受けたまんがはありますか?
(P)
自分の人生の中で衝撃を与え、印象深かったのは、カン・キョンオという韓国の少女漫画家です。「星の光の中へ」という作品があります。昔、学生のときに読んだのですけど、そのときももちろん読みましたし、今もずっと読み返してみるたびに、ショックを受けて影響を受けながら、好きな作家であります。
(S)
「星の光の中で」は韓国では大変、有名で、地球の女の子、SFなんですけど、ある星の王女さまだったということが分かり、そして、その星に戻って、自分の命をかけて、星を救うという自分の生まれ持った運命から、何をして生きるべきなのか、あるいは、私とは何者なのか、アイデンティティと社会のかかわり方というのを描いた、大変心理描写のうまい作家さんです。
韓国のまんがの話ですが、私も韓国のまんがを読み始めたのが、「東アジアMANGA原画展」という1996年に日本で、アジアのまんがの原画展がありました。いわき市で最初に実施したものが、福岡にも来まして、それを見に行ったのがきっかけでした。これで、韓国のまんがの原画を見て、どんな先生たちがいっらしゃるのだろう、その後、韓国に行って、その先生たちのリストを持って、その先生のまんがが欲しいと言って、今の、カン・キョンオ先生のまんがも買ったわけです。それから、韓国語はまだ読めなかったわけですけど、まんがを読むために韓国語を勉強し、辞書を引きながらまんがを読んでいますので、いちいち忘れてしまうものですから、とにかく、書き込まないとまずいとおもい、訳しながらはじめていったというのがきっかけでした。
それから、まんがを読み始めてから10年たったときに、本当にパク・ソヒ先生の「らぶきょん」を訳すことができまして、これって、今、18巻まで出ていますけど、これ次の号、19巻になるのを必死になって訳しているのですけど、もともとハングルで書いてあるセリフの上に、ポストイットでセリフをつけています。

違うなあとおもうとはがして、新しいセリフを入れています。韓国の少女まんが、こうやって、日本と似てる、読みやすいといわれる方が多いです。それは、日本の昔の漫画家の先生たちの影響をうけているわけですね。それは、今の日本の漫画家の先生たちも同じだとおもいます。昔からの何十年もの日本のまんがの伝統の上に、描き、それがまた伝統になっていくような、韓国の先生たちも日本と韓国の両方の影響を受けながら、素晴らしいものをつくっていく、日本式のまんがというのは、アメリカのまんがとか、フランスのコミックとは違うのですが、韓国の方々は、日本のまんがの形式のまんが、スーパーマンとか、スヌーピーとかではなくて、こういうタイプのストーリーまんがが分かる、共感ができるというような、文化を感じることが多いのかなとおもいます。
縦スクロールのまんがというのも出てきていまして、最近では、インターネットの時代になりましたので、パソコンでまんがを見るということで、パソコンでいままでのようなものを見ると疲れていきますので、現代では、インターネットでまんがを公開しているのですが、マウスを縦スクロールをしていくと絵巻のようになっている。ものすごく長いです。韓国のまんがの新しい可能性です。これが日本ならどうなるのだろうと、興味深いです。まんがの世界の可能性というものを感じています。日本を舞台にしたまんがを描かれる予定はありませんか?
(P)
昔、考えたストーリーもあるんですけど、日本を背景にしたものも描きたいですし、違うものもいっぱい描きたいんですけど、ちょっと昔に考えていたストーリーがあるので、ちょっとだけご紹介します。まず、主人公がいます。主人公には亡くなったおばあさんがいるのですけど、その祖母あてに、日本から1通、手紙が来ます。もう亡くなっているので、どんな手紙なのかなと考えながら、日本でそのおばあさんの過去、何があったのか、そういう過去をたどりながら、日本に行ってみるような、そういうストーリーをいつか書きたいなあともおもっています。
(S)
日本が出てくる作品、期待が持てます。ほかにも、どういった作品が描きたいのいうのがあれば、おっしゃっていただけますか?
(P)
もちろん長編まんがも好きなのですけど、短編まんがもとても好きなのです。たとえば、長めのまんがだったら、中世を背景にしたものだとか、または、本当に現代を背景にしたもの、古典なども書いてみたいとおもいます。でも、先ほど言ったように、短編についても関心が多くて、多様な主題について描いてみたいとおもいます。そのなかでも、すごく一つ、描いてみたいとおもっているまんががあるのですけど、それは、年老いた方を主人公にしたまんがを描いてみたいです。なぜなら、昔、祖母の看病をしたことがあるのですけど、そのときおもったのが、人は誰もが年をとっていくわけですけど、そのときに、だれもが病気がちになることもあるとおもいます。そのとき、何を考えるのかとか、私が年老いたら、何がどうなるのかとか、そういったことについては、一度、ゆっくり、考えて描いてみたいとおもいます。
(S)
意外な構想が出てきました。確かに、昔描かれた「井戸」という短編作品は、ヒロインは女子大学生ぐらいなのですけれども、亡くなったボーイフレンドの田舎のおばあちゃんの家に遊びに行くのですね。おばあちゃんに対して、孫のように孝行するのですけど、そのとき、おばあちゃんの雰囲気というのが、とても、私には記憶に残っています。それから、「あざ」というのがあるのですが、どんな話なのかなあとおもったら、シングルマザーというのが主人公なのですけれど、4つになる自閉症の女の子を育てていくんですね。そういうお話を描かれている、パク・ソヒ先生が扱う題材、「らぶきょん」も実際、もし、王室が残っていたら、今、ドラマになって、ふんふんとおもっていますけど、その当時は、誰も考えつかなかったような設定でした。ですから、これからも、みんな私たちを驚かせてくださる、いいまんがを描いてくださるとおもいます。
最後に北九州にいらっしゃいまして、北九州についての印象とか、お感じになったことはありますか?
(P)
まず、来る前に北九州はエコ・シティだということを聞いてきました。実際来てみたら、とても空気が綺麗で、快適に過ごすことができるのだなあとおもって、良いところだなあとおもいました。あと、ここでこういったフォーラムが開かれたときに、こんなに皆さんが来てくださってるということは、やっぱり、まんがについて、それも韓国や海外のまんがについて感心を持ってくださる方が北九州には、いっぱいいらっしゃるなあということが分かって、感動しました。北九州には、漫画ミュージアムが出来るということを聞きました。ということは北九州というところは、まんがに関心がある方たちがとてもいっぱいいらっしゃるところなのではないかとおもって、まんがに情熱を持った人たちが、いらっしゃるところとして、印象深く残っています。北九州の市民のみなさまが、日本の漫画家、韓国の漫画家というのが交流できる場というのを作ってくださっているということを信じながら、ここに来てくださったみなさまに感謝のことばを申し上げたいとおもいます。ありがとうございます。
(S)
北九州は環境にとても力を入れていらっしゃるということで、韓国からも視察に訪れていることを聞いています。まんがに対しても、韓国に富川と言いまして、ソウルの近くにまんが都市があるのですね。バス停のキャラクターも、ひとつひとつまんがのキャラクターが使われているような、まんが博物館がある町です。まんがによって、私たち、20世紀、21世紀の人たちの暮らしというもの、それから、想いというものが、残されていくのではないのかなあと。北九州がまんがの拠点となって、これからたくさんの人が訪れる町になるのはないかなあと、とても感じさせられました。今日は、パク・ソヒ先生、ソウルからありがとうございました。また、この次、北九州にいらしてください。そして、まんがミュージアムができたときには、ぜひ、いらしてください。それが、日本の漫画家の先生たちとの交流かもしれませんし、あるいは、パク・ソヒ先生とこどもたちとの漫画教室かもしれませんし、ぜひ、北九州にいらして、韓国のまんがの風を入れていただいて、そして、日本のまんがの風も伝えていただけたらとおもいます。
今日は、本当にありがとうございました。
縦スクロールのまんがというのも出てきていまして、最近では、インターネットの時代になりましたので、パソコンでまんがを見るということで、パソコンでいままでのようなものを見ると疲れていきますので、現代では、インターネットでまんがを公開しているのですが、マウスを縦スクロールをしていくと絵巻のようになっている。ものすごく長いです。韓国のまんがの新しい可能性です。これが日本ならどうなるのだろうと、興味深いです。まんがの世界の可能性というものを感じています。日本を舞台にしたまんがを描かれる予定はありませんか?
(P)
昔、考えたストーリーもあるんですけど、日本を背景にしたものも描きたいですし、違うものもいっぱい描きたいんですけど、ちょっと昔に考えていたストーリーがあるので、ちょっとだけご紹介します。まず、主人公がいます。主人公には亡くなったおばあさんがいるのですけど、その祖母あてに、日本から1通、手紙が来ます。もう亡くなっているので、どんな手紙なのかなと考えながら、日本でそのおばあさんの過去、何があったのか、そういう過去をたどりながら、日本に行ってみるような、そういうストーリーをいつか書きたいなあともおもっています。
(S)
日本が出てくる作品、期待が持てます。ほかにも、どういった作品が描きたいのいうのがあれば、おっしゃっていただけますか?
(P)
もちろん長編まんがも好きなのですけど、短編まんがもとても好きなのです。たとえば、長めのまんがだったら、中世を背景にしたものだとか、または、本当に現代を背景にしたもの、古典なども書いてみたいとおもいます。でも、先ほど言ったように、短編についても関心が多くて、多様な主題について描いてみたいとおもいます。そのなかでも、すごく一つ、描いてみたいとおもっているまんががあるのですけど、それは、年老いた方を主人公にしたまんがを描いてみたいです。なぜなら、昔、祖母の看病をしたことがあるのですけど、そのときおもったのが、人は誰もが年をとっていくわけですけど、そのときに、だれもが病気がちになることもあるとおもいます。そのとき、何を考えるのかとか、私が年老いたら、何がどうなるのかとか、そういったことについては、一度、ゆっくり、考えて描いてみたいとおもいます。
(S)
意外な構想が出てきました。確かに、昔描かれた「井戸」という短編作品は、ヒロインは女子大学生ぐらいなのですけれども、亡くなったボーイフレンドの田舎のおばあちゃんの家に遊びに行くのですね。おばあちゃんに対して、孫のように孝行するのですけど、そのとき、おばあちゃんの雰囲気というのが、とても、私には記憶に残っています。それから、「あざ」というのがあるのですが、どんな話なのかなあとおもったら、シングルマザーというのが主人公なのですけれど、4つになる自閉症の女の子を育てていくんですね。そういうお話を描かれている、パク・ソヒ先生が扱う題材、「らぶきょん」も実際、もし、王室が残っていたら、今、ドラマになって、ふんふんとおもっていますけど、その当時は、誰も考えつかなかったような設定でした。ですから、これからも、みんな私たちを驚かせてくださる、いいまんがを描いてくださるとおもいます。
最後に北九州にいらっしゃいまして、北九州についての印象とか、お感じになったことはありますか?
(P)
まず、来る前に北九州はエコ・シティだということを聞いてきました。実際来てみたら、とても空気が綺麗で、快適に過ごすことができるのだなあとおもって、良いところだなあとおもいました。あと、ここでこういったフォーラムが開かれたときに、こんなに皆さんが来てくださってるということは、やっぱり、まんがについて、それも韓国や海外のまんがについて感心を持ってくださる方が北九州には、いっぱいいらっしゃるなあということが分かって、感動しました。北九州には、漫画ミュージアムが出来るということを聞きました。ということは北九州というところは、まんがに関心がある方たちがとてもいっぱいいらっしゃるところなのではないかとおもって、まんがに情熱を持った人たちが、いらっしゃるところとして、印象深く残っています。北九州の市民のみなさまが、日本の漫画家、韓国の漫画家というのが交流できる場というのを作ってくださっているということを信じながら、ここに来てくださったみなさまに感謝のことばを申し上げたいとおもいます。ありがとうございます。
(S)
北九州は環境にとても力を入れていらっしゃるということで、韓国からも視察に訪れていることを聞いています。まんがに対しても、韓国に富川と言いまして、ソウルの近くにまんが都市があるのですね。バス停のキャラクターも、ひとつひとつまんがのキャラクターが使われているような、まんが博物館がある町です。まんがによって、私たち、20世紀、21世紀の人たちの暮らしというもの、それから、想いというものが、残されていくのではないのかなあと。北九州がまんがの拠点となって、これからたくさんの人が訪れる町になるのはないかなあと、とても感じさせられました。今日は、パク・ソヒ先生、ソウルからありがとうございました。また、この次、北九州にいらしてください。そして、まんがミュージアムができたときには、ぜひ、いらしてください。それが、日本の漫画家の先生たちとの交流かもしれませんし、あるいは、パク・ソヒ先生とこどもたちとの漫画教室かもしれませんし、ぜひ、北九州にいらして、韓国のまんがの風を入れていただいて、そして、日本のまんがの風も伝えていただけたらとおもいます。
今日は、本当にありがとうございました。
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