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櫻井孝昌(Takamasa Sakurai) のJAPAN! JAPAN! JAPAN!

第56回 田中れいなのモーニング娘卒業。武道館には世界からファンが集結した

人生には転機となる瞬間がある。私自身のことでいえば、ライフワークと考えている文化外交活動で世界を周っているなかで、いくつかの大きなターニングポイントがあった。たとえば、それは2008年3月サウジアラビアでの講演だったり、7月パリ・ジャパンエキスポで「カワイイ」という日本語に心から喜ぶ女子たちの出会いだったりする。2010年7月パリのモーニング娘。のライブも間違いなくそのひとつだ。この日がなければ、私にとってアイドルはいまでも関係ないものだったかもしれない。
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▲武道館ライブの模様。
30ユーロというけっして安い値段でないチケット代にも関わらず約4000名の動員を記録したという数字以上に、そのライブのクオリティの高さに人生観が変わる思いだったからである。
「人間追い込まれたらなんでもできるんです」
後に当時リーダーだった高橋愛は私にそう語ってくれたが、彼女たちを知れば知るほど、いかに彼女たちがライブという存在に真摯にのぞんできたかがわかり、頭を垂れる思いだった。
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パリのライブは、そんなメンバーが異国で、オーバーでなくすべてをかけて世界を取りにいったライブだったと私は思っている。そして、その一夜の出来事は、観た人はもちろん、それを観なかった世界の人にも伝説としてちゃんと届いたのだ。モーニング娘。の世界での圧倒的な支持の根本にあるのが、このときのライブだったことは間違いない事実だろう。パリの8人を、名前さえほぼ知らなかったのだと思うと感慨深いのだが、そのステージで圧倒的な華を持っていたのが、田中れいなだった。

私はモーニング娘。を伝統芸能に例えることが多い。伝統芸能の中心としてライブを支え続けたリーダー高橋愛を追い続けたこともあり、これまで田中れいなについて本連載含め、ほとんど公の文章で書いたことがなかった。だが、田中れいなが、サッカーで言えばフォワードとして圧倒的最前線にいる存在であり、私自身も彼女の華に魅了され続けてきたことも間違いない事実なのである。その田中れいなが卒業した5月21日の武道館には、海外からもたくさんのファンが集まった。田中れいなの卒業とは、海外のファンにとってもそれだけの重大事だったわけである。
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▲武道館に集まったタイとインドネシアのファン。
2012年9月、モーニング娘。のタイでの握手会時に出会ったタイやインドネシアのファンとも多数会えたし、中国のファンとも再会できた。彼らの何人かは、田中が同時にスタートさせていたバンドLoVendoЯのツアーも各地で観ながら武道館に向かってきた。アメリカやフランス、フィリピン、遠くはアルゼンチンからもファンが武道館に集まったという。その武道館ライブは、彼らにも日本のファンにも、すべての観客に、田中れいながいかに完成されたアイドルだったかも改めて知らしめる内容だった。
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田中れいなの卒業は、モーニング娘。にとっても、まちがいなく大きなターニングポイントになるだろう。パリの8人のメンバーも今はリーダーの道重さゆみしか残っていない。だが、伝統芸能としてのモーニング娘。の精神と匠の技はさらにパワーアップされる形で確実に若い現メンバーに引き継がれている。彼女たちがパリのメンバーのような年ごろになったころ、その匠の技がどれほど進化しているかと想像するだけで楽しみだ。そして、田中れいなはアイドルからバンドへと新たな航海に乗り出していく。新しい仲間たちと、その航海を通して、彼女がどんな大陸を発見していくのかを観続けていくのもモーニング娘。の次のステップと同じように楽しみなのだ。

本連載では近々、田中れいなのインタビューを掲載する予定である。こうご期待なのだ。
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執筆者:櫻井孝昌氏プロフィール 

櫻井孝昌.jpg作家、ジャーナリスト、事業企画・イベントプロデュース等の仕事とならび、世界24カ国延べ110都市以上で講演やイベント企画、ファッションショーといった「ポップカルチャー文化外交」活動を実施中。外務省委嘱のカワイイ大使プロデューサー、アニメ文化外交に関する有識者会議委員等も歴任。著書(発売順)に『アニメ文化外交』(ちくま新書)『世界カワイイ革命』(PHP新書)『日本はアニメで再興する』(アスキー新書)『ガラパゴス化のススメ』(講談社)『「捨てる」で仕事はうまくいく』(ダイヤモンド社)がある。
ツイッターでも海外情報発信中 http://twitter.com/sakuraitakamasa/
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※次回は、本連載でもおなじみアップアップガールズ(仮)の初海外。香港ライブをインタビュー

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