マタギキ 遠山正道 氏(6/17)
5.書くことの重要性

“頼まれてもいない仕事”がなぜ大切なのか。仕事は頼まれた(命令を受けた)時点で、やって当たり前=作業になってしまいます。僕は“仕事は自分自身で見つけ出し、創り出すこと”だと思っています。そういった意味で、誰にも頼まれずに自分自身の考えでやったことだったので成功体験なんです。もちろん喜びもひとしおでした。何より、物語という手法が相手に分かり易く想いを伝えることができると学べたのは大きかったです。
物語は映像みたいなものですから、とても情報量が多いです。例えば、スープストックトーキョーのお店を紹介するとします。店の名前、客層、ユニフォーム、メニューなどすべてが決まっていないと書くことができません。パワーポイントの三行の文章では到底表現できません。絵を描くのと一緒で、状況を想像しながら物語を書く作業は、かなり詳細に(事業の)企画内容を詰めていく作業にもなります。逆に言うと、妄想ががっちり固まっているので、実現した時にほとんど差が出てこなくなりますね。
書くことは、とても大切です。僕は事業を始めた際に10年で50店舗と書き残しました。そのおかげか、15年経った今でも50~55店舗辺りをうろうろしています(笑)。別にそれに縛られているわけではないのですが、私も社員も単に店舗数を増やすという点にモチベーションが無いことも一理あります(笑)。あと、スープストックトーキョーの企画書に“スープに彩があるから、余計な色は使わない。だからロゴマークもスミ一色である”って書いてあります。そうすると、店の内装もモルタルやステンレスなど素材の色を活かして、壁を紫に塗ったりみたいな、意味なく色を足したりしないんです。書いたものと同じ物語が実現していくんです。