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櫻井孝昌(Takamasa Sakurai) J POP CULTURE見聞録

第53回 Buono! パリ単独ライブレポート② 日本を背負った3人はいかにライブに臨んだか!?

Berryz工房の嗣永桃子、夏焼雅、℃-uteの鈴木愛理3人のユニットBuono!のパリ単独ライブへの密着取材。前回の本連載は、そのライブの意義と彼女たちが欧州に来るのを待ち望んでいたファンの声を紹介した。
K-POPの世界での躍進と、韓国企業および製品の世界での躍進は密接に連携している。では、日本はどうなのか。お互い海外市場の重要性を理解はしていても、それはそれ、これはこれの関係になっていないか。日本企業にとって、アイドルの海外進出の問題はあまりにも他人事になっていないか。少女時代などK-POPの強さに、育成期間の長さを指摘する人は多い。Buono!の3人は、10代そこそこからモーニング娘。を中心とするハロー!プロジェクトを構成するメンバーとして数々のライブで鍛え上げられたアイドルである。Buono!のパリでの単独ライブの行方は、日本経済にとっても重要な意味を持ってくると私は思っていた。
Buono!のパリライブのチケット価格は41ユーロ。これはパリでの通常の国内アーティストのライブの価格と比較すれば高めの値段設定である。にもかかわらず、約900枚のチケットは1週間でソールドアウト。うち約500枚は発売後1時間でなくなってしまったという。いかに、彼女たちのライブが待望されていたかがわかるエピソードだ。私が知る限りでも、フランス国内だけでなく、イタリアのシチリア島、スウェーデン、モスクワからもファンが駆けつけていた。間違いなく、その他の周辺国からもファンは来ていただろう。
ライブ会場は、La Machine du Moulin Rouge(ラ・マシーン・ド・ムーランルージュ)。有名なキャバレー、ムーランルージュに隣接するライブハウスである。ホテル近くに宿をとっていた私が当日朝9時すぎに会場前に行くと、16時30分開場、18時開演であるにも関わらず、すでにたくさんのファンが行列を作っていた。スタンディングの会場の前方で応援するためである。その中には、前回紹介したリュックちゃんの姿もあった。彼女が愛してやまない鈴木愛理がテレビ番組でしていたカッパの着ぐるみを着て並んでいた。シチリア島から来たファンの女子も同じかっこうだった。モンマルトルのカッパは、なかなか愛らしい光景だった。先頭のファンは4時から並んだという。ちなみに、この時期のパリは日中でも氷点下である。
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▲Buono! 左から鈴木愛理、嗣永桃子、夏焼雅

氷点下の中、朝早くから列を作ったファンたち。生で観られる喜びに満ちていた

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「パリに着いて最初の印象は寒い!です。そんななかを12時間も外で待ってくださるなんて、本当に嬉しいです」
リハーサル前の3人へのインタビューで、Buono!リーダーの嗣永桃子がメンバーの気持ちを代表して話してくれた。
「海外のファンのみなさんは、日本のファンのみなさんと反応が違うので予測不可能なところがあります。私も予測不可能なことをして、よい意味での駆け引きを楽しみたいです」
3人ともパリに来るのは初めて。鈴木愛理は海外でのライブ自体が初めてとなる。
「街がきれいで、まるでポストカードのよう。初めてのパリ。空港にファンのみなさんが待ってくれていたんです。嬉しかったです。
今回のパリライブは、日本でのツアーセットとは少し違う、ベスト盤的な内容の構成にしてあります。昔の曲でも、今の自分を見せていきたいです。私たちのライブを通して、日本に親しみを持ってもらえるようになれば最高です」
Berryz工房としてアメリカやタイでのライブ経験がある夏焼雅はそう語った。
「ルーブル美術館にも行くことができました。パリの街は、ひとつひとつが芸術品に見えます。私にとってすべてが初挑戦です。海外でのライブ経験があるモーニング娘。やBerryz工房のメンバーに、海外のファンの熱さは聞いています。涙を流してくれたり、昨日のサイン会でも女の子のファンの反応にすでにビックリしました」
次週の本連載で改めて帰国後のインタビューを紹介する鈴木愛理は、初めてのパリでの体験をそう語りつつ、
「ヨーロッパのファンのみなさんは映像でしか私たちを知らないと思います。生で観て感動してほしい、Buono!のことをもっと好きになってほしいと思います。後悔しないライブをします」と意気込みを語ってくれた。

サイン会。海外のファンとの大切なコミュニケーションの時間だったという

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ライブ。会場全体の一体感は圧巻だった

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横断幕.jpg▲横断幕への寄せ書き。「驚かせたいのでBuono!には言わないで」と頼まれた。約束は守ったよ。
開演30分ほど前から会場にはハロー!プロジェクトのアイドルたちのビデオクリップ映像が次々に流されたが、この時点からファンの熱狂は始まっていた。観客だけ観ていると、まるでライブがすでに始まっているかのようなノリである。
Buono! のメンバー登場以降のライブでのステージと観客の一体感は日本人全体に見せたい熱いものだった。きっとメンバーたちも感動しているのだろうなと思いながら、私自身も完成度の高いライブを楽しませてもらった。
「感動しました! 想像をはるかに上回る熱さでした。また、パリでライブがしたいです」
終演後、そう心から嬉しそうに語る3人の話を聞きながら、日本を背負い、明日へのタスキをつないだ彼女たちの健闘に心から感謝したパリの夜だった。
次回は、帰国後に改めて話を聞いた鈴木愛理へのインタビューをもとに構成していく。
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執筆者:櫻井孝昌氏プロフィール 

櫻井孝昌作家、ジャーナリスト、事業企画・イベントプロデュース等の仕事とならび、2012年7月現在世界23カ国100都市以上で講演やイベント企画、ファッションショーといった「ポップカルチャー文化外交」活動を実施中。外務省委嘱のカワイイ大使プロデューサー、アニメ文化外交に関する有識者会議委員等も歴任。著書(発売順)に『アニメ文化外交』(ちくま新書)『世界カワイイ革命』(PHP新書)『日本はアニメで再興する』(アスキー新書)『ガラパゴス化のススメ』(講談社)『「捨てる」で仕事はうまくいく』(ダイヤモンド社)がある。
ツイッターでも海外情報発信中 http://twitter.com/sakuraitakamasa/
毎週水曜日更新!
※次回は、Buono!パリ単独ライブレポート第3弾!鈴木愛理へのインタビュー。初海外ライブの感動から、自身が感じた日本アイドルの海外進出への展望まで。!

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