海外での声優人気
「コンクリート・レボルティオ」の世界配信は、だがしかし、企画段階から決まっていたことではなかったという。

水島「まったく考えていませんでした。（原作と脚本を手掛ける）會川昇や僕が生まれ育ってきた昭和の世界を、『神化』という架空の年代の形で提示していくというのが本作の根本です。日本の事情をひねってみせた作品が世界に届くわけがないのでは？とさえ思っていましたので、世界配信の企画を聞いたときは「嬉しいけど、大丈夫ですか？」と思わず確認してしまいました（笑）。
でも、世界同時配信ということを意識しすぎて、考えすぎても、作品の角が取れてしまいます。ちょっと変わった風合いの作品として、僕らのありのままを海外のみなさんにも観てもらっています。そういう意味でも、上坂さんをはじめ海外での声優人気も重要ですよね。声優の言葉を聞きたいから観てもらえるのということもありがたいことです。
『コンクリート・レボルティオ』は、時代が１話のなかでも行ったり来たりするので、役者としてのハードルは高いと思います。自分たちが組んだパズルを、僕らですら混乱するときがあるぐらいですから。上坂さんにも、役者としての筋肉をとても使ってもらっています」

櫻井「（上坂すみれと櫻井で）いっしょに文化外交に行ったカタールでも、ファンのみなさんが（上坂すみれの出演作品の）台詞を日本語で言ってくれたのが印象的でした」

上坂「カタールが初めての文化外交だったのですが、どんな人が来てくれるのか、どういう反応がくるのか全く予想できませんでした。ですので、カタールの人が、「ブラボー！」と喝采するかのごとく、（『中二病でも恋がしたい！』の）「デコモリ！」（同作で上坂すみれが演じた役名凸守早苗）とか「デース！」（同作での凸守の口癖）とか口々に言ってくださったのが本当に感激でした。
翌年、櫻井さんと文化外交で出向いたモスクワで見た、愛のつまったコスプレ衣装、日本語によるアニソンカラオケもとっても素敵で、この思いに応えないと、と深く感じました。
『コンクリート・レボルティオ』は一見海外の人にはハードルが高いように見えますが、昭和をさらに再構築した『神化』の世界や、怪獣や、魔女っ娘や、ロボットや妖怪などなど、日本型のヒーロー像がたくさんつまったキャラクターたちは海外の人にはすごく刺激的だと思いますし、コスプレもみたいです！」