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マタギキ 遠山正道 氏(3/17)

2.会社員が個展を開く

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 会社員だった33歳の時に、絵の個展を開きました。きっかけは、知人の編集者の薦めでした。僕は当時、イラストを描いていて、ひょんなことからカルチャー雑誌「POPEYE(ポパイ)」に載せて頂いたこともあって、個展をやることは、僕のほのかな夢でした。彼に「個展を開くことが夢なんです」って話したら「いつやるの?」っていきなり詰められたんです。自分的には、いつかやりたい程度でふわっと考えていたので衝撃でした。その時僕は32歳で、35歳でやるとおじさんが暴れてるみたいで恥ずかしかったので、34歳ぐらいで開こうかな、なんて考えを話していると、彼に「年齢は四捨五入ではなくで三捨四入だ。今やらなきゃ後はみんな一緒」と言われました。それで慌てて1年後のギャラリーを予約して行動に移りました。しかも、当時僕はイラストを描くことはあっても絵は1枚も描いたことが無かったんですよ(笑)。

 20年も前のことですから、自分なりに多少、話の内容は美化されているかもしれません(笑)。当時僕の上司だった部長は、立派な方でした。僕たちの部署は三菱商事の中では“花形のセクション=イケてる部署”だったんです。仕事はもちろん面白かったのですが、10年経ってふと考えたんです。“このままで良いのだろうか”“部長で成り立っている部署だから、部長がいなくなった時にどうなるのだろうか? 誰かが私を必要としてくれるのだろうか?”、そんな恐怖心にかられました。ですから、彼の言葉と当時の僕の置かれた環境がうまく作用したのでしょう。“何かしなきゃ。このまま終わりたくない”という衝動に突き動かされました。この衝動に関して合理的な説明は何一つできないのですが、20年経ってみてこの時感覚的に動いたことがとても大事だったんだと思います。

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