マタギキ volume 06 安藤 竜二氏(7/12)
6.ブランドを作るとは

ブランドを作る上で大切なのは「誰に伝えるか」ということ。格好良く言えばマーケティングですかね。特に今、僕が取り組んでいるのは中小企業向けのブランディングです。ですから伝統企業の方からの依頼が多いですね。
大半の皆さんが陥る間違いは「100人しかいない街で全員に商品を売ろう」とすることです。例えば、この考え方を日本全体で考えてみて下さい。1億2,000万人に商品を売ろうとして全員から注文がきたら困るでしょう? 中小企業がビジネスをやる場合は、全ての人にモノを売ろうと考えるのではなく、100人のうち1人、1,000人中の1人で充分です。その一人が誰なのかということをリアルに想像してブランドを作らなければいけないのです。その中の年代というカテゴリーでは、僕たちは団塊ジュニアを狙っています。そうやって出来たのが「サムロックブランド」です。
決して伝統的なモノばかり扱っている訳ではなく、広島で100年以上続く「青きな粉」もあれば、三河の鶏卵業者の「卵素麺」などもあります。「地域を代表する」ということをルールに、地域の中で「こだわり」を表現できる商品を集めています。一つ一つは全く違う会社の商品なのですが、黒と赤と白のパッケージで表現することで一つの世界観が出ます。
名古屋で営業したときの出来事ですが、いわゆる「ライフスタイルショップ」といわれるインテリア、雑貨、CDなどを扱うオシャレなお店でも僕らの商品は販売しています。「サムロックの商品は楽ですね」とよく言われます。今、一番難しいことはショップの中の数ある商品の中から、自分たちの商品をお客様の手に取ってもらうこと。僕たちの商品は、お味噌とサイダーといった全く毛色が違う商品が、同じパッケージングデザインでディスプレイしてあることで、思わず手に取ってしまいます。ここが重要なポイントなんですが、みんなカッコいいのです。ダサイものが少ない世の中で、カッコいいだけで売れる、絶対に売れるデザインはありません。しかし、一つのきっかっけにはなります。その中でもきちんとした世界観を表現することを心がけています。
ブランドは相乗的に積み上げてゆくことによって価値が上がっていきます。例えば、ブランドが無い個人がブランドを身につけるためには、力がある人と一緒に仕事をすればいいんです。そうすれば、その人と同じ格に見えますから。その時は、名前と何をやっているかということは見えて無くてはいけません。ですから、ブランドのコラボレーションはバリューアップするには有効な手段なんです。
ブランドを創ることで地方の中小企業が「表参道ヒルズ」のような、今まで出ることが出来なかったスーパー施設に出展できるようになりました。それによって参加している仲間が誇りを持てるようになったということが嬉しかったですね。