マタギキ volume 06 安藤 竜二氏(4/12)
3.サムライプロジェクトとは?

インターネットは検索するために使いますよね。束ねたブランディングを行っていれば、「岡崎のこだわり」という検索をした時に、八丁味噌屋も豆腐屋も和蝋燭屋も同じフィールドで表示することができます。例えば「八丁味噌に興味がある人は和蝋燭にも興味があるんじゃないかな」って考えました。だから、統一ブランドにすることで、同じターゲットに効率的に情報を伝えようと思いました。
今、全国の6地域(三河・安芸・加賀・尾張・駿河・美濃)でプロジェクトを立ち上げています。そんな考えをもとに、全国で地域同士も横のつながりを作りながら、新しいコラボレーションを誕生させたりしています。僕たちのブロジェクトは行政がやるような「市や地区」単位ではなく、あくまで民間の企業がやるものですから、そういった縛りは気にする必要がありませんでした。
例えば「愛知県」というくくりでやってしまうと、「名古屋ブランド」になってしまいます。「味噌煮込みうどん」がそうですが、八丁味噌は三河が紀元のブランドですが、名古屋=親ブランドが統括してしまいます。
実際は違いますよ。僕は岡崎出身ですが名古屋人として扱われると「イラッ」ときます(笑)。愛知県は境川を挟んで「三河」と「尾張」の2つに分かれています。実は方言も違いますし、県民性も違います。三河の人間は「商売上手」で尾張の人間は「こつこつ稼ぐタイプ」です。
こんな風に、昔の旧幕藩体制で「ことば」であったり「食文化」であったり「人間気質」が違うことが、現代でも多々あります。そこに目を向けて、サムライプロジェクトは「藩」という切り口にしています。
あと、僕が地域に帰って思ったことは、商工会や勉強会に参加してもみんな仲の良いふりをしています。ゴルフやお酒の席も大事ですが、相手の事業内容を知らないことがよくあります。プロジェクトで心かげていることは、国主になる企業の社長がコーディネーターになって、自分の会社の工場見学などをアテンドしてもらうことです。そうすることで会社のことを深く理解してもらうことが出来ます。
また、サムライプロジェクトは地域で1業種、1社、1品にしています。つまりライバルがいません。「企業秘密なしで本気で付き合いましょう」という仲間たちで仕事をしています。その中から、企業同士が自発的に集まり、開発された商品もあります。ファンリッチという商品がそうで、油のメーカーと鶏卵会社、地元の焼き菓子屋さんが協力してシフォンケーキを創りました。それぞれのお店でサムライ商品コーナーを設けて販売し、月に600個を売り上げる人気商品になりました。この取り組みが地元の新聞に取り上げられたり、商工会議所のビジネス大賞もとりました。厳しい経済状況だからこそ、劇的に売上を上げる非現実的な企画よりも、少ない予算で1%でもいいかから確実に数字が上がる新しい取り組みこそが、今の時代にマッチングしていると思います。
こういった取り組みがサムライプロジェクトの仲間が集まり自然発生的に出て来ることはいいことだと思います。僕は商品のデザインをしてませんけどね(笑)、皆が一緒になって地元を元気にすることが重要なんです。