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第47回 世界が熱く待つバンドAlice Nine。ボーカル将へのインタビュー。日本人の感性とは?
外務省が委嘱したカワイイ大使、青木美沙子と、そのプロデューサーとして、2009年11月、11泊14日でブラジル4都市(サンパウロ、リオデジャネイロネイロ、レシフェ、ブラジリア)を周ったツアーは、私の文化外交活動のなかでも、生涯忘れることができない貴重な日々の連続だった。
たとえば、レシフェで自分の前に2万もの人がいて、日本が好きと叫んでくれる光景は、日本全体にそのまま生中継したいほどだった。ブラジルの旅で、各地で出会う若者たちに、とにかく名前を聞いた3組の音楽グループがあった。ひとつは、ビジュアル系ロックバンドのアンティック-珈琲店-(アンカフェ)、もうひとつは、モーニング娘。、そして、もう一グループが今回取り上げるAlice Nineだった。その後、アンカフェは2010年1月日本武道館で、モーニング娘。は同年7月パリでライブを観、大きな衝撃を私自身も受けた。考えてみれば、彼ら彼女たちのライブを観ていない、ブラジルのファンたちの分も背負って彼らのライブを観たのかもしれないと、いまこの原稿を書きながら思い返している(アンカフェは2009年、サンパウロでライブを実施し、大成功したが、モーニング娘。がブラジルを訪問したことはない)。その後の、アンカフェ、モーニング娘。と私との交流は、本連載でもたびたび紹介してきたとおりだ。Alice Nineにもいつか出会う。そんな予感をずっと心のどこかに抱きながら、年月は流れていたのだが、大きなきっかけになったのはTwitterだった。

▲将。アニメ、マンガ、ゲームに対する愛情も強い。
私もTeam J-MELOの一人である、NHK WORLDの音楽番組「J-MELO」に2012年海外から届いたリクエスト総数の順位をTwitterで紹介したとき、そのツイートのリツイートがAlice Nineボーカルの将の目に触れ、私をフォローしてくれたのだ(1位、the GazetteE、2位嵐、3位L'Arc-en-Ciel、4位モーニング娘。、5位Alice Nine)。直接出会っていなかったころの年月を埋めるかのように、将とたくさんの想いを語り合った。そんな会話のなかで、Alice Nineが大切な同志であること、彼らがなぜ世界に届くのかもよくわかってきた。私だけではもったいない。そんなわけで2週にわたって、Alice Nine将へのインタビューをもとに本連載をお送りする。

出会っていちばん意外だったのは、Alice Nineが海外ツアーというのをこれまで一度もしてこなかったという事実だ。私がブラジルで彼らの名前を聞かされ続けていたとき、彼らが海外でライブをしたのは、ドイツのケルン、アメリカのロサンゼルスの2都市だけ。しかも、どちらも単独ではなく、イベントへの出演だった。その後も、彼らは昨年、台湾の台北、インドネシアのジャカルタでの対バン、シンガポールの音楽フェスに海外でのライブは参加したのみである。でも、NHK「J-MELO」へのリクエスト順位で明確な通り、彼らの存在は世界に届いている。まず、前提として、ビジュアル系ロックはなぜ世界にこうも刺さったのだろうか。

「ビジュアル系が生まれた根っこにあるハードロックは、完全に欧米のもので、日本人はそれに憧れ、追いかけたわけですが、まずその過程で日本人なりの解釈が生まれたということがあると思います。こうして先達のみなさんが昇華したものを、ビジュアル系の次の世代になる、僕たちが受け取りました。日本人独特の感性をふまえてできあがったビジュアル系の音楽性とファッションが、世界に新しい音楽として受け入れられたのではないでしょうか」以前、私はTwitterで、こんな質問を世界に向けて投げたことがある。「ビジュアル系で音楽とファッション、どちらが大事ですか?」それに返ってきたレスポンスはほぼ全部「両方。どちらも大事で、どちらか一つと言うことはありえない」というものだった。世界の日本熱の根底にアニメ・マンガがあることはもはや衆目一致することだ。世界の若者は、そこに描かれた日本、またアニメを創りだした日本自体への関心をスタート地点に、日本の音楽やファッションに出会っていく。

「21世紀に入って、ビジュアル系とアニメの親和性がさらに強くなったことも大きいと思います。『AKIRA』や『攻殻機動隊』などの作品がそれまでも高い評価を受けていましたが、アニメのポジティブな姿勢はビジュアル系にもつながるものがあるんです」
インターネットのブロードバンド化は、世界津々浦々まで日本カルチャーを広めていった。と同時に日本を愛する若者たちの輪もネットを通して、その動きを活発化させていく。
インターネットのブロードバンド化は、世界津々浦々まで日本カルチャーを広めていった。と同時に日本を愛する若者たちの輪もネットを通して、その動きを活発化させていく。
「日本熱の最初の一歩は、ごく一部の熱狂的な人たちから始まったのでしょうが、そうした人たちは自分が好きなものを誰かに伝えたい、話したいという気持ちが強いです。そのためのツールとしてインターネットがすぐれていたんだと思います」日本文化を愛してやまない若者たちが、いかにネットツールを使って日本のよさを人に伝えようとしてくれているか。そのことを私も日々、FacebookやTwitterなで実感している。彼らは日本の大切な財産なのだ。そして、Alice Nineというバンドは、彼らと日本をつなぐ重要な懸け橋でもある。
将へのインタビューは、次回へと続く。お楽しみに。
将へのインタビューは、次回へと続く。お楽しみに。
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執筆者:櫻井孝昌氏プロフィール

ツイッターでも海外情報発信中 http://twitter.com/sakuraitakamasa/
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※次回は、Alice Nine将へのインタビュー後篇
※次回は、Alice Nine将へのインタビュー後篇