マタギキ volume 03 次原悦子氏 & 山崎祥之氏(5/9)
4.SSUの仕事=ニュースをつくる仕事

山崎:我々の仕事はニュースをつくることです。端的にいって面白くなければニュースにならないというのは当たり前。ある情報がニュースになるかどうかのポイントは、読者や視聴者にふさわしい、価値がある情報かどうか、タイミング的に旬かどうかなど様々。いずれにしても、媒体側に「これは今流さなきゃいけない情報だ」というふうに思ってもらえるかどうか、がポイントになります。“こういう出し方をしたら、こういう理屈で世の中にニュースが出て行く”という「情報がニュースになる」メカニズムを知って、逆算してその出し方を考え、自分が伝えたいことをニュースに変換する、これを我々は“PR的発想”と呼んでいます。
15年前、私と次原が一緒に仕事をするきっかけになったプロモーションがありました。ある球団が、開幕前に何か話題を作って欲しいという案件でした。タイミング的には、世の中がJリーグブームで沸いている頃です。球界でも他に話題がたくさんある中、当時あまり地域密着度も注目度も十分でなかった球団に、話題づくりをし、人を集めるためのプロジェクトが組まれ、そこが繰り出したのが「キスしたら入場無料」という企画。
カップル、上司と部下でも、男同士でも、とにかくキスしたら入場無料。アイデア自体、企画会議で誰もが冗談でいいそうなくらいの話ですし、そんな複雑なプロモーションでもないんですけど。むしろ話題づくりのためなら捨て身でここまでやってみようとOKしたクライアントの決断ありきの話ですね。
次原:「キスしたら入場無料になるよ」といったら、まず告知の時点で沢山のメディアが取り上げてくれたんですよね。普段野球をとりあげないような媒体も含めて。そして当日、フタ開けてみたらすごい人で、みんな堂々と恥ずかしげもなくキスしてドームに入って行く、その様子がストレートニュースにも取り上げられ、非常に大きな話題になったんです。その年は実際にチームも強かったので、このプロモーションがどれだけ貢献したのかを図るのは難しいですけど、集客もアップしたそうです。
このように、「企業や商品や人」に「ニュースをつくる」というPR的発想を掛け合わせ、メディアという第三者のフィルターを透して社会に情報を伝えていくことで、たとえお金が無くても、ズームイン朝の早朝に並ばなくても、“素材”そのもの以上にアイデア次第でヴァリューを付けることができるんです。そうやってヴァリューアップすることで、企業や商品や人といった“素材”は、人から支持されるブランドになっていくんですね。

山崎:我々の仕事はニュースをつくることです。端的にいって面白くなければニュースにならないというのは当たり前。ある情報がニュースになるかどうかのポイントは、読者や視聴者にふさわしい、価値がある情報かどうか、タイミング的に旬かどうかなど様々。いずれにしても、媒体側に「これは今流さなきゃいけない情報だ」というふうに思ってもらえるかどうか、がポイントになります。“こういう出し方をしたら、こういう理屈で世の中にニュースが出て行く”という「情報がニュースになる」メカニズムを知って、逆算してその出し方を考え、自分が伝えたいことをニュースに変換する、これを我々は“PR的発想”と呼んでいます。
15年前、私と次原が一緒に仕事をするきっかけになったプロモーションがありました。ある球団が、開幕前に何か話題を作って欲しいという案件でした。タイミング的には、世の中がJリーグブームで沸いている頃です。球界でも他に話題がたくさんある中、当時あまり地域密着度も注目度も十分でなかった球団に、話題づくりをし、人を集めるためのプロジェクトが組まれ、そこが繰り出したのが「キスしたら入場無料」という企画。
カップル、上司と部下でも、男同士でも、とにかくキスしたら入場無料。アイデア自体、企画会議で誰もが冗談でいいそうなくらいの話ですし、そんな複雑なプロモーションでもないんですけど。むしろ話題づくりのためなら捨て身でここまでやってみようとOKしたクライアントの決断ありきの話ですね。
次原:「キスしたら入場無料になるよ」といったら、まず告知の時点で沢山のメディアが取り上げてくれたんですよね。普段野球をとりあげないような媒体も含めて。そして当日、フタ開けてみたらすごい人で、みんな堂々と恥ずかしげもなくキスしてドームに入って行く、その様子がストレートニュースにも取り上げられ、非常に大きな話題になったんです。その年は実際にチームも強かったので、このプロモーションがどれだけ貢献したのかを図るのは難しいですけど、集客もアップしたそうです。
このように、「企業や商品や人」に「ニュースをつくる」というPR的発想を掛け合わせ、メディアという第三者のフィルターを透して社会に情報を伝えていくことで、たとえお金が無くても、ズームイン朝の早朝に並ばなくても、“素材”そのもの以上にアイデア次第でヴァリューを付けることができるんです。そうやってヴァリューアップすることで、企業や商品や人といった“素材”は、人から支持されるブランドになっていくんですね。