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櫻井孝昌(Takamasa Sakurai) J POP CULTURE見聞録

第56回 「『風の谷のナウシカ』がすべての始まりでした」日本を愛するカタール若者との出会い

2012年3月、私は2月のヨルダン訪問に次いで、再び中東の地、カタールの首都ドーハに向かった。
中東に行くたびに思うこと。それは、自分がいかに中東の国々を知らなかったかということだ。どんな人たちが、どんな日常を送っているか。もちろん、私が現地で見られる範囲も限定的ではあるが、それでも地図の上でしか知らなかった国を自分で体感する意義を改めて感じる。
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▲現代的なビルが次々に建設されているドーハ中心部。
ドーハに行くというと多くの友人がまず口にしたのが「ドーハの悲劇」。1993年10月28日アルアリ・スタジアムで開催されたワールドカップ・アジア地区最終予選の日本対イラク戦。ロスタイムで同点に追いつかれた日本が悲願のワールドカップ進出を逃した試合だ。
実際、私もサッカーの国際試合等が頻繁に開催される、豊かな燃料資源を持った中東の国という以上のイメージをほとんど持っていなかったといってもよいだろう。
カタールはペルシャ湾の南岸、アラビア半島の半島にある。面積は約1万1000㎡。これは日本の国土の約3%、秋田県を少し狭くした面積、人口も約170万人にすぎない。だが、国土には莫大な天然ガスが埋蔵されており、その豊富な資源をもとに一人当たり国民総生産は世界1位だ(2010年。日本は24位)。
一言でいえば、ものすごくお金持ちな国なのだ。
2.jpg▲エメラルドグリーンの湾の向こうに立ち並ぶドーハの高層ビル群
そんなドーハで、私は日本語を学ぶ約50名のカタール人を対象に講演会を実施した。
会場は、在カタール日本大使公邸のレセプションルーム。イラク大使も務めたことがある駐カタール大使、門司健次郎さんは、前外務省広報文化交流部長。門司さんがその役職にあるときに、私がプロデューサーとして関わったのが、カワイイ大使事業だった。青木美沙子らカリスマモデル3人が、ロリータファッションなどで日本を発信し、世界と交流していくプロジェクト。私も世界中をカワイイ大使といっしょに駆け回ったが、彼女たちを迎える世界の熱狂ぶりはすべての日本人に見てほしい光景だった。
6.jpg▲講演。世界のコスプレイヤーや、原宿ファッション愛好家の様子を写真で紹介
今回の講演は、門司さんとの掛け合いで実施した。門司さんは日本の内外で私の講演会をもっとも数多く聞いてくれた同志だろう。久々の再会でも、どちらがどう話すかはリハーサルなしでも進めることができる。随時、カタールの若者とやりとりをし、会話を盛り上げながら講演を進めた。
「日本のアイドルで好きなグループがある人?」という質問に真っ先に手を挙げた女子は、こう答えた。
「Berryz工房、なかでも夏焼雅ちゃんが大好きです」
彼女は、本連載でも紹介した、Buono!のパリ公演もちゃんと知っていた(ちなみに門司さんもBerryz工房のファン)。
アニメの認知度も、妙な言い方になるが、想像通り、想像を超える知識だった。
ドーハ以前に訪問した22カ国のべ93都市。これだけの都市で世界の若者と向きあってこなかったら、私がアニメ文化外交を推進するきっかけとなったサウジアラビアでの講演を経験していなかったら、私もこのとき、彼らのアニメに対する知識量に腰を抜かすほど驚いたと思う。
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▲男子も女子もハートのポーズで。日本人は門司大使と私。
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▲ドーハにはユニークな形のビルがいっぱい。
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講演終了後、先ほどの雅ちゃんファンの女子に嬉しそうに話しかけられた。
「『カワイイ・カタール』というコミュニティをfacebookに作ります!」
いかにカワイイという概念が世界に広がっているかを講演でわれわれが話したことに、こんな反応が返ってきたわけだ。
ある青年には、こう語られた。
「『風の谷のナウシカ』を観たことがすべての始まりでした。その日から私の日本への関心が始まったのです」
先日、世界を相手に日本を伝える仕事をしているあるプロデューサーをインタビューしたとき、彼がこんなふうに話してくれた。
「日本は日本を好きな人が誰も悪口を言わない国ですよね」
私も同じことを感じ続けてきた。
一人でも多くの人に日本を好きになってもらう。僕らの旅はまだ始まったばかりなのかもしれない。そして、同志が増えるのを、そう思うすべての人が望んでいる。
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執筆者:櫻井孝昌氏プロフィール 

櫻井孝昌作家、ジャーナリスト、事業企画・イベントプロデュース等の仕事とならび、2012年7月現在世界23カ国100都市以上で講演やイベント企画、ファッションショーといった「ポップカルチャー文化外交」活動を実施中。外務省委嘱のカワイイ大使プロデューサー、アニメ文化外交に関する有識者会議委員等も歴任。著書(発売順)に『アニメ文化外交』(ちくま新書)『世界カワイイ革命』(PHP新書)『日本はアニメで再興する』(アスキー新書)『ガラパゴス化のススメ』(講談社)『「捨てる」で仕事はうまくいく』(ダイヤモンド社)がある。
ツイッターでも海外情報発信中 http://twitter.com/sakuraitakamasa/
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