[愛魂 vol.43] 園 子温 ~独特の世界観で人々を魅了する映画界の鬼才~(1/2)
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映画「自殺サークル」「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」など常にセンセーショナルな作品で人々を魅了してきた鬼才・園子温監督。彼の作品は現実離れしているようでどこかリアリティを感じる不思議な世界観を持っている。古谷実の漫画を原作とした最新作「ヒミズ」はベネチア国際映画祭で絶賛され主演の二人は新人賞を受賞。今や最も注目されている日本映画監督の一人となった園監督。3月11日の東日本大震災に強い影響を受け、当初の脚本から大きく変更したという本作の魅力と監督のクリエイティブの根源に迫る。
非日常が日常となった今だから生まれた作品
asianbeat(以下ab):「ヒミズ」を映画化する事になった経緯を教えてください。
園子温(以下園):まず初めにそろそろ原作もので作品を作ってみようという考えがありました。女性が「初めての相手は慎重に選びたい」と思うような気持ちで作品選びをしました。たくさん候補はあったのですがなかなか見つからなくて、自分から持っていったのが“ヒミズ”でした。よく「なぜ“ヒミズ”にしたんですか?」と聞かれますが、好きな相手にどこが好きか言うのが難しいのと同じで「初めての相手は“ヒミズ”がよかった」としか言いようがないです。
園子温(以下園):まず初めにそろそろ原作もので作品を作ってみようという考えがありました。女性が「初めての相手は慎重に選びたい」と思うような気持ちで作品選びをしました。たくさん候補はあったのですがなかなか見つからなくて、自分から持っていったのが“ヒミズ”でした。よく「なぜ“ヒミズ”にしたんですか?」と聞かれますが、好きな相手にどこが好きか言うのが難しいのと同じで「初めての相手は“ヒミズ”がよかった」としか言いようがないです。
ab:初めての原作ものの映画でしたがどのように作品作りをしましたか?
園:自分の色を入れるつもりはなかったですね。それはオリジナルでやればいい事なので、とにかく原作に忠実に映画化しようと思っていました。その人の味みたいなものは自然に出てくるものでしょうし。最近、漫画が原作の映画が多いですが、絶対にコスプレ大会にはならないようにしようとは思っていました。顔が似てるとかそういうことじゃない。大事なのは作品が持つスピリット。だから役者を選ぶ時も似てる似てないでは選びませんでした。
ab:原作の世界観を守る工夫はありましたか?
園:ラスト前の夜はセリフを一字一句変えずに再現しました。あのシーンががうまくまとまればどんなに迂回して寄り道しても“ヒミズ”と言えるんじゃないかと思っていたので、ここをいかに忠実にやるかという事をずっと考えていました。
園:自分の色を入れるつもりはなかったですね。それはオリジナルでやればいい事なので、とにかく原作に忠実に映画化しようと思っていました。その人の味みたいなものは自然に出てくるものでしょうし。最近、漫画が原作の映画が多いですが、絶対にコスプレ大会にはならないようにしようとは思っていました。顔が似てるとかそういうことじゃない。大事なのは作品が持つスピリット。だから役者を選ぶ時も似てる似てないでは選びませんでした。
ab:原作の世界観を守る工夫はありましたか?
園:ラスト前の夜はセリフを一字一句変えずに再現しました。あのシーンががうまくまとまればどんなに迂回して寄り道しても“ヒミズ”と言えるんじゃないかと思っていたので、ここをいかに忠実にやるかという事をずっと考えていました。

ab:震災後に脚本を書き直した狙いはなんですか?
園:当初脚本を書くにあたって、漫画4巻分のセリフ全てを文字に起こしました。そこから削っていく作業をして、特に大きくいじるつもりもありませんでした。でも3月11日に震災があって、それをどうしても無視する事はできなかった。原作は2001年に描かれた、当時の日本を生きるリアルな若者の漫画。映画では2011年のリアルを描かないと漫画の持つスピリットに反するのではないかと思いました。2011年のリアルに忠実にと考えた結果、2011年版「ヒミズ」としてこの作品ができました。上手くいくとか失敗するとかは考えていなかったです。2001年の当時はダラダラと永遠に続く日常からの脱却というのがテーマでしたが、震災があった今、非日常が日常となり、むしろ「日常に戻りたい」という考えに変わったと思います。そういう意味でも書き変える必要があったんです。漫画の冒頭に「明日飛行機事故に遭うと思うか?震災に見舞われて死ぬと思うか?そんなの起きやしない。特別な人間にしか訪れないんだ」というような言葉があるんですけど、今読むとそこに違和感を感じてしまいました。いつだって何かが起きるかもしれない気配がむんむんの現代。誰にでも突然に災難が起こりうる時代を描こうと思いました。
ab:その時々の社会情勢を映画に入れるようにしているのでしょうか?
園:自然に入っているだけで、意識的に入れているつもりはないですが、「ヒミズ」は特別ですね。今回は意識的に入れました。いつもは脚本から全部自分でやっているのですごくプライベートなものになってしまうんですよね。自分のプライベートは絶対にその時の社会情勢とシンクロしてしまうので。
園:当初脚本を書くにあたって、漫画4巻分のセリフ全てを文字に起こしました。そこから削っていく作業をして、特に大きくいじるつもりもありませんでした。でも3月11日に震災があって、それをどうしても無視する事はできなかった。原作は2001年に描かれた、当時の日本を生きるリアルな若者の漫画。映画では2011年のリアルを描かないと漫画の持つスピリットに反するのではないかと思いました。2011年のリアルに忠実にと考えた結果、2011年版「ヒミズ」としてこの作品ができました。上手くいくとか失敗するとかは考えていなかったです。2001年の当時はダラダラと永遠に続く日常からの脱却というのがテーマでしたが、震災があった今、非日常が日常となり、むしろ「日常に戻りたい」という考えに変わったと思います。そういう意味でも書き変える必要があったんです。漫画の冒頭に「明日飛行機事故に遭うと思うか?震災に見舞われて死ぬと思うか?そんなの起きやしない。特別な人間にしか訪れないんだ」というような言葉があるんですけど、今読むとそこに違和感を感じてしまいました。いつだって何かが起きるかもしれない気配がむんむんの現代。誰にでも突然に災難が起こりうる時代を描こうと思いました。
ab:その時々の社会情勢を映画に入れるようにしているのでしょうか?
園:自然に入っているだけで、意識的に入れているつもりはないですが、「ヒミズ」は特別ですね。今回は意識的に入れました。いつもは脚本から全部自分でやっているのですごくプライベートなものになってしまうんですよね。自分のプライベートは絶対にその時の社会情勢とシンクロしてしまうので。
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