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櫻井孝昌(Takamasa Sakurai) J POP CULTURE見聞録

第31回 潜入!これがコスプレ大国中国北部の巨大アニメフェアだ。長春国際動漫芸術祭

世界でコスプレイベントが開催されていないウイークエンドは存在しないだろう。本連載でも世界コスプレサミットの各国予選会や名古屋での本選の模様を紹介してきた。
この4年あまり世界を周りながら、そんな世界がコスプレを愛する現場に触れてきたが、なかでもコスプレ大国だなあと個人的に思う国に中国があげられる。
この6月、中国北部の吉林省都、長春で開催された長春国際動漫芸術祭に招待された。中国北部では遼寧省の瀋陽や大連で大学のコスプレサークルと交流してきたが、長春は初訪問、しかも「国際」が名前に入った中国のアニメフェアの参加に期待は高まる。
長春国際動漫芸術祭▲開会式。たくさんのコスプレサークルがプラカードを持って整列。
長春国際動漫芸術祭▲数万人規模のアニメイベント、長春国際動漫芸術祭。動漫とはアニメのこと。
開会式。市の要職者が挨拶する壇上の前にずらり並ぶ、プラカードを掲げたたくさんのコスプレサークルの姿にまず驚かされた。日本ではちょっと考えにくい光景だ。
中国のコスプレの特徴は、多人数でのパフォーマンスが主流なこと。写真撮影がメインなのではなく、さまざまなダンスを組み入れた演技をすることがポイントになるのだ。大学などに多数のコスプレサークルが存在し、しばしば開催されるコスプレ大会に向けて猛練習を続けている。かなりの高額の賞金が出るイベントが多いのも、中国のコスプレの特徴だ。それだけ人々の関心が高いということの表れでもあろう。人気コスプレイヤーのサイン会に並ぶ長蛇の列も目撃したことがあった。
長春国際動漫芸術祭では、中国全土を対象にしたコスプレ大会の北部予選会が実施されていた。
予選会の会場は、熱気に包まれ、盛り上がるシーンになると、会場から黄色い声や歓声が巻き起こる。日本の作品のコスプレでは、当然ながら日本語もたくさん出てくるのだが、多数いる観客のなかに日本人は明らかに私一人。ここにも日本人の知らない日本が存在していた。
大会にもエントリーしていた二つのコスプレサークルが、前日、吉林動画学院の教室で私を歓迎する交流会を実施してくれた。私が入場するときには、初音ミクの「メルト」だった。いま世界のアニメイベントで見かけるもっとも多いコスプレはミクを筆頭にしたボーカロイドだが、それでも実際にこうして世界にあまたある曲の中から海外でミクの曲を耳にすると感無量だ。
長春国際動漫芸術祭
▲中国のコスプレサークル。コスプレ大会での数々の受賞歴を持つ
長春国際動漫芸術祭▲前日、吉林動画学院で歓迎してくれたコスプレイヤー女子
長春国際動漫芸術祭▲中国ではたくさんのコスプレイヤーと出会ってきた
こうした場でいつも考えることは、これからの世界を明るくするために、彼らと何ができるだろうということだ。
たかがコスプレされどコスプレ。自分が好きな作品を自分自身で表現するということは、自分の価値観を表明しているようなもの。世界の若者はアニメやマンガという共通の土台を核に、お互いの価値観を共有できる土壌をすでに持っている。あとは、その場をいかに広げていくかだ。
私自身、アニメ文化外交を始めたことで、世界をより身近に感じ、未来への希望を感じることができるようになった。5年前の自分は思いもしなかったことだろう。
日本は世界ともっとつながるべき。そのために日本人自身が世界にもっと出ていく必要がある。
コスプレという存在を通じて、世界の若者がそのことを日本に説いている気がしてならない。
長春国際動漫芸術祭
長春国際動漫芸術祭
▲コスプレ大会の模様。各サークル団体戦で演技時間も違うが、三者三様で観ていて飽きない。
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毎週水曜日更新!
※次回は、やはり中国の北の地。速報でもお知らせした、モーニング娘。の卒業生リンリンと、日本人アイドル佐保明梨とのハルビンでのイベントの詳細。

執筆者:櫻井孝昌氏プロフィール 

櫻井孝昌作家、ジャーナリスト、事業企画・イベントプロデュース等の仕事とならび、2012年7月現在世界23カ国100都市以上で講演やイベント企画、ファッションショーといった「ポップカルチャー文化外交」活動を実施中。外務省委嘱のカワイイ大使プロデューサー、アニメ文化外交に関する有識者会議委員等も歴任。著書(発売順)に『アニメ文化外交』(ちくま新書)『世界カワイイ革命』(PHP新書)『日本はアニメで再興する』(アスキー新書)『ガラパゴス化のススメ』(講談社)『「捨てる」で仕事はうまくいく』(ダイヤモンド社)がある。
ツイッターでも海外情報発信中 http://twitter.com/sakuraitakamasa/

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