まんがイベント「韓国まんが文化と交流」 ~「宮」(らぶきょん)のパク・ソヒ先生来福!開催レポート!!~ (7/8)
パク・ソヒ先生トークショー 前半

(司会)
それでは、これからの時間は、第2部パク・ソヒ先生のトークショーをお楽しみ頂きます。最初にコーディネーターの佐島顕子先生をご紹介いたします。佐島先生は、福岡女学院大学現代文化学科准教授で日本史・日韓関係史を専門とし、また漫画・音楽などの日韓若者文化交流も専門としています。「宮」の日本語版「らぶきょん~LOVE in 景福宮」(新書館) において翻訳業務に携わっておられます。続きまして漫画家のパク・ソヒ先生をご紹介します。パク・ソヒ先生は、1978年生まれ。公州文化大学漫画芸術科卒。デビュー作「霊魂の結婚式」でソウル文化社新人漫画大賞受賞。大韓民国漫画大賞人気賞を2003年度から3年連続受賞。2002年より「宮」を連載。同作品は、ドラマ化され、人気を博しています。本日の通訳は日本漫画学会九州まんが交流部会の会員で九州大学大学院の金慈恵さんにお願いしています。これからの進行は、福岡女学院大学現代文化学科准教授の 佐島顕子先生にお願いいたします。では、佐島先生お願いします。
(佐島先生、以下S)
ただいまご紹介にあずかりました佐島顕子です。どうぞ、よろしくお願いします。

それでは、これからの時間は、第2部パク・ソヒ先生のトークショーをお楽しみ頂きます。最初にコーディネーターの佐島顕子先生をご紹介いたします。佐島先生は、福岡女学院大学現代文化学科准教授で日本史・日韓関係史を専門とし、また漫画・音楽などの日韓若者文化交流も専門としています。「宮」の日本語版「らぶきょん~LOVE in 景福宮」(新書館) において翻訳業務に携わっておられます。続きまして漫画家のパク・ソヒ先生をご紹介します。パク・ソヒ先生は、1978年生まれ。公州文化大学漫画芸術科卒。デビュー作「霊魂の結婚式」でソウル文化社新人漫画大賞受賞。大韓民国漫画大賞人気賞を2003年度から3年連続受賞。2002年より「宮」を連載。同作品は、ドラマ化され、人気を博しています。本日の通訳は日本漫画学会九州まんが交流部会の会員で九州大学大学院の金慈恵さんにお願いしています。これからの進行は、福岡女学院大学現代文化学科准教授の 佐島顕子先生にお願いいたします。では、佐島先生お願いします。
(佐島先生、以下S)
ただいまご紹介にあずかりました佐島顕子です。どうぞ、よろしくお願いします。

今日、北九州にパク・ソヒ先生をお迎えできまして、本当にうれしくおもっております。パク・ソヒ先生は、「ナイン」という少女まんが雑誌ですけれども、少しマニア向けの本当にまんがが好きな人達が読むような雑誌でデビューされました。「宮(らぶきょん)」の前には、個性的な作品を描かれていたのですけれども、「らぶきょん」でみんなが楽しめるような作品を発表されました。これは、パク・ソヒ先生の自画像なんですけれどもまんがのあとがきですね。


日本の東京に旅行にいらっしゃった時のことを書いていらっしゃるのですけれど、ご自分の姿とここにいらっしゃるかたと、ものすごく違いまして、すごくかわいくて、素敵な方だなとおもいました。「らぶきょん」という作品ですけれども、もともとはドラマの「宮」ということで日本でもよく知られていますが、本当は「宮」というタイトルでパク・ソヒ先生が描かれたまんがなのです。それが、日本に翻訳紹介されるときに、まだドラマ化されてなかったのです。それで、「宮」という王宮の「宮」だけでは、よく分からないので、景福宮(キョンボックン)という、そこにおける「Love」ということで、「ラブ イン キョンボックン」という名前を日本版でつけました。これが、海外で翻訳されるときには、パレス・ストーリーというような場合もあります。その後、ドラマが来たときには、ドラマでは、そのまま「宮」にしましたので、日本では、2つの名前がある作品ということになります。
この作品、普通の女子高生が、同級生の皇太子と政略結婚させられてしまって、普通の女の子が伝統の格式のしきたりの王室に入りまして、引き起こす場違いコメディなのですけれども、それが、やがて、皇太子と気持ちが通じていくわけです。そして、ドラマは、原作のまんがが13巻位のときに終わりましたので、そのころ、ハッピー・エンドを迎えてますけど、まんがは現在、18巻まで続いています。現在、気持ちが通じあったヒロインと皇太子なのですけれども、今度は政略離婚させられてしまいまして、王子様は王宮の中、ヒロインは外、お互い会えない中で、お互いへの気持ちを信じて、また心を結び合わせていこうというところが、今の見所です。まんがで描かれました王宮を現在、ソウルで訪ねて行くことができまして、ドラマで結婚式をあげたウニョン宮、それから二人が住んだ洋館、というのも仁寺洞の近くにありまして、見ることができます。
それで、パク・ソヒ先生にみなさまからあらかじめいただいていた御質問を先生にうかがいたいとおもいます。ドラマを見ていて、韓国の女の子のおしゃれについて気になるのですが、特にチェギョンが制服の下にジャージをはいているんですよね、ドラマでは。あれが気になるのですがという話がありましたが、いかがでしょうか?
(パク・ソヒ先生、以下P)
私が学生のときもチェギョンと同じように制服の下にジャージを着ていました。というのは、韓国は冬になると、とても寒いのですね。当時は、暖房もよくなかったので、ジャージを着て温かくしていました。勉強しているときに足の指先まで凍るような寒さなので、ジャージを着ていたのですけど、じつはこれはいいことではなくて、先生に見つかると怒られたりしていました。

この作品、普通の女子高生が、同級生の皇太子と政略結婚させられてしまって、普通の女の子が伝統の格式のしきたりの王室に入りまして、引き起こす場違いコメディなのですけれども、それが、やがて、皇太子と気持ちが通じていくわけです。そして、ドラマは、原作のまんがが13巻位のときに終わりましたので、そのころ、ハッピー・エンドを迎えてますけど、まんがは現在、18巻まで続いています。現在、気持ちが通じあったヒロインと皇太子なのですけれども、今度は政略離婚させられてしまいまして、王子様は王宮の中、ヒロインは外、お互い会えない中で、お互いへの気持ちを信じて、また心を結び合わせていこうというところが、今の見所です。まんがで描かれました王宮を現在、ソウルで訪ねて行くことができまして、ドラマで結婚式をあげたウニョン宮、それから二人が住んだ洋館、というのも仁寺洞の近くにありまして、見ることができます。
それで、パク・ソヒ先生にみなさまからあらかじめいただいていた御質問を先生にうかがいたいとおもいます。ドラマを見ていて、韓国の女の子のおしゃれについて気になるのですが、特にチェギョンが制服の下にジャージをはいているんですよね、ドラマでは。あれが気になるのですがという話がありましたが、いかがでしょうか?
(パク・ソヒ先生、以下P)
私が学生のときもチェギョンと同じように制服の下にジャージを着ていました。というのは、韓国は冬になると、とても寒いのですね。当時は、暖房もよくなかったので、ジャージを着て温かくしていました。勉強しているときに足の指先まで凍るような寒さなので、ジャージを着ていたのですけど、じつはこれはいいことではなくて、先生に見つかると怒られたりしていました。

(S)
そうだったんですか。チェギョンはドラマでもチマチョゴリではなくて、現代風なドレスを着ていますよね。でも、どこかにチマチョゴリの雰囲気が残る、それも大変面白いなあとおもいました。もともとは原作でパク・ソヒ先生が、伝統衣装の皇太子妃を描いてもいいはずなのに、チェギョンに伝統と現代が合わさった衣装を着せた、それがドラマで使われたという感じです。そして、そのドレスが、ドラマ放送後に、韓国で非常に流行りまして、当時の卒業式のときには、みんなそのドレスを着ていたというのを見たことがあります。そういうような、私が今着ているのも簡単なチマチョゴリなのですけれども、現代と伝統とを融合させる、それは今の私たち、現代人のアイデンティティの問題なのかもしれないなとおもいます。伝統をいかしながら現代を生きていく、そういうようなドレスを考えついた、きっかけとか、発想とかあるのでしょうか?
(P)
チェギョンはもともとは宮廷の外にいる、普通の女の子として暮らしていました。王宮の中では、昔ながらの伝統衣装ももちろん着ています。でも、この子は外から来た普通の子なので、本当に昔ながらのものを着ているのではなく、何かちょっと違う、現代が混ざっているものを着せることによって差別化でき、違う子という印象を出すためにも着せました。もともとはこの衣装を描くために伝統衣装というのを勉強していて、最初のうちは伝統衣装を中心に出ていたと思います。でも、伝統衣装だけでなく、ファッション・ショーなどを見ながら、伝統衣装と現代をまぜるということを勉強しながら、いろんな形の伝統衣装を表現していきました。
(S)
「らぶきょん」の魅力になったわけですね。今、韓国といえば、女の子のおしゃれが気になります。BBクリームが日本ではお土産で人気なのですけれども、本当に韓国で流行っているのですか?
(P)
BBクリームはもちろん韓国で流行っていたのですけれど、1,2年前のことで、今は、ヌードメイクといって、自然な感じのする化粧が流行っています。
(S)
ショッキングな報告でした。みんながBBクリームを買って帰っているのに。パク・ソヒ先生の使ってらっしゃる、あるいは推薦のコスメとかあるのでしょうか?
(P)
基礎メイクはみなさんなさっているとおもうんですけれども、私、顔をそんなにいじるほうではないのですが、ちょっと顔が白い、蒼白に見えるときがあるので、そういった場合はチークを入れたりします。そのとき使うのは、キャシーキャットという化粧品を使ったりします。
(S)
キャシーキャットといって、韓国では、ケシケットと発音します。ケシケというと通じます。私も、じつは、ファンデーションを持っています。すごく、使いやすいです。つづいて、好きな食べ物は何かありますか?
(P)
サムギョプサルがとても好きです。あと、締め切りに追われているときは、時間が無くて料理ができないので、ファーストフードを食べています。あと好きなのが、テンジャンチゲです。さっきのテンジャンチゲの話なのですけど、サムギョプサルの店のテンジャンチゲがとてもおいしんですね。それが食べたくて、自分で作ってみても同じ味が自分で作ったら出なくて、インターネットでいろいろ探してみるとブログで、焼肉屋のテンジャンチゲのレシピを探し出すことができました。インターネットのレシピどおりに作ろうとおもったら、味噌と水さえあれば出来るとおもっていたのですけれども、味噌をつくるレシピを見てみますと、味噌と豆の粉末とか、小麦粉とか、にんにくとか、さまざまな材料が必要で驚きました。一生懸命作って、味噌を一回で大量につくっておいて、保存用に置いておきました。すごい期待をして、これで、焼肉屋さんの味が出来るとおもいながら作ってみました。作ったらおもっているほど美味しくなくて、ショックでした。重要なのは、材料ではなくて、作っている人が重要なのかなあとおもいました。
(S)
ありがとうございました。さきほど、締め切りの話がでましたけれども、締め切りが終わったら、どんなことをなさいますか?つぎの締め切りまでどんなスケジュールか教えていただけますか?
(P)
焼肉がとても大好きなので、締め切りを終わらせたら、友達とすぐ、焼肉屋に走ります。いっぱい食べた後に、映画を見たり、本を読んだり、インターネットをしたり、日常生活をしています。また、フィギュアスケートが大好きなので、ちょっと時間があるときに、インターネットで動画を探して見たりもします。
それから原稿ですが、全体の骨組みがあるので骨組みを整理します。たとえば、24ページ分のストーリーがあると、そのストーリーを書き出しながら、どういうことをするのか、だれがなにをするのかということを書き出します。書き出したストーリーをもとに、24ページのコンテを書きます。絵とセリフをあわせるのですけど、詳細まで書くというわけではなく、だいたいどういう配置をするかは決めます。コンテをもとに、原稿を横に置いていながら、まず、枠組みだけを書いて、デッサンをはりつけます。ペン入れをするのですけど、最初は人物だけをしておきます。それから、アシスタントに電話をして、早く来てくださいと言います。(笑)アシスタントが来たら、一緒に背景、詳細を描いたり、スクリーントーンを描いたりして、作業をします。すべてを書いてから、消しゴムで鉛筆の線を消すのなど、終わらせてから、私がセリフを入れて、直接書きます。
(S)
ありがとうございました。アシスタントさんたちがいらしてから、何日ぐらいかかりますか?
(P)
アシスタントが来てから2,3日中には終わります。
(S)
その間、寝てらっしゃいますか?
(P)
2,3日のうち、1日ぐらいは寝ますが、あとは徹夜です。
(S)
大変ですよね。なぜ、そこまでできるのですか?
(P)
私が好きな仕事だからできるということが一番大きいと思います。また、自分が任された仕事ということなので、終わらせるということでもあります。ときどき、コンディションが本当に悪いときは、締め切り間近になっても、完成した原稿を本当に遅れるんだろうかと、送ってもいいのだろうかと迷うときもあります。まずは、完成させておいたけど、自分から見て完成したレベルに達していない、だから、こういったものは出したくないとおもって、その原稿を持って逃げたいというときもたくさんあります。自分が満足のいかない、原稿を持って逃げようとおもうときもありますけれど、それを出して、読者のみなさまに怒られるというのが、とおもいながら、待っている読者さんへのおもいを果たしながら、なければならないとおもっています。何かを待ってくださる読者さんがいらっしゃるということ、また、原稿を終わらせたときの自分の満足感、良く出来たというときのうれしさ、自分のまんがを読んで読者の声援が聞こえたとき、こういったものが少しずつ重なって、私の原動力になっているのではないかとおもっています。
(S)
ありがとうございました。読者の方への責任感。みなさんのおかげで「らぶきょん」が18巻まで進んできているのだなあと、実感します。絵のお話がありましたが、絵のお話に移りたいのですが、絵をかかれるとき、どんなところから書かれるのか、どこに力をいれるのか、気になるのですけれども、いかがでしょうか?
(P)
まずは、顔の輪郭から書くんですけれども、顔の輪郭を描いて、頭のヘアスタイルを描いて、あと体の全体を描き、腕を描いて、足を描きます。あるときは、目、鼻、口を先に書いたとのち、塗る場合もあるのですけど、もっと重要な表現とか、とても大切な場面のときは、目とか鼻とかの位置だけを決めておいて、すべてを描き終わったあとに、目と鼻と口に集中して、あとから描くこともあります。
そうだったんですか。チェギョンはドラマでもチマチョゴリではなくて、現代風なドレスを着ていますよね。でも、どこかにチマチョゴリの雰囲気が残る、それも大変面白いなあとおもいました。もともとは原作でパク・ソヒ先生が、伝統衣装の皇太子妃を描いてもいいはずなのに、チェギョンに伝統と現代が合わさった衣装を着せた、それがドラマで使われたという感じです。そして、そのドレスが、ドラマ放送後に、韓国で非常に流行りまして、当時の卒業式のときには、みんなそのドレスを着ていたというのを見たことがあります。そういうような、私が今着ているのも簡単なチマチョゴリなのですけれども、現代と伝統とを融合させる、それは今の私たち、現代人のアイデンティティの問題なのかもしれないなとおもいます。伝統をいかしながら現代を生きていく、そういうようなドレスを考えついた、きっかけとか、発想とかあるのでしょうか?
(P)
チェギョンはもともとは宮廷の外にいる、普通の女の子として暮らしていました。王宮の中では、昔ながらの伝統衣装ももちろん着ています。でも、この子は外から来た普通の子なので、本当に昔ながらのものを着ているのではなく、何かちょっと違う、現代が混ざっているものを着せることによって差別化でき、違う子という印象を出すためにも着せました。もともとはこの衣装を描くために伝統衣装というのを勉強していて、最初のうちは伝統衣装を中心に出ていたと思います。でも、伝統衣装だけでなく、ファッション・ショーなどを見ながら、伝統衣装と現代をまぜるということを勉強しながら、いろんな形の伝統衣装を表現していきました。
(S)
「らぶきょん」の魅力になったわけですね。今、韓国といえば、女の子のおしゃれが気になります。BBクリームが日本ではお土産で人気なのですけれども、本当に韓国で流行っているのですか?
(P)
BBクリームはもちろん韓国で流行っていたのですけれど、1,2年前のことで、今は、ヌードメイクといって、自然な感じのする化粧が流行っています。
(S)
ショッキングな報告でした。みんながBBクリームを買って帰っているのに。パク・ソヒ先生の使ってらっしゃる、あるいは推薦のコスメとかあるのでしょうか?
(P)
基礎メイクはみなさんなさっているとおもうんですけれども、私、顔をそんなにいじるほうではないのですが、ちょっと顔が白い、蒼白に見えるときがあるので、そういった場合はチークを入れたりします。そのとき使うのは、キャシーキャットという化粧品を使ったりします。
(S)
キャシーキャットといって、韓国では、ケシケットと発音します。ケシケというと通じます。私も、じつは、ファンデーションを持っています。すごく、使いやすいです。つづいて、好きな食べ物は何かありますか?
(P)
サムギョプサルがとても好きです。あと、締め切りに追われているときは、時間が無くて料理ができないので、ファーストフードを食べています。あと好きなのが、テンジャンチゲです。さっきのテンジャンチゲの話なのですけど、サムギョプサルの店のテンジャンチゲがとてもおいしんですね。それが食べたくて、自分で作ってみても同じ味が自分で作ったら出なくて、インターネットでいろいろ探してみるとブログで、焼肉屋のテンジャンチゲのレシピを探し出すことができました。インターネットのレシピどおりに作ろうとおもったら、味噌と水さえあれば出来るとおもっていたのですけれども、味噌をつくるレシピを見てみますと、味噌と豆の粉末とか、小麦粉とか、にんにくとか、さまざまな材料が必要で驚きました。一生懸命作って、味噌を一回で大量につくっておいて、保存用に置いておきました。すごい期待をして、これで、焼肉屋さんの味が出来るとおもいながら作ってみました。作ったらおもっているほど美味しくなくて、ショックでした。重要なのは、材料ではなくて、作っている人が重要なのかなあとおもいました。
(S)
ありがとうございました。さきほど、締め切りの話がでましたけれども、締め切りが終わったら、どんなことをなさいますか?つぎの締め切りまでどんなスケジュールか教えていただけますか?
(P)
焼肉がとても大好きなので、締め切りを終わらせたら、友達とすぐ、焼肉屋に走ります。いっぱい食べた後に、映画を見たり、本を読んだり、インターネットをしたり、日常生活をしています。また、フィギュアスケートが大好きなので、ちょっと時間があるときに、インターネットで動画を探して見たりもします。
それから原稿ですが、全体の骨組みがあるので骨組みを整理します。たとえば、24ページ分のストーリーがあると、そのストーリーを書き出しながら、どういうことをするのか、だれがなにをするのかということを書き出します。書き出したストーリーをもとに、24ページのコンテを書きます。絵とセリフをあわせるのですけど、詳細まで書くというわけではなく、だいたいどういう配置をするかは決めます。コンテをもとに、原稿を横に置いていながら、まず、枠組みだけを書いて、デッサンをはりつけます。ペン入れをするのですけど、最初は人物だけをしておきます。それから、アシスタントに電話をして、早く来てくださいと言います。(笑)アシスタントが来たら、一緒に背景、詳細を描いたり、スクリーントーンを描いたりして、作業をします。すべてを書いてから、消しゴムで鉛筆の線を消すのなど、終わらせてから、私がセリフを入れて、直接書きます。
(S)
ありがとうございました。アシスタントさんたちがいらしてから、何日ぐらいかかりますか?
(P)
アシスタントが来てから2,3日中には終わります。
(S)
その間、寝てらっしゃいますか?
(P)
2,3日のうち、1日ぐらいは寝ますが、あとは徹夜です。
(S)
大変ですよね。なぜ、そこまでできるのですか?
(P)
私が好きな仕事だからできるということが一番大きいと思います。また、自分が任された仕事ということなので、終わらせるということでもあります。ときどき、コンディションが本当に悪いときは、締め切り間近になっても、完成した原稿を本当に遅れるんだろうかと、送ってもいいのだろうかと迷うときもあります。まずは、完成させておいたけど、自分から見て完成したレベルに達していない、だから、こういったものは出したくないとおもって、その原稿を持って逃げたいというときもたくさんあります。自分が満足のいかない、原稿を持って逃げようとおもうときもありますけれど、それを出して、読者のみなさまに怒られるというのが、とおもいながら、待っている読者さんへのおもいを果たしながら、なければならないとおもっています。何かを待ってくださる読者さんがいらっしゃるということ、また、原稿を終わらせたときの自分の満足感、良く出来たというときのうれしさ、自分のまんがを読んで読者の声援が聞こえたとき、こういったものが少しずつ重なって、私の原動力になっているのではないかとおもっています。
(S)
ありがとうございました。読者の方への責任感。みなさんのおかげで「らぶきょん」が18巻まで進んできているのだなあと、実感します。絵のお話がありましたが、絵のお話に移りたいのですが、絵をかかれるとき、どんなところから書かれるのか、どこに力をいれるのか、気になるのですけれども、いかがでしょうか?
(P)
まずは、顔の輪郭から書くんですけれども、顔の輪郭を描いて、頭のヘアスタイルを描いて、あと体の全体を描き、腕を描いて、足を描きます。あるときは、目、鼻、口を先に書いたとのち、塗る場合もあるのですけど、もっと重要な表現とか、とても大切な場面のときは、目とか鼻とかの位置だけを決めておいて、すべてを描き終わったあとに、目と鼻と口に集中して、あとから描くこともあります。