マタギキ 元祖爆笑王 氏(12/15)
11.大勢の気持ちを掴む方法

1つめは、全体を見渡して話すことです。落語の考え方と一緒で、上(カミ)と下(シモ)を見ながら話すことです。参加している人も、話し手に自分を見られれば頷いてくれる人(リアクションをとってくれる人)もいますし、悪い気はしませんよね。だからプレゼンをしたり、多く人前でしゃべる場合はとても有効だと思います。
例えば、政治家や歌手など多くの人前で喋ったり、パフォーマンスする人は事前にこのことにかなり気をつけてリハーサルを行ったりします。もちろん芸人もそうで、僕が教えている専門学校でも、このことをしっかりと教えます。芸人は顔を売るのが商売なんですが、漫才やコントをやっていると、横顔になりがちです。そこで、若手芸人にはミュージカルを見に行かせるようにしています。ミュージカルは必ず正面を向いてセリフをしゃべりますよね。舞台の上をフルに使ってお客さんの正面を取ることが上手ですから。
2つめは話の切り出し方です。例えば、僕は今回、新しい飛行機に乗って福岡に来ました。飛行機に乗ったことがある人はほとんどでしょう。それだけでは話になり辛いものです。でも「新しい飛行機に乗ったことある?」という(話題の)投げかけであれば、必ず話は転がるんです。これが「あるある」の場合、普通の飛行機ではできないウォシュレットがついたトイレのある機種に乗って来たので、「へ~そんなのあるんだ」とこの話題で話を回すことができます。ちょっとしたことですが「こんなことしたことある」という風に話題を投げかけることで発展させていくことですね。