マタギキ 中村貞裕 氏(14/18)
13.スタイルとは

これが1番ビジネスになります。例えば10年前にカフェブームがありました。その当時は、あらゆるメディアで紹介され“夜お茶特集”なども頻繁に組まれていました。僕もその当時「カフェオーナー」とう肩書きが1番イケてると思い、名刺に書いていました。ただ3年目が過ぎようと時、何につけてもカフェ、誰でもカフェとう時代になり、何となくダサくなってきました。この時期を境に、僕たちのお店への取材件数も減ってきました。
このカフェブームのピーク時代に出したお店が代官山の「sign」でした。ものすごく流行りました。突然取材が無くなったんです。これがカフェがスタイルになった時です。スタイルになった時は、ブームではないので取材も来ませんし、情報の露出は少ないのです。しかし、当たり前になったので需要はピークを向かえます。そうすると、カフェの数はさらに増えていきます。ここ大手企業がビジネスとして乗ってきます。彼らはブームの時は決して乗ってきません。スタイルになって初めて、参加してきます。なぜなら、1番ビジネスになるからです。だから僕たちは、スタイルになりそうなブームを探し続けています。
こんなシーンで、2番目ばかり探す人がいます。カフェで企業を巻き込んでブームを作ってやろう、いわゆる二番煎じです。それではダメです。なぜならスタイルの目利きができなくなるからです。1番を探し続ける、作った中で、自然の流れで2番になり、企業とビジネスを創るという形が自社のブランディングやスタッフのモチベーションから見ても良い形だと思います。1番をやりながら2番を探すことが“やるべきこと”だと思います。
また、スタイルにならなかったものを、またある時にブームにすることもビジネスチャンスです。例えば、アイドルで言えば僕らの青春時代は「おニャン子クラブ」が流行りました。いったんアイドルブームは終了となるのですが、アップデートして「AKB」としてまたブームになっています。割り切ってやることが大事で、それが大きなビジネスチャンスだと思います。