マタギキ 中村貞裕 氏(9/18)
8.コンプレックスの塊

僕は“熱しやすく冷めやすい”典型的な子供でした。今でもそんなところはありますが(笑)。欲しいものがあれば、飛びついていました。例えば、スケボーが流行ればすぐに買って、上手くなる前にやめちゃうとか。“ちょこっと”できると満足してしまうんです。ギターもやりましたし、DJもやりました。とにかく沢山やってみました(笑)。僕的にはその時々に面白いことを見つけて取り組んでいるので、後悔はしませんでしたが、長く続けて上手くなっていった人達をみると、自分も続けていればその場に居れたかもしれないというやるせなさからのコンプレックスが溜まっていた20代でした。
コンプレックスを感じながら、自分がどのような人間か考えた時に、自分は何にでも興味が持てる“ジェネラリスト”という風に考えるようになりました。1つのことを極めようと突き詰める“スペシャリスト”と逆の存在ですね。特に意識し始めたキッカケは、当時付き合っていた彼女の影響。彼女はスペシャリストの友達が多く、例えばギターの話にしても、その人たちに深い話を聞けるわけです。一方、僕の話は浅くて軽いわけですから、かなり軽薄に見られていました。余談ですが、男性に比べて女性は年上の人とコミュニケーションをとる機会が多く、本当のスペシャリストと会う機会がたくさんあります。そんな状況でしたから、それが輪をかけて僕をコンプレックスの塊にしていきました。