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ぽこた・八王子Pインタビュー(6/7)

    ボーカロイドって表現の制約とかそういうのが一切ないので、本当にクリエーター一人一人思うように世界観を表現できるんですよ。

    ――ボーカロイドの魅力っていうのはどういうところだと思いますか?

    八王子P:もうシンプルに、人間ができないことができる点だと思います。やっぱりソフトなので、それこそ人間が歌えないような高いメロディーでも全然歌いこなせちゃうようなところですかね。人間相手だとたくさん制約があるじゃないですか。ボーカリストさんによって歌えるキーレンジも決まっているし。あと人間だと、歌い手さんの表現する感じと歌詞の世界観が「やっぱちょっとイメージと違うな」と思うこともありますよね。ボーカロイドって表現の制約とかそういうのが一切ないので、本当にクリエーター一人一人思うように世界観を表現できるんですよ。そういう点が本当に魅力の一つだなって思いますね。
    ※曲を試聴するには、ニコニコ動画のアカウントが必要になります。ニコニコ動画が初めての方はコチラ

    ●Newアルバム『ViViD WAVE』より

    ――先程ニコニコ動画に投稿して、横のつながりがいろいろできたということだったんですが、投稿を始めた頃と今のシーンと、変化した部分はありますか?

    八王子P:変化はしていますね。一つは、やはりニコ動自体もマスになったっていうか、有名になったなっていうことですね。生放送なども自分が投稿を始めた当初は結構できてすぐみたいな感じだったけど今じゃかなりされているし、ボカロPも今やもうユーザーは誰でもやっているみたいな状況ですし。あとは単純にボカロのトレンドっていうか、結構時代によって、トレンドみたいなのがあるなとは感じています。それこそ初期の、livetuneのkzさんとかが出てきた頃っていうのは、初音ミクのキャラソンみたいな感じだったんですよね。初音ミクが、「私の歌声で世界に届けるよ」っていう。そういうところからsupercellのryoさんが手がけたメルトとか、あの辺で初音ミクが普通のJ-POPみたいな歌詞を歌うようになって。今じゃ当たり前なんですけど、当時は結構革新的っていうかそういうのが意外となくて大ヒットしましたね。いわゆるキャラソンみたいなところから、結構サウンド重視な感じで内容的には普通のJ-POPみたいになっていって。そしてまたそこから、wowakaさんとか、ハチさんっていうボカロPが、すごいハイスピードな中毒性のある曲をつくって。

    ――ちなみに今はどうなってきている感じでしょうか?

    八王子P:そうですね。今の傾向としては、じん(自然の敵P)さんに代表される、ストーリー調の曲だとか、曲が何曲かあったらそれが全部ストーリーになって繋がっているとか一曲の中でストーリー調になっててそれにPVをつけてもらって世界観を表現するみたいな。あとは、いわゆるwowakaさんとかハチさんが作ったようなハイスピードなサウンドに、世界観を乗せて作るっていうのは結構トレンドだなって感じます。あと最近多いのは中二病的な曲ですかね。やっぱ今のニコ動のメイン層っていうか、見てなおかつニコ動にコメントを書いてくれる人って、データ上なんで本当かどうかは分からないんですけど、ほとんど10代の子たちなんですよね。なので、やっぱり中高生が好きそうな歌詞の内容っていうのは再生数がかなり伸びるなっていう傾向にあるのはすごく感じています。

    でも自分の作る曲がそこと合致しているかというと意外とそうでもなくて。特に「歌ってみた」とかの人気って本当に凄いんですよ。だから「歌ってみた」だったり、カラオケを想定して作るPさんもたくさんいらっしゃるんですけど、自分はやっぱそこは曲げたくないっていうか貫いているところです。さっきも言った通り、ボカロは人間に歌えないメロディーとかが歌えるところ、特に初音ミクはそうだと思うんですけど、そこが魅力だと思うんで、ボカロにしかできない歌を作ろうというところでそこは一つ曲げずに自分は貫いているところですね。

    自分自身ボカロを人間っぽく歌わせようとは一切考えていないんです。

    ――今ボカロの話が出てきたんですけど、楽曲作りの時に特に初音ミクや巡音ルカ、GUMIを特に好んで選んでいるように思うんですが、何か理由はありますか?
    八王子P:そうですねー、単純に好みっていうのが大きいんですけど、やっぱりダントツに使いやすいのは、初音ミクですね。ソフトの使いやすさというよりは、自分の曲と合うからです。初音ミクって、すごいボカロの声なんですよね。今のIAとかGUMIとかって、V3にソフトがバージョンアップしたんですよね。それによって、さらに人間の声に近づいてソフトの性能もかなり上がってっていう感じなんですけど、なんか自分的にはそのボカロ感みたいなのがほしくて。

    自分自身ボカロを人間っぽく歌わせようとは一切考えていないんです。だからボカロを調整する時にも、人間っぽくというよりは、さらにケロらせてロボットヴォイスっぽくしてっていう感じでやっています。そういう点で初音ミクっていうのはザ・ボカロって感じの声をしているので、頻繁に使う傾向があるのかなっていうのはあります。あとこれは人それぞれだと思うんですけど、ボカロに対するイメージみたいなのがあって。例えばルカだったらちょっと大人っぽいイメージがあるから、そういう世界観を持った大人っぽい曲とかに使います。あとボカロも人間と一緒でキーレンジがそれぞれ違うから、ルカだと高い音より低めの音のほうが映えたりするんです。
    hachiP1.jpg
    そういう曲ができたら、ルカに歌ってもらおうかなとか、すごいポップなアイドルソングができたらGUMIに歌ってもらおうとか、そういう部分に関しては人間とあまり変わらないんですよね。ある意味ボカロと比べられると人間のボーカリストさん的にはちょっとあれかもしれないんですけど、ボーカロイドをプロデュースする時も、人間のボーカリストさんをプロデュースさせていただく時も、根本的な考えは変わらないんですよね。ボカロであれば、「初音ミクだったら、この子の得意なところは人間に歌えないメロディーを歌えるところだから、それに特化した曲を作ろう」って考えますし、人間であれば「この人はこのキーとか、ニュアンスがすごくきれいに出るからそれを生かすようなメロディーだったり、歌詞はこういうバックボーンがあるからこういう歌詞にしよう」とか、根本的な考え方は全く一緒ですね。

    ――なるほど。今、プロデューサーとしても活躍されていると思うんですけど、プロデューサーとして関わる難しさとかってありましたか?

    八王子P:音楽友達と生身のボーカル曲はやったことがあったんですけど、ちゃんとした仕事でプロデュースさせてもらったり、ちゃんとしたレコーディングスタジオに入ってディレクションしたりって本当に去年が初めてだったんですね。だから本当に最初はどうしたらいいんだろうってところから始まって、kzさんとか経験ある人に連絡してどうすればいいですか?って聞いてみたりしていました。本当に今でも勉強中というところはあるんですけど、人間その人それぞれによってカラーも違うし音楽的な部分で得意な帯域だったり、あとその人の持ってるバックボーンだったり世界観っていうのもありますよね。そうやって色々考えるようになって、改めてボカロに戻った時に、ボカロの良さというか魅力みたいなのを再確認できたなっていうのはありますね。一回ボカロから離れて、改めてしっかりプロデュースなどをさせていただき、またボカロに帰っていざアルバムを作るってなった時に、いろいろな曲とかもたくさん聴きました。その辺は特に今回リリースしたアルバムとかには反映されているなとは思いますね。

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