マタギキ volume 06 安藤 竜二氏(2/12)
1.海外から見た日本文化について

地元は愛知県の岡崎市です。もともとはヤンキーでした(笑)。トラックの運転手から材木屋になりました。材木屋さんでは海外で仕事をする機会に恵まれ、20代前半はアメリカやヨーロッパ、後半からは中国やベトナムなどアジアの国をまわっていました。主な仕事は商品の買付けでした。
海外で仕事をしていると、テレビや雑誌で活躍する日本人をよく見ました。一番印象に残っているのはニューヨークに行った時に雑誌の表紙で見た「A BATHING APE®」のプロデューサーのNIGO®さんですね。日本のカルチャー、特に「サブカルチャー」を伝える代表として彼が取材されていました。北野武監督の映画やプロスポーツ選手もそうですが、ナンバーワンよりオンリーワンの、個で活躍する日本人が海外には多いなと、この10年位は感じています。
感覚的には、例えば海外から見た日本というイメージの中には北野武監督や黒澤明監督など映像(映画)分野で影響を与えている人達と漫画、両極端な2面性があります。色々なものが海外で評価されていますが、日本人が想像しているものと伝わり方が違っているのです。
面白い話が一つあります。先日僕の友人のパテシエがパリに行った際に、日本の百貨店などでも展開する、有名なパテスリーのショーケースになんと!マカロンを持ったガンダムのプラモデルが置いてあったそうです。
日本人から見れば笑ってしまうのですが、フランス人は真剣、そのパテスリーは冗談なんて通じない、ものすごく店格の高いお店。フランスでは僕らが想像する以上にガンダムに人気があり、日本のアニメや漫画がリスペクトされているんです。
日本人から見た日本文化は、桂離宮や落語など文化や芸能・古典=「伝統文化」に重みを置き、アニメや漫画などは「サブカルチャー」として順列を付けます。上と下を付けたがるんです。しかし、自分が海外で実際に日本文化にふれていると、ピエールエルメの事例のように、「本当にそうなのかな?」って疑問に思いました。
海外の人が日本を好きになる理由は沢山あると思います。僕の友達で松尾芭蕉が大好きなフランス人がいます。彼は実際に日本に来て“奥の細道”を歩きました。彼に日本を好きになった理由を尋ねると、真剣な顔をして“ドラゴンボール”って言うんです。ドラゴンボールが大好きで、それを作った日本を掘り下げて行くうちに“奥の細道”に行き着いたそうです。外から見れば日本の文化に上下はありません。
僕ら「サムライ日本プロジェクト」が扱っているブランド「八丁味噌」は1337年創業の672年目の会社です。いわゆる伝統企業です。伝統企業の商品に漫画を付けて情報を発信して行くことは、こういった出来事から発想しました。僕らは何も無いところから始めたブランドでした。1億円を超えるような潤沢な予算があるプロジェクトでもなく、自分たちの僅かな資金から始めました。本当に智恵を絞って頭がちぎれる位考えて、利用できる物は全て使ってやろうと思い、「アニメと伝統文化は融合できるのでは」と形にした事が一つのきっかけです。