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[愛魂 vol.17] フリーマガジンFLJ編集長 大野俊也  ~リアリズムを追求し、常に時代のエッジをとらえたクリエイトを提供するマルチプロデューサー~(2/3)

雑誌を作りながらDJやバンドを始めて。誰よりも面白いパーティをやってる自信はあった。

ab:ファインの編集長になったタイミングは?

大野:28歳から。やっぱり僕が一番売れる記事を作ってたのは間違いなかったし。昔は音楽ページもTUBEとかが載ってたんだけど、レッチリとかビースティ・ボーイズ入れたりして変えて行ったんだよね。その頃から全てが始まり出したし、価値観がガラリと変わっていった。 
当時面白いコンテンツを作るためには、やっぱり本場アメリカに行く必要もあったし、ある程度ロサンゼルスは皆知り合ったら、次はニューヨークを攻めて。ニューヨークにはヒップホップや独自のスケートボードのカルチャーやハードコアもあったから、全部チェックして。この頃はとにかくアメリカに行ってたね。「一週間行ってきます」って言って、一カ月帰って来なかったりとかね(笑)。

ab:当時雑誌以外にもイベントをしていたんですよね?

大野:毎週水曜日に六本木エロスっていうクラブで「ファインナイト」をやってました。例えばリアル・スケートボードのチームや、サイプレス・ヒルとかスイサイダルが来たらウェルカムパーティやったりとか、それが盛り上がると全国ツアーやったりとかね。そんな感じで雑誌だけではなく、ひたすらイベントもやってたね。
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大野氏がヴォーカルを担当するバンドDBX

自分でもDJをやってて、ファインにいた途中からはバンド(DBX)もまた始めちゃって。パーティに来た人をスナップ撮ればそれが記事にもなってさらに盛り上がった。誰よりも面白いパーティをやってる自信はあった。 あと、当時のファインには、今と違って若い無名の10代から20代の前半のヤツらばかりが雑誌に出てたし、まだシーンがそんなに大きくなかったから、“あいつがヤバいぞ”って紹介したらすぐに注目されたり。そうやって大きくなっていく人たちもいた。自分が昔アメリカに憧れた感覚が、日本でも始まってきたなぁって。そこには“カルチャー感”があった。

男向けの雑誌を作りたくて、やるなら思いっきりやらせてもらおうと思って創刊したんだ。

IMG_2119.JPG

ab:ファインの編集長を辞めて、ワープ創刊となった運びは?

大野:ファインの編集長を3年やって、30歳になった時に、このままでいいのかなって思って。やっぱり大好きなLAに住もうと思って、実際に行ったんだけど、ちょうどワープの話がきて結局3カ月で日本に帰ってきちゃって。その会社がアメリカのトランスワールドのライセンスを取るのを手伝ったのも僕だったんで、これも何かの縁かなと思って。ファインも最後の方は男の読者が多かったんだけど、基本的には女性誌だったから、次は男向けのものをしたいなって思っていて。やるんだったら思いっきりやらせてもらおうと思って、96年5月30日に創刊した。

本物は何か。それを見誤らなければいいものが作れる。

IMG_2118 - 掲載用.JPG
ab:ジャーナリストとしてではなく、大野さん自身がそのカルチャーに自らが身を置いて、一緒になってシーンを作って来た人間のように思うのですが、編集者の立場から見てシーンが形成され、大きくなる様をどう感じていましたか?

大野: アメリカから帰ってきて思ったのは、アメリカに住んだ方が絶対に楽しいんだろうけど、日本がそれと同じくらい楽しかったらいいなと思って。アメリカと同じくらい、スケートボートとか、音楽でビジネスが成り立っていけば最高だなと思ったし、当時の日本がそういう風になりそうだった。ワープの時はその可能性を信じていたよね。 
だからシーンをどうにかしようとかよりも、その場で起きていることを雑誌を使ってレポートしていたって感じかな。ただ面白くて夢中で作ってたら、それが大きなうねりになっちゃって。 
内容のバランスは考えてたけど、どう作るかは感覚一発で、良いか悪いかしかなかったし、イケてるものを作ればいいんじゃないかって。すでにワープは他の雑誌とは別の立ち位置で売れてたので、セオリーなんて無いワケで。
強いて言えば現場で起こっていることが一番だった。それと、そのカルチャーのいわば元ネタでもあるアメリカで起こっていること、本物は何かっていうことを雑誌では伝えていたよね。見誤らなければいいものが作れたんじゃないかな。

ab:好きか嫌いかってことですね。

大野:あと、早くからDJとかラッパーとかをモデルとして起用してたし、自然と音楽とファッションとスポーツのクロスオーバーができてたんじゃないかな。93年に自分がニューヨークに行ったときに、DJ YUTAKAに連れられてズールー・ネーションのミーティングに出席した時に“ヒップホップはDJ、ラップ、ダンス、グラフィティ、全てを含めてカルチャーだ”っていうことを強調されて。だから、ファッションだけ取り出したり、音楽だけを取り出したりってのはすごくナンセンスだなって思って。ライフスタイルって全部繋がってるから、そういう“カルチャー感”は意識しましたね。

ab:ライフスタイルの表現=カルチャー感だと。

大野:創刊当時流行していたスノボーにしても、きっかけなんてモテそうだったからっていうんで始める人が多かったんだけど、男の子だからさ、そういうキッカケで始まったとしても、ハマったら“もっともっと”ってなるワケじゃん。そこから先は専門誌に任せておけばいい。入ってきて、“もっともっと”という気持ちは煽ろうかなっていうことは考えてた。

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