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櫻井孝昌(Takamasa Sakurai) のJAPAN! JAPAN! JAPAN!

第63回 ローカルアイドルは日本において、どんな可能性を持っているのか?

アイドル戦国時代と言われるようになって久しいが、私はその構成はここに来て大きく変化したと思っている。言ってみれば、第二期戦国時代。その潮流を大きく変えたのが、ご当地アイドル(ローカルアイドル、ロコドル、ジモドル等の名称も)の大ブームだ。私個人は音の響きが好きなこともあり、ロコドルと呼んでいる。東京でも頻繁にロコドルのライブが実施されるようになった。だが、私は何ごともそうだが、その渦中に行ってみないと、その本質はわからないと思っている。世界でも、日本でもそれは変わらない。ロコドルは、やはりその本拠に行ってこそ、その本質や魅力がわかるだろう。そう思いながら出向いたのが、愛媛のロコドル、ひめキュンフルーツ缶(通称ひめキュン)の松山でのライブだった。
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▲メジャーデビュー決定した。銀天街にある「ひめキュンショップ」で
彼女たちとの出会いは、私がTeam J-MELOとしてときおり出演もしている、NHKワールドの音楽番組「J-MELO」を通して。「J-MELO」の企画「いきなり世界デビュー」で、ひめキュンのビデオクリップ「例えばのモンスター」が2012年度世界からの獲得票1位をとり、私がその楯を彼女たちに渡したのが最初の出会いだった。
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▲ひめキュンの本拠地、ライブハウス「サロンキティ」。キティホールはこの5階にある
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▲ひめキュンを支援する地元商店街、銀天街で
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ひめキュンの母体は、愛媛・松山の老舗ライブハウス「サロンキティ」。私の友人のロックバンドたちも、ここで数多くのライブを経験している。ひめキュンが世界に刺さった大きなポイントのひとつに間違いなく楽曲の良さがあげられるが、楽曲制作もプロデュースもレコーディングも、このライブハウスの座付ミュージシャンたちの手で行なわれることを思えば納得できる。音楽やロックを現場で知りつくした人たちによって、ひめキュンは周囲が固められているのだ。ロコドルはそのほとんどが、大なり小なり地元の活性化という使命を背負わされている。だが、地元の活性がまず先にありきで、育成スケジュールや楽曲が制作された場合、その両方の車輪は必ずしもうまく回るとは言えないだろう。なぜなら、本来先にあるべきは、アイドル自身の魅力であり、楽曲の魅力だからだ。それがあって初めて地元の活性化は軌道にのるだろう。ひめキュンの場合、では地元はどんなふうに関わっているのか、ひめキュンを支援し続けてきた、松山・銀天街商店街のみなさんにも話を聞かないとひめキュンというロコドルの全容はつかめないだろう。本連載でも次回、商店街のキーマンたちへのインタビューも合わせて紹介していく。
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▲商店街が作ったひめキュングッズを手に
さて、そんなひめキュンのメンバーは、松山でアイドルをすることの意味をどんなふうに考えているのだろうか。
谷尾桜子「いま自分がここに暮らしている環境そのままで活動ができることがうれしいです」
河野穂乃花「ひめキュンを観るために、初めて四国に来たというファンのみなさんもいらっしゃいます。ひめキュンが愛媛や四国を知ったり、興味持っていただくきっかけになればうれしいです」

実際、私が松山空港から市内に向かうバスにも、それらしきファンを何人か見かけた。日本の魅力を知るきっかけはいくつあってもかまわない。アニメが日本の現代社会を世界にPRしたように、ロコドルが地方の魅力を知るきっかけになる可能性はとても高いのだ。
そんな松山で行なうライブは何が違うのだろうか?
河野「私たちが定期公演をしているキティホールの会場は椅子があるのですが、アンコールまでみなさん座ってみるんです。ダンスが激しいので、スタンディングのイメージがあるようですが、この“ゆるさ”も松山やひめキュンの魅力だと思います」
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▲ライブ風景。疾走感が魅力
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オールスタンディングだと、前列のファン以外、ライブ中に顔しか見えなかったということもままあるが、ひめキュンの松山でのライブはたしかに彼女たちのすべての動きを堪能できた。ライブのラスト、アンコールでは全員総立ちになり、一体感を持って締めるのも、ひめキュンとファンの一体感をさらに高めているのだろう。

谷尾「愛媛の各地でライブすることで、私たち自身も愛媛のよさを知ることができました」
ひめキュンとして活動することで、愛媛が大好きになったと彼女たちは口をそろえた。地元の魅力を知り、それを外に発信する。そんな彼女たちの地元に対する誇りや自信は、地元の人たちにも同じ気持ちが還元されていくだろう。

彼女たちは、いま故郷の松山をどう見ているのだろうか。
岡本真依「田舎すぎず、都会すぎず、とても安心感があります」
奥村真友里「すべてがゆっくり、マイペースを保てます」
菊原結里亜「すべてにひかえめな感じが大好きです」
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▲アンコールで総立ちに
エンターテインメントの世界と言うと、どこかに生き急いでいる感を感じる方も多いだろうが、彼女たちと話していると、すべてが等身大なのだ。だが、ステージでの疾走感は圧倒的である。ステージでのプロフェッショナリズムとブログやMCで見せる素顔のギャップが日本のアイドルのオリジナリティと口にする海外のアイドルファンは多いが、ひめキュンの5人はまさにそれを体現しているといえるのではないだろうか。ひめキュンに会うのは二度目だったが、ずっと前から知っている近所の女のこたちのように私自身も感じていた。
奥村「ひめキュンになって、世界が広がりました。ひめキュンをしていなかったら、私いま何をしていたんだろう?ってときどき思うんです」
河野「小さいときからアイドルになりたくて、昔は都会に憧れていました。でも、ひめキュンの活動で、愛媛のいろいろな祭りに参加したりするうちに、愛媛が大好きになったのは大きかったです」

東京と地方。エンターテインメントの道を目指す若者には、この問題がこれまでずっと大きな問題として存在していた。東京一極集中が日本にとって最善の選択肢ではない。誰もがわかっている課題を、ロコドルがひとつひとつ乗り越えていっている。それは、すべての産業や社会に関わる問題ととして、その活動を日本人は温かく見守り、もっと応援すべきだと思うのだ。
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執筆者:櫻井孝昌氏プロフィール 

櫻井孝昌.jpg作家、ジャーナリスト、事業企画・イベントプロデュース等の仕事とならび、世界24カ国延べ110都市以上で講演やイベント企画、ファッションショーといった「ポップカルチャー文化外交」活動を実施中。外務省委嘱のカワイイ大使プロデューサー、アニメ文化外交に関する有識者会議委員等も歴任。著書(発売順)に『アニメ文化外交』(ちくま新書)『世界カワイイ革命』(PHP新書)『日本はアニメで再興する』(アスキー新書)『ガラパゴス化のススメ』(講談社)『「捨てる」で仕事はうまくいく』(ダイヤモンド社)がある。
ツイッターでも海外情報発信中 http://twitter.com/sakuraitakamasa/
毎週水曜日更新!
※次回は、ひめキュンフルーツ缶を支える地元商店会キーマンへのインタビュー。そして、ひめキュンとの街歩き

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