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第53回 新海誠監督インタビュー(後篇)。新海監督が描いた、新宿の美しさの原点は?
新作劇場アニメ「言の葉の庭」を完成させた新海誠監督へのインタビュー後篇。
原作・脚本・監督のすべてをつとめる新海監督。そのストーリー作りの源泉はどんなところにあるのだろうか。
原作・脚本・監督のすべてをつとめる新海監督。そのストーリー作りの源泉はどんなところにあるのだろうか。


「僕のなかには、ハイアマチュアといった感覚がずっとあるんです。アニメーターや脚本家のみなさんのように、プロ中のプロではない。だから、そのとき自分が持っている球を全部詰め込んでストーリーを考えています。ひとつの作品を作っている間は、次の作品のことは考えられません。ただ、『言の葉の庭』を作りながら、まだ自分の中に出していない球があったんだとは思いました。万葉集や靴職人といったキーワードです。万葉集は僕が大学で国文出身だからかもしれないし、靴職人にはイギリス留学時代の影響だと思います。こんなふうに10年間作ってこられたのだから、これからも作っていくことができるかなとようやく思えるようにはなってきました」

「言の葉の庭」で描かれる東京の街は、新宿だ。私の出身地でもある、新宿は新海監督の手によって、新たな美しさを見つけてもらうことができただろう。
「東京はたとえばヨーロッパの街と比較して美しくないという人もいます。でも、新宿のような欲望が剥きだしの街は人間の何かを表しているともいえるし、そのエネルギーは視点を変えれば美しく描くこともできるんです。中学・高校時代、新宿へのあこがれが長野で育った僕にはありました。そんな新宿をきれいに見せたいと思って作ったのが『言の葉の庭』です。
電線が空をおおい、ビルが無計画に並んでいる。そして、その中に明治神宮だったり、代々木公園だったりといった空間が存在する。そんな清濁併せ呑む街にいると、なにかほっとすることも多い。そんな東京の美しさを、視点を変えて描きたかったんです」
「東京はたとえばヨーロッパの街と比較して美しくないという人もいます。でも、新宿のような欲望が剥きだしの街は人間の何かを表しているともいえるし、そのエネルギーは視点を変えれば美しく描くこともできるんです。中学・高校時代、新宿へのあこがれが長野で育った僕にはありました。そんな新宿をきれいに見せたいと思って作ったのが『言の葉の庭』です。
電線が空をおおい、ビルが無計画に並んでいる。そして、その中に明治神宮だったり、代々木公園だったりといった空間が存在する。そんな清濁併せ呑む街にいると、なにかほっとすることも多い。そんな東京の美しさを、視点を変えて描きたかったんです」

新海作品の背景美術の美しさには定評があるが、では新海監督がアニメの中に考える美しさとは何だろうか。
「アスファルトのひびや、高速道路の汚れも美しいです。それができあがってきた歴史を考えれば、そこにはどれだけの情報量が詰まっているのだろうかと考えます。それをちんと描けるのが日本のアニメーターの力ではないでしょうか」
「言の葉の庭」に心動かされた日本、そして世界のみなさんとこれからたくさん私も出会っていくのだろう。彼ら一人一人が、新海さんの目を通して観た日本をどう感じとってくれたか。話を聞くのがとても楽しみだ。
「アスファルトのひびや、高速道路の汚れも美しいです。それができあがってきた歴史を考えれば、そこにはどれだけの情報量が詰まっているのだろうかと考えます。それをちんと描けるのが日本のアニメーターの力ではないでしょうか」
「言の葉の庭」に心動かされた日本、そして世界のみなさんとこれからたくさん私も出会っていくのだろう。彼ら一人一人が、新海さんの目を通して観た日本をどう感じとってくれたか。話を聞くのがとても楽しみだ。


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執筆者:櫻井孝昌氏プロフィール

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※次回は、世界のロリータのあこがれ、青木美沙子へのインタビュー
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