その時にキッカケがあってつくったのが、「はーどうぇあ・がーるず」なんです。SAMURAI GIRLはヲタク文化って広いテーマで撮ったんですけど、「はーどうぇあ・がーるず」は、ごつい機械とか、コレクション心をくすぐるような機械やおもちゃと女の子という組み合わせで一冊撮り下ろしたんですね。これもピンポイントな感じの作品集なんですけど、Twitterとかでも話題になったみたいです。本当にありがたいです。

ab：やっぱり日本より海外の方が反応はいいんですか？

Julie：そうですね。でも、分かるんですよ。ヲタクをテーマに写真を撮っているわけなんでけど、写真は3次元でしかないんですよ。私は2次元に近づける為に写真を撮ってはいるんですけど、やっぱり3次元なものなんでヲタクの人たちにはウケないんです。ただ、これをどういう人たちが見るかというと、ヲタク文化を面白がって見ている人たちなんです。なので、日本人の方でも、オシャレな女の子のガールズポップ写真が好きな人だったり、デザイナーさんだったり、アンテナの立った、尖った人たちか、外国の日本人の方たちに買って頂いています。

ab：オタクカルチャーを客観的に見ている人にウケているとうことですか？

Julie：そうですね。ど真ん中にいる方は2次元だったり、ちょっと偏ってくるので。

ab：Julie Wataiさんのプロフィールには「チップチューンアーティスト」と紹介されているんですが、チップチューンって何ですか？

Julie：謎ですよね(笑)チップチューンは制限された音で……うーん、簡単に言えば、FM音源で音作りをしている人のことをチップチューンアーティストと呼ぶんです。人気の方法としては、例えばファミコンだったり、ゲームボーイなど、ゲーム機の中身を改造して、音を鳴らせるようにして、それで音を奏でてライブをすることがチップチューンってジャンルなんですけど。ゲームのピコピコって音だと思って頂ければ分かりやすいですかね(笑)

ab：影響を受けた人やモノってあります？

Julie：SF小説が好きで、今の私の原点になっているのが「スノウ・クラッシュ」と「ニューロマンサー」というSF小説です。スチームパンクって呼ばれているような、ホントに昔からあるSF小説です。今はあんまり見ないかもしれませんが……。ニューロマンサーに出てくるような世界観を自分で作りたいなって思います。