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【櫻井孝昌のJAPAN! JAPAN! JAPAN!】 第104回 アイドルがロックに挑戦状をたたきつけるライブが渋谷で今夏、開催。その行方は!?
文化外交活動を開始した2008年ごろ、海外のいくつかの大学でこんなことをテーマに学生と論じあったことがある。
「日本のアニメは暴力や性描写にあふれているから教育上よくない。だから見せないほうがよいという意見も世界にはかつて多かった。それに関してどう思うか?」
これに対する大学生たちの意見は、アニメファンでもそうでない人でも明確だった。
「なぜそもそも『アニメ』という一くくりで語られるのか? たとえば海外の実写映画にも、ハリウッド映画にも、暴力や性描写がたくさん描かれたものはある。だからといって、ハリウッド映画を一くくりにして、教育上よくないから見せるなとはならないだろう。日本のアニメを観たことがない人にかぎって、一くくりで語ることが多い」
こう発言する学生も多かった。
「日本のアニメほど戦争の愚かさや闘うことの無意味さを説いている作品はないのではないだろうか?」
私も実感としてそう思う。日本のアニメでは戦争がテーマとして描かれることが多いからだ。
なぜ、こうした隔たりが生まれるのだろうか。それは「アニメーションは子供が見るもの」という20世紀の常識が根強く存在しているからだ。この常識をおそらく世界で唯一無視して、自分たちが作りたいもの、世に問いたいものを、映像表現の可能性として追ったのが日本のアニメを支えている人たちだ。
だが、こうしたギャップは世界だけの話ではないし、アニメだけの話でもない。日本国内でも一くくりで語られるものは多く、おもしろいものでそうしたものほど海外に日本のオリジナルとして伝わっているものが多い。
アニメもマンガもコスプレも原宿ファッションもそうだろう。実際には、それぞれのジャンルの中には多数の個性が息づき、その個性の総体としてその大枠としてのジャンルが存在するのだが、その大枠の中の個性は、関心を持ってみないと見えてこない。
だが、日本はものづくりにおいて、そうしたディテールにこそこだわってきた国なのではないだろうか。
アイドルもそうだ。かつて私もアイドルを一くくりで考えていた時代があった。というより、そう考えていた人生の期間のほうが圧倒的に長かったので、自分のこととしてもそのギャップがわかる。
だが、そこは無限の個性があり、差がある多様性という日本の精神そのものが生きている世界なのだ。アイドルという一くくりで語れるものはなく、それはロックをいまや一くくりで語る人がいないのと同じことなのだ。
一人のプロデューサーとして、そうした個性に正面からぶつかってみたい。そう思わせてもらえるアイドルとの出会いも増えてきた。
7月8日、渋谷のライブハウスduo MUSIC EXCHANGEで、2組ずつのアイドルグループとロックバンドが対決するライブをプロデュースする。
ライブを中心に、長い年月をかけて地道に人気を上げてきたアイドルグループTHEポッシボー、本連載でも何度か紹介してきた、福岡を拠点に活動し、いまや日本全体のヒットチャートでも上位をにぎわすLinQの2アイドルグループが、海外でも人気が高まっている演劇的アプローチも強いバンド、アーバンギャルド、久々の復活ライブとなるスカバンドDOMINO88に勝負を挑む。
「対決」と言っても、もちろん勝負を決めるものではない。私のプロデュースが期待する意図は、対バンの結果として、出演者、観客のみなさん、そしてライブ以降に起こる化学反応だ。
「日本のアニメは暴力や性描写にあふれているから教育上よくない。だから見せないほうがよいという意見も世界にはかつて多かった。それに関してどう思うか?」
これに対する大学生たちの意見は、アニメファンでもそうでない人でも明確だった。
「なぜそもそも『アニメ』という一くくりで語られるのか? たとえば海外の実写映画にも、ハリウッド映画にも、暴力や性描写がたくさん描かれたものはある。だからといって、ハリウッド映画を一くくりにして、教育上よくないから見せるなとはならないだろう。日本のアニメを観たことがない人にかぎって、一くくりで語ることが多い」
こう発言する学生も多かった。
「日本のアニメほど戦争の愚かさや闘うことの無意味さを説いている作品はないのではないだろうか?」
私も実感としてそう思う。日本のアニメでは戦争がテーマとして描かれることが多いからだ。
なぜ、こうした隔たりが生まれるのだろうか。それは「アニメーションは子供が見るもの」という20世紀の常識が根強く存在しているからだ。この常識をおそらく世界で唯一無視して、自分たちが作りたいもの、世に問いたいものを、映像表現の可能性として追ったのが日本のアニメを支えている人たちだ。
だが、こうしたギャップは世界だけの話ではないし、アニメだけの話でもない。日本国内でも一くくりで語られるものは多く、おもしろいものでそうしたものほど海外に日本のオリジナルとして伝わっているものが多い。
アニメもマンガもコスプレも原宿ファッションもそうだろう。実際には、それぞれのジャンルの中には多数の個性が息づき、その個性の総体としてその大枠としてのジャンルが存在するのだが、その大枠の中の個性は、関心を持ってみないと見えてこない。
だが、日本はものづくりにおいて、そうしたディテールにこそこだわってきた国なのではないだろうか。
アイドルもそうだ。かつて私もアイドルを一くくりで考えていた時代があった。というより、そう考えていた人生の期間のほうが圧倒的に長かったので、自分のこととしてもそのギャップがわかる。
だが、そこは無限の個性があり、差がある多様性という日本の精神そのものが生きている世界なのだ。アイドルという一くくりで語れるものはなく、それはロックをいまや一くくりで語る人がいないのと同じことなのだ。
一人のプロデューサーとして、そうした個性に正面からぶつかってみたい。そう思わせてもらえるアイドルとの出会いも増えてきた。
7月8日、渋谷のライブハウスduo MUSIC EXCHANGEで、2組ずつのアイドルグループとロックバンドが対決するライブをプロデュースする。
ライブを中心に、長い年月をかけて地道に人気を上げてきたアイドルグループTHEポッシボー、本連載でも何度か紹介してきた、福岡を拠点に活動し、いまや日本全体のヒットチャートでも上位をにぎわすLinQの2アイドルグループが、海外でも人気が高まっている演劇的アプローチも強いバンド、アーバンギャルド、久々の復活ライブとなるスカバンドDOMINO88に勝負を挑む。
「対決」と言っても、もちろん勝負を決めるものではない。私のプロデュースが期待する意図は、対バンの結果として、出演者、観客のみなさん、そしてライブ以降に起こる化学反応だ。




THEポッシボーは、昨年、私がプロデュースしたジャンルを超えたアーティストたちのライブJapan Pop Culture Carnivalにも出演してくれた。だが、彼女たちのライブアーティストとしての本領を知ったのが、その直前ということもあり、プロデューサーとして彼女たちのステージを観ながらやり残した感が残っていた。出演者同士のコラボも多いライブだったからだ。THEポッシボーがアイドル以外のジャンルのアーティストと作りだす化学反応を見てみたい。

▲THEポッシボー。対決モード

ローカルアイドルという、日本ならではの新しい個性をアイドルのジャンルに切り開いて進んでいるLinQとは初めての一緒のライブとなる。東京以外にもアイドルの可能性はある。東京を経由しないでも、世界に日本を発信できる道はある。ローカルアイドルは、日本の持っている「地方」という多様性を世界に発信できる大きな可能性だ。
そんな私がともにステージに立ちたいと思った2アイドルグループに、私がしばしば語りあかす2バンドにあえて挑戦状をたたきつけてもらった。
アーバンギャルドもDOMINO88も、ロックやバンドの世界に毅然とある壁を自ら壊していきたいと思っていると私が信じるバンドだ。
化学反応がテーマの今回のライブは、それぞれが自分の持ち歌を披露するだけではない。THEポッシボーとアーバンギャルドが、LinQとDOMINO88が、ステージでの初共演を披露する。もちろん4組全体での共演も。どの曲で勝負にのぞんでくるか、コラボをするか楽しみにしていてほしい。

▲LinQ。対決モード
そんな私がともにステージに立ちたいと思った2アイドルグループに、私がしばしば語りあかす2バンドにあえて挑戦状をたたきつけてもらった。
アーバンギャルドもDOMINO88も、ロックやバンドの世界に毅然とある壁を自ら壊していきたいと思っていると私が信じるバンドだ。
化学反応がテーマの今回のライブは、それぞれが自分の持ち歌を披露するだけではない。THEポッシボーとアーバンギャルドが、LinQとDOMINO88が、ステージでの初共演を披露する。もちろん4組全体での共演も。どの曲で勝負にのぞんでくるか、コラボをするか楽しみにしていてほしい。

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