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[愛魂 vol.46] 松山洋~ピロシの愛称で慕われる"ドットハックシリーズ"の生みの親~(2/2)

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日本なりのリアリティを持たせた、だから海外からも支持されていると思う。

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ab:「.hack」シリーズが海外から支持をされている理由は何だと思いますか?

松山:欧米の方たちは分かりやすいモノが好きなんですよ。だから、日本のゲームはおかしいってよく言われるんです。どうして戦場に子供たちが向かうんだ、どうして女子が入っているんだと。しかも、剣じゃなくて拳銃使えよって。だから欧米のゲームは、屈強のひげを生やした男たちが、でっかい銃を持って、エイリアンを倒しまくるっていうのが多いでしょ?だから、日本人が考えるファンタジーにリアリティを感じていないんです。

ab:どちらかというと「.hack」ファンタジーゲームだと思うのですか?
確かに「.hack」は一見すると、リアリティないように思われがちなんですけど、実は凄くリアリティがある作品なんです。「THE WORLD」はゲームの中の世界で、それを操作している人たちはそうじゃないんだよってところに、欧米人たちはリアリティを感じて、気に入ってくれているんだと思います。浸透するまでに時間はかかるので、まずは、誤解を解かなければいけません。なので、これから欧米に届ける際には、ちゃんと伝え方を間違えないようにしなきゃなって思っています。
ab:マンガやアニメが大好きだと伺ったのですが一番好きなモノは?

松山:やっぱり「NARUTO-ナルト-」ですね。僕は、「NARUTO-ナルト-」が持つ正しさが好きなんです。少年ジャンプのマンガとして大切なことは2つあるんですけど、一つは"新しいこと"です。今の時代に「NARUTO-ナルト-」 みたいな作品ってないんですよ。そして、もう一つは、少年漫画として"正しいこと"。「NARUTO-ナルト-」っていうマンガは、諦めないど根性を持った主人公"うずまきナルト"という少年が、コンプレックスはありつつ、誰かに認めてもらう為に、あの世界のトップである火影(ほかげ)を目指すという、一つのテーマに基づいて描かれているんです。誰かに認められたいって感情って、実は、子供が最初に抱く感情なんですね。だから、そこをテーマに持って来たというところがこのマンガは大正解だと思っているんですよ。そして、少年は必ず強くなるんですけど、それには理由が必要なんです。少年マンガとしては、頑張ったから強くなったではダメなんです。
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どのように頑張ったかってことに共感できないと、読者はついてこないんですよ。だから、「NARUTO-ナルト-」は、修行というシーンを描かずに強くなったことは一度もないんです。10年以上連載が続いていますが、ひとつひとつ強くなるステップを描いて、「NARUTO-ナルト-」らしい方法で強くなっているんです。その一環したテーマを、毎回、新しい方法で描くってエンターテイメントだなって思っています。

クリエイターを育てるのは、クリエイターなんですよ。

ab:注目しているモノってありますか?

松山:常にですけど、私は創るのと同じくらい、楽しむのも大好きなんですよ。だから、マンガを月に60冊、週刊マンガ雑誌を出ているやつ全部読んでいます。単行本も月に100冊買ってますし、アニメも録画して、福岡で放送していないものはお金払って見ています。映画も年間100本は映画館で見るようにしています。結局は、他の人が生み出した作品が好きなんですよ。そういったものから刺激を受けて、自分のクリエイティブに生かしているので。クリエイターっていうのは、人の作品を食べて生きる生き物なんですよ。それがモノづくりのヒントになったり、活力になっているんで。ホントに心底思うのが、クリエイターを育てるのはクリエイターなんですよ。だからやっぱり、刺激がないと生きていけない生き物なんだなって思いますね。我々は刺激中毒者ですよ。
それから、注目しているのは、連載を再開したHUNTER×HUNTERです。毎週楽しみに読んでいますね。

ab:何かおススメの作品はありますか?

松山:去年の10月に公開された韓国映画の「アジョシ」です。ウォン・ビンがめちゃくちゃカッコ良いですよ(笑) 韓国映画って史実をもとにした、凶悪事件を映画化することが多いんですね。実際に起きた、凄惨な未解決事件を映画化しているんですけど、未解決事件なんで未解決で終わるんですよ(笑)なんか答えくれよって思うくらい、浮かばれないんですよ。でも、そんな作品が多い中、「アジョシ」は、「やればできるじゃん」って感じです。あの泥臭さは、日本人にも、アメリカ人にも、ヨーロッパ人にも作れないです。あとは、「オールド・ボーイ」とか、「殺人の追憶」とか「チェイサー」とかですね。
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ab:影響を受けた人はいらっしゃいますか?

松山:「ジョジョの奇妙な冒険」を描かれている荒木飛呂彦先生ですね。ジョジョの前の"バージニアによろしく"っていうデビュー作から大好きですね。僕には、カズオという父親がいるんですが、育ての親は荒木飛呂彦先生だと思っています。生きることとは何か、覚悟とはなにか、美しさとは何かっていうのを、父親とは別に教えて頂きました。

ab:現代の若者にメッセージをお願いします。

松山:気づいているとは思うんですけど、世の中は必ずしも平等ではありません。平等という言葉に惑わされないで下さい。同時に、特別じゃないとやりたい事をやるのは難しいです。だからこそ、自分自身は普通じゃないし、特別だと意識してほしいですね。

(取材日:2012.1.14)

[INFO]

松山洋[PROFILE]
松山 洋 / サイバーコネクトツーの代表兼ディレクター

■略歴
代表作、「.hack」シリーズは全世界で300万本を記録。「NARUTO-ナルト- ナルティメット」シリーズは全世界で860万本を記録。映像演出への特別なこだわりが、国内外での高い評価につながっており、そのこだわりは、2008年に公開されたCGアニメ「.hack//G.U. TRILOGY」や2012年1月21日に全国公開された、劇場用3Dアニメーション「ドットハック セカイの向こうに」でも遺憾なく発揮されている。
最新作は
PS3&Xbox360「NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストームジェネレーション」(2012年2月23日発売)
PS3&Xbox360「ASURA'S WRATH」(2012年2月23日発売)

■Web Site
サイバーコネクトツーHPhttp://www.cc2.co.jp/
サイバーコネクトツー公式ブログ http://www.cc2.co.jp/blog/
Twitter @PIROSHI_CC2

劇場用3Dアニメーション「ドットハック セカイの向こうに」

.hack09.jpg<あらすじ>
少しだけ先の未来、世界は当たり前のようにネットワークでつながり、子供たちは生まれた時からその環境の中で生活している。福岡・柳川に暮らす14歳の少女・有城そら(声:桜庭ななみ)は、明るい性格で活発だが、頑固者で芯の通ったごく普通の中学2年生。ゲームには興味のないそらであったが、友人たちから今巷で流行っているネットワークゲーム“THE WORLD”に誘われ、参加することに。そんな中、“THE WORLD”で起こったある事件を発端として、やがて現実世界に異変が起こり始める……。

監督:松山洋
声の出演:桜庭ななみ、松坂桃李、田中圭
オフィシャルHP
http://dothack.com/
(C)2012.hack Conglomerate
企画・製作:.hack Conglomerate
配給:アスミック・エース
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